Linus Torvaldsは11月14日(米国時間)、次期カーネル「Linux 5.16」の最初のリリース候補版となる「Linux 5.16-rc1」を公開した。マージウィンドウがオープンした時期とLinusの旅行が重なっていたこともあり、今回のRC1リリースにあたって若干のトラブルを覚悟していたというLinusだが、結果としては「すべてうまくいった(it all worked out fine)」とコメント、次期リリースに向けて順調な滑り出しとなったようだ。
- Linux 5.16-rc1 -Linus Torvalds
Linux 5.16では現バージョンのLinux 5.15よりも多くのアップデートが予定されているが、その中でもLinusが「言及する価値がある(worth mentioning)」とコメントしている注目の機能がメモリ管理の新機能「folio(s)」である。もともとはOracleのMatthew Wilcoxが中心となって開発してきた機能で、メモリ管理用に新しい構造体「folio」が定義されている。folioにより4KBよりも大きいページサイズでのメモリの扱いが可能になり、パフォーマンスが大幅に向上することが期待されるという。folioに関してはLinux 5.15でも検討されていたが実装はされず、Linux 5.16-rc1リリース直前の11月13日付でマージされている。"folio"には(本のページの)ノンブルという意味があるが、ページ管理を効率的に行うことでメモリパフォーマンスの改善を図るようだ。
- Memory folios -LWN.net
- Merge tag 'netfs-folio-20211111' : kernel/git/torvalds/linux.git -Linux kernel source tree
Linux 5.16は早ければ2021年12月中か、もしくは2022年1月のリリースが見込まれている。