Ubuntu Weekly Topics

2008年8月8日号LinuxWorld Conference & Expo、Free Culture Showcase、OpenJDK6、Ultamatix、Ubuntuトレーニングコース

LinuxWorld Conference & Expo

現在開催中のLinuxWorld Conference & Expoにて、2つのビジネス向け製品がUbuntuに対応することが発表されました。

まず、UbuntuのスポンサーでもあるCanonical社は、Unified Communication製品を開発しているUnison社と提携し、Unison社の製品がUbuntuに対応することを発表しています。Unified Communication製品とは、電子メールやインスタントメッセージング、IP電話などのコミュニケーションツールを単一のシステムに統合し、ビジネスで活用してゆく製品です。今後は、Ubuntuのサーバ版とデスクトップ版の両方で動作するソフトウェアをUnisonのサイトでダウンロードし、Canonicalストアでもライセンスを販売する予定です。

次に、オープンソースな企業向けコンテンツ管理システム (ECM)であるAlfresco Labs 3を開発しているAlfresco社は、Canonical社から商用リポジトリでAlfresco Labs 3のバイナリパッケージを配布しないかという相談を受けたことを発表しています。数多くの企業で実績のある文書・データ管理システムが、Ubuntuのパッケージ管理システムから簡単にインストールできるようになることで、より多くの企業でUbuntuが採用されることが期待されます。

この他にもLinuxWorld Conference & Expoでは、さまざまな企業との提携が発表されました

Ubuntu Free Culture Showcase

Ubuntuのホーム・フォルダに存在するExamplesディレクトリの各種ファイルは、はじめてUbuntuを利用するユーザが音楽や動画が正しく再生されるかどうかを確認するために、example-contentパッケージの一部として配布されています。Canonicalの社員であり、UbuntuのコミュニティマネージャでもあるJono Baconは、久しく更新のなかった音楽・動画ファイルをアーティストに公開してはどうかと自身のブログの中で提案し、Ubuntu Free Culture Showcaseというコンテストを立ち上げました。

応募要項は以下の通りです。

  • 期限は2008年の9月4日
  • 音楽ファイルはOgg Vorbis形式で1MBまで、動画ファイルはOgg Theora/Vorbis形式で3MBまで
  • 提出した作品のライセンスはクリエイティブ・コモンズ By-SA 2.0にすること
  • それぞれのファイルはオンラインストレージなど、誰もが見られる場所にて公開すること
  • それらのファイルへのリンクと連絡先メールアドレスを上記Wikiページに書き込むこと

応募作品はまずUbuntu Stadioのメンバなどによってふるいにかけられ、最終的にコミュニティ協議会が最優秀作品を選び、次期UbuntuであるIntrepid Ibexで採用される予定です。

OpenJDK6関係のパッケージ

次期UbuntuであるIntrepid Ibexから、OpenJDK6のパッケージ(openjdk6-*)がuniverseコンポーネントからmainコンポーネントへと移動になりました。これはつまり、Intrepid Ibexのリリース以降、Ubuntuとしてこれらのパッケージの継続的なセキュリティアップデートとテクニカルサポートが行われることを意味します。これは先日、新設されたことをお伝えしたJavaチームの最初の目標でもありました。

OpenJDK6のmainへの移動にあわせて、いくつかのパッケージの追加や今後のJava関係のパッケージングを行う際の注意点なども告知されています。詳しくは、上記メーリングリストの説明をご覧ください。

Ultamatixに対する反応

先月末、AutomatixをベースにしたUltamatixと呼ばれるソフトウェアがリリースされました。これはUbuntuの派生ディストリビューションであるUltimate Editionの開発者であるTheeMahnが作成したもので、Automatixと同じく各種ソフトウェアを手軽にインストールできることが売りとなっていますLinux.comの紹介記事⁠。

ところがその挙動については、Ubuntuコミュニティ内部からも懸念の声があがっているようです。IRC協議会のメンバであるMelissa Draperはブログにおいて、Ultamatixがそのスクリプトの中でaptのオプションとして⁠--force-yes⁠を使っていることを指摘し、それが危険であることを説明しています。オランダチームのSense Hofstedeはオランダチームのフォーラムで判明したUltamatixのいくつかの問題点を英語で紹介しその利用に対して警告を発しています。

イギリスでUbuntuトレーニングコースが開設されます

イギリス最大手の技術系スクールを展開するQA-IQ社は、Canonical社からUbuntuトレーニングパートナーとして認められ、9月からUbuntuの学習講座を開設することを発表しました

講座では数日かけてUbuntuのインストールや設定、アカウントやネットワークの管理、コマンドラインの操作方法を学び、最終的にはUbuntu Certified Professionalを受験し、合格することを目指します。

Ubuntu Weekly Newsletter #102が発行されました

8月3日に、Ubuntu Weekly Newsletter #102が発行されました。

コミュニティニュース

新しいUbuntuメンバやUniverse Contributorsの紹介、先週お伝えしたScreencastの続きに加えて、Ubuntuの品質管理を担当するQAチームとLaunchpad開発の関係についての話が紹介されています。

Ubuntu QAチームのJordan Manthaは、同チームのミーティングとメーリングリストにおいて、QAチームとLaunchpadの開発チームの橋渡しをすべき存在(liaison)が必要ではないかという提案を行っています。これは、Launchpadの開発はCanonicalの社員で構成されており、その開発プロセスが公開された場所で十分に議論されなかったり、議論されたとしてもQAチームが気づけなかったりする場合もあるためです。ManthaのWikiページに具体的な仕事内容がかかれていますがLaunchpadの開発において起こっていることをQAチームに伝え、QAチームとして品質管理を行うために必要な優先順位をLaunchpadの開発チームに伝える役が必要ではないかという提案です。

Launchpadニュース

Ubuntuの創設者であるマーク・シャトルワースが先週開催されたOSCONの講演において、未だ大部分がプロプライエタリなままであるLaunchpadについて「12ヶ月中に、ソースコードをリリースするだろう」と発言したことを、ars technicaの記事は伝えています。

フォーラムニュース

今週のインタビューは、おやすみです。

また、今週のチュートリアルでは、Fluxboxに右クリックメニューを追加する方法や、それをカスタマイズする方法を詳細に説明した、Fluxboxのメニューに関する解説が紹介されています。

今週のセキュリティアップデート

7月31日から8月5日までに、下記のセキュリティアップデートが行われました。

8月1日
8月4日

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