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2020年7月17日Fedora、デフォルトファイルシステムをBtrfsに変更へ

Fedoraプロジェクトは7月15日、Fedoraの技術的な進化の方向性を決定する運営委員会「FESCo(Fedora Engineering and Steering Committee⁠⁠」において、デスクトップ環境のデフォルトファイルシステムをext4からBtrfsに変更することを承認したと発表した。次期バージョンの「Fedora 33」をターゲットに開発が進められる。

Issue #2429 F33 System-Wide Change: Make btrfs the default file system for desktop variants -fesco -Pacure.io
Changes/BtrfsByDefault -Fedora Project Wiki

FedoraプロジェクトはデフォルトファイルシステムをBtrfsに変更する理由として、⁠ユーザには高い透明性(transparent fashion)が提供され、我々(Fedora開発者)にとっては(ディスク容量を効率的に利用できるというBtrfsの特徴から⁠⁠、ディスク容量が足りないシチュエーションでも開発がしやすくなる」というメリットを挙げている。加えてBtrfsはCoW(Copy-on-Write)やSSDの最適化、RAIDのネイティブサポート、スナップショットなどモダンな機能を多く備えており、現在のFedoraの技術的方向性とマッチしていると評価されたようだ。なお、メジャーなディストリビューションでは、openSUSEおよびSUSE Linux Entepriseが2014年からBtrfsをデフォルトファイルシステムとして採用している。

一方、FedoraプロジェクトをバックアップするRed Hatは2017年から「Red Hat Enterprise Linux」におけるBtrfsのディプリケートを発表しており、今後もRHELではBtrfsをサポートしない方針を明確にしている。FedoraプロジェクトはこのRed Hatの姿勢に対し、⁠Red HatはさまざまなかたちでFedoraをサポートしているが、Fedoraはすでに(Btrfsの)アップストリームと密に作業をしており、深くつながっている」として、Red Hatの方針にかかわらずBtrfsのデフォルト実装を進めていくとしている。

FedoraがBtrfsのデフォルト実装を目指すのは今回が初めてではなく、2011年の「Fedora 16」のリリースサイクルにおいても提案されていたが、実現には至らなかった。開発が順調に進めば、10年越しのプロジェクトが今秋に実現することになる。

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