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2021年6月30日Apple M1チップをサポートしたLinux 5.13がリリース

Linus Torvaldsは6月27日(米国時間⁠⁠、⁠Linux 5.13」のリリースを発表した。通常のカーネル開発のスケジュールどおり、7本のリリース候補版(RC⁠⁠、約2ヵ月間の開発期間を経ての一般提供開始となる。

Linux 5.13 -Linus Torvalds

Linusによれば、Linux 5.13では2,000名を超える開発者による1万6,000超のコミットが行われたという。比較的大きなサイズのカーネルではあるものの、突出して肥大化した部分もなく、安定したリリースとなったようだ。

Linux 5.13におけるおもなアップデートは以下の通り。

  • 非特権ユーザが制限されたプロセスを実行できるようにするBPFベースのサンドボックス技術「Landlock Linux Security Module(LSM⁠⁠」
  • 悪意あるリモートコード実行を防ぐClangコンパイラの機能「Control Flow Integrity(CFI⁠⁠」のサポート
  • システムコールごとにカーネルスタックの位置をランダムに変更(オフセット化)することによるセキュリティの改善
  • ローカル/リモートのTLB(Translation Lookaside Buffer: 物理アドレスと仮想アドレスの一時的な変換バッファ)を並行してフラッシュする「Concurrent TLBフラッシュ」の実装によるパフォーマンスの向上
  • ARMベースの「Apple M1」チップのイニシャルサポートパッチ作成はAshai LinuxのHector Martin
  • BPFによるカーネル関数のダイレクトな呼び出し
  • io_uringにおけるマルチショットモードのサポート
  • ワイヤレスWAN(WWAN)フレームワークのイニシャルサポート

Linusはすでに次期カーネル「Linux 5.14」のマージウィンドウをオープンしており、プルリクエストの受付も開始している。

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