2020年4月にSUSEがアナウンスした「Closing the Leap Gap」 ―オープンソースのコミュニティエディションである「openSUSE Leap」と、エンタープライズ向けの「SUSE Linux Enterprise(SLE)」をコードベースで統合し、SLEのバイナリをopenSUSE Leapに含めていくなど、お互いを補完しあうかたちで成長していくことを明言したプロジェクトは現在、「openSUSE Jump」としてプロトタイピングが進められている。
9月23日(ドイツ時間)、LeapおよびJumpに関連するアップデート「Update on Jump and Leap 15.3 and proposed roadmap for the next steps」がLeapのリリースマネージャを務めるLubos Kocmanによって開発者メーリングリストに投稿されている。
- [opensuse-project] Update on Jump and Leap 15.3 and proposed roadmap for the next steps
- Feature Requests, Submit Requests for openSUSE Jump Take Shape
このアップデートにより、openSUSEコントリビューターはJIRAダッシュボードを活用したプロジェクト管理が可能となり、次期Leapに関するリクエストの閲覧/確認やコメントへの返信が容易にできるようになっている。
また、SLE 15とLeap/Jumpの統合を進める一環として、openSUSEのパッケージビルドサービス「openSUSE Build Service(OBS)」に提出されたリクエスト(Submit Request)を、SUSEのプライベートな開発インスタンス「Internal SUSE instance of Open Build Service(IBS)」へとリダイレクト/ミラーリングする機能も提供される。両者に寄せられる機能拡張のリクエストを、適切な形式で効率的に同期させていくためのアップデートといえる。
Kocmanは次期バージョンである「openSUSE Leap 15.3」(2021年6月)のロードマップについても言及しており、15.3の正式リリース前にSLE 15.2のPEARを取り入れたJumpの成果として「openSUE Leap 15.2.1」を11月4日に一般提供するドラフトスケジュールを示している。openSUSE Leapには4000を超えるパッケージが含まれており、ソースコードとバイナリを統合させていくことは決して容易なチャレンジではないが、Ubuntu/CanonicalやFedora/Red Hatとは異なる、新しいオープンソースとエンタープライズエディションの融合スタイルとして注目される。