LinuxWorld Conference & Expo
現在開催中のLinuxWorld Conference & Expoにて、2つのビジネス向け製品がUbuntuに対応することが発表されました。
まず、UbuntuのスポンサーでもあるCanonical社は、Unified Communication製品を開発しているUnison社と提携し、Unison社の製品がUbuntuに対応することを発表しています。Unified Communication製品とは、電子メールやインスタントメッセージング、IP電話などのコミュニケーションツールを単一のシステムに統合し、ビジネスで活用してゆく製品です。今後は、Ubuntuのサーバ版とデスクトップ版の両方で動作するソフトウェアをUnisonのサイトでダウンロードし、Canonicalストアでもライセンスを販売する予定です。
次に、オープンソースな企業向けコンテンツ管理システム (ECM)であるAlfresco Labs 3を開発しているAlfresco社は、Canonical社から商用リポジトリでAlfresco Labs 3のバイナリパッケージを配布しないかという相談を受けたことを発表しています。数多くの企業で実績のある文書・データ管理システムが、Ubuntuのパッケージ管理システムから簡単にインストールできるようになることで、より多くの企業でUbuntuが採用されることが期待されます。
この他にもLinuxWorld Conference & Expoでは、さまざまな企業との提携が発表されました。
Ubuntu Free Culture Showcase
Ubuntuのホーム・フォルダに存在するExamplesディレクトリの各種ファイルは、はじめてUbuntuを利用するユーザが音楽や動画が正しく再生されるかどうかを確認するために、example-contentパッケージの一部として配布されています。Canonicalの社員であり、UbuntuのコミュニティマネージャでもあるJono Baconは、久しく更新のなかった音楽・動画ファイルをアーティストに公開してはどうかと自身のブログの中で提案し、Ubuntu Free Culture Showcaseというコンテストを立ち上げました。
応募要項は以下の通りです。
- 期限は2008年の9月4日
- 音楽ファイルはOgg Vorbis形式で1MBまで、動画ファイルはOgg Theora/Vorbis形式で3MBまで
- 提出した作品のライセンスはクリエイティブ・コモンズ By-SA 2.0にすること
- それぞれのファイルはオンラインストレージなど、誰もが見られる場所にて公開すること
- それらのファイルへのリンクと連絡先メールアドレスを上記Wikiページに書き込むこと
応募作品はまずUbuntu Stadioのメンバなどによってふるいにかけられ、最終的にコミュニティ協議会が最優秀作品を選び、次期UbuntuであるIntrepid Ibexで採用される予定です。
OpenJDK6関係のパッケージ
次期UbuntuであるIntrepid Ibexから、OpenJDK6のパッケージ(openjdk6-*)がuniverseコンポーネントからmainコンポーネントへと移動になりました。これはつまり、Intrepid Ibexのリリース以降、Ubuntuとしてこれらのパッケージの継続的なセキュリティアップデートとテクニカルサポートが行われることを意味します。これは先日、新設されたことをお伝えしたJavaチームの最初の目標でもありました。
OpenJDK6のmainへの移動にあわせて、いくつかのパッケージの追加や今後のJava関係のパッケージングを行う際の注意点なども告知されています。詳しくは、上記メーリングリストの説明をご覧ください。
Ultamatixに対する反応
先月末、AutomatixをベースにしたUltamatixと呼ばれるソフトウェアがリリースされました。これはUbuntuの派生ディストリビューションであるUltimate Editionの開発者であるTheeMahnが作成したもので、Automatixと同じく各種ソフトウェアを手軽にインストールできることが売りとなっています(Linux.comの紹介記事)。
ところがその挙動については、Ubuntuコミュニティ内部からも懸念の声があがっているようです。IRC協議会のメンバであるMelissa Draperはブログにおいて、Ultamatixがそのスクリプトの中でaptのオプションとして“--force-yes”を使っていることを指摘し、それが危険であることを説明しています。オランダチームのSense Hofstedeはオランダチームのフォーラムで判明したUltamatixのいくつかの問題点を英語で紹介し、その利用に対して警告を発しています。
イギリスでUbuntuトレーニングコースが開設されます
イギリス最大手の技術系スクールを展開するQA-IQ社は、Canonical社からUbuntuトレーニングパートナーとして認められ、9月からUbuntuの学習講座を開設することを発表しました。
講座では数日かけてUbuntuのインストールや設定、アカウントやネットワークの管理、コマンドラインの操作方法を学び、最終的にはUbuntu Certified Professionalを受験し、合格することを目指します。
Ubuntu Weekly Newsletter #102が発行されました
8月3日に、Ubuntu Weekly Newsletter #102が発行されました。
コミュニティニュース
新しいUbuntuメンバやUniverse Contributorsの紹介、先週お伝えしたScreencastの続きに加えて、Ubuntuの品質管理を担当するQAチームとLaunchpad開発の関係についての話が紹介されています。
Ubuntu QAチームのJordan Manthaは、同チームのミーティングとメーリングリストにおいて、「QAチームとLaunchpadの開発チームの橋渡しをすべき存在(liaison)が必要ではないか」という提案を行っています。これは、Launchpadの開発はCanonicalの社員で構成されており、その開発プロセスが公開された場所で十分に議論されなかったり、議論されたとしてもQAチームが気づけなかったりする場合もあるためです。ManthaのWikiページに具体的な仕事内容がかかれていますが、Launchpadの開発において起こっていることをQAチームに伝え、QAチームとして品質管理を行うために必要な優先順位をLaunchpadの開発チームに伝える役が必要ではないかという提案です。
Launchpadニュース
Ubuntuの創設者であるマーク・シャトルワースが先週開催されたOSCONの講演において、未だ大部分がプロプライエタリなままであるLaunchpadについて「12ヶ月中に、ソースコードをリリースするだろう」と発言したことを、ars technicaの記事は伝えています。
フォーラムニュース
今週のインタビューは、おやすみです。
また、今週のチュートリアルでは、Fluxboxに右クリックメニューを追加する方法や、それをカスタマイズする方法を詳細に説明した、Fluxboxのメニューに関する解説が紹介されています。
今週のセキュリティアップデート
7月31日から8月5日までに、下記のセキュリティアップデートが行われました。
- 8月1日
- 8月4日