resolute(Ubuntu 26.04)の開発;「ソフトウェアとアップデート」の整理
resoluteの開発において、比較的大きな「転換点」が生じました。具体的には“Software & Updates”(software-propertiesパッケージ)を整理するという方向性です。Ubuntuは歴史的な経緯からDebian系のパッケージ・Snap由来のパッケージ・各種ドライバー、そしてファームウェアアップデーターなどなど、いろいろな「アップデート」ツールが存在しています。これらをまとめたいのだ、というのがこの主張の基本路線です。
解説としてもっとも分かりやすいのは、「software」あるいは「update」と入力した場合に、大量のユーティリティが表示されるスクリーンショットでしょう。特に「software」と入力したパターンは「近代的なOSのUI」としてはかなり厳しいものがあり、Software Updater, Software, Software&Update、Additional Driver、App Center、Bazaarの5つのアイコンが表示されてしまっています。これらは「慣れた」Ubuntuユーザーにとってはお馴染みの光景ではあるものの、初めてUbuntuに触れるユーザーにとって、あるいは何かしらの操作をしないといけない人にとっては厳しいものとなるはずだ、というのがこの論点のコアです。
「さらに問題になりうるのは、これらのツールが『変更できる』点に、それなり以上にシステムにとって大きな影響を及ぼすものが含まれていることで、Main/Universe/Restricted/Multiverseや「Proposed」といったパッケージリポジトリの知識がない状態であってもこれらを変更することができてしまいますし、セキュリティアップデートを適用するための設定を壊すこともできてしまう」といった主張がここに続きます。
「こうした問題を解決するために、そもそもデフォルトのGUIで触れるべきものかどうかを考え直す必要がある」という方向の提案が行われています。どうあるべきかについてはフィードバックや議論が必要になるだろうことから、Discourse上で広く意見を受け付けながら進めるというアプローチになっています。なお26.04のリリースですべての対応が行われるわけではなく、各種ドライバーのインストールユーティリティなどはポイントリリースで(つまり、おそらく26.04 LTSよりも後のUbuntuで実現し、それをバックポートする形で)提供されることになりそうです。
Ubuntu 24.04.4のリリース
Ubuntu 24.04 LTSの4番目のポイントリリース、24.04.4がリリースされました。ポイントリリースはUbuntuのLTSにおける、「それまでに提供されたアップデートをすべて適用したもの」で、LTSを新規にインストールする場合に用いるものです。今回のリリースではHWEカーネルとして25.10ベースの6.17カーネルが含まれているため、新しいハードウェアへの対応用にも用いることができます(すでにLTSを利用している場合は普通にアップデートすればポイントリリースと同等の状態に更新されるため、なにか対応を行う必要はありません)。
なお変更点についてはパッケージ的な変更点のまとめから辿ることも可能です。しかし、人類が素直に読むには適していないため、各種AIツールに読み込ませてサマリを確認する(そして「まだ直っていない問題」についてのみ考える)のが安全です。特に今回はHWEカーネル由来の問題が24.04 LTSにおいて生じているため、いつもより少しだけ注意した対応が必要となるでしょう。
Open Source Conference 2026 Tokyo/Spring@駒澤大学
Ubuntu Japanese Teamは、2026年2月27日〜28日に開催されるOpen Source Conference 2026 Tokyo/Spring@駒澤大学にブース展示・セミナー出展で参加します。ブースでは、まもなくリリースされるUbuntu 26.04 LTSがインストールされたマシンの上で、WindowsゲームやらAI機能やらが動く様子を披露します。また、2月28日(土) 15:15 〜 16:00のセッションでは、26.04の開発状況を紹介する予定です。
| 日程 |
2026年2月27日(金) 11:00~18:00(展示:11:00~17:30), 2月28日(土) 10:00~17:30(展示:10:00~16:00) |
| 費用 |
無料 |
| 主催 |
オープンソースカンファレンス実行委員会 |
| 運営 |
株式会社びぎねっと |
| 内容 |
* オープンソースに関する最新情報の提供 * セミナー - オープンソースの最新情報を提供 * 展示 - オープンソースコミュニティ、企業・団体による展示 |
| 会場 |
* 駒澤大学 駒沢キャンパス 種月館 (3号館) 2F * キャンパスマップ * 交通アクセス(渋谷から東急田園都市線で7分「駒沢大学」下車、徒歩10分) * 駒沢大学駅から正門のルート(Googleマップ) 北門は閉まっていますので、正門からお越しください。 |
その他のニュース
- 今年のUbuCon Asiaは、台湾で開催されることになりました。
- Ubuntu Core 22のFIPS 140-3への対応が宣言されています。なお、FIPSモードの利用にはUbuntu Proが必要となります。なおUbuntu CoreはSnapを基本とするシステム構成になり、FIPS対応に直接的に影響する各種暗号ライブラリ類(OpenSSL、libgcrypt、GnuTLS)のコピーがSnap側に含まれていないこと(OS側のものを適切に使うこと)が必須となります。このための確認手順も明示されています。
- Landscapeの開発において、「ドキュメント駆動開発」を取り入れた経緯と関連する考察について。ドキュメント駆動開発への切り替え前後のメリットが語られているため、「適切な開発形態」を探索している人にとっては役に立つかもしれません。