今回はRaspberry Pi 3のOSとしてUbuntuをインストールし、GNOME Flashbackを使用する方法を紹介します。
Raspberry Pi 3とUbuntu
Raspberry Pi 3でXubuntu 16.04を動作させる方法は第421回で紹介しました。今回は、その回で説明したARM/RaspberryPiのインストール方法を紹介します[1]。
とはいえ、実のところ第376回をアップデートした記事となります。
インストール ステージ1
何はなくともインストールイメージをARM/RaspberryPiからダウンロードします。Raspberry Pi 3用のイメージをダウンロードしてください。
microSDカードを用意し、母艦のUbuntuで認識させます。今回は例としてダウンロードフォルダーから/dev/sdfとして認識しているmicroSDカードにイメージを転送します。次のコマンドを実行してください。
完了後、Raspberry Pi 3にmicroSDカードを接続し、電源ケーブルであるMicroUSBケーブルを接続してください。
インストール ステージ2
Raspberry Pi 3から起動するとコンソールログインになります。初期ユーザー名/パスワードはともに"ubuntu"です(引用符は不要)。なお、認証後に強制的にパスワードを変更するようになっていますので、初期パスワード(1回)と新しいパスワード(2回)を入力してください。
まずは最初にapt update
を実行します。
続いて最低限必要なパッケージをインストールします。avahi-daemonは必須として、vimユーザーはvimを、Emacsユーザーはemacsをインストールするといいでしょう。vimユーザーと仮定すると、コマンドでは次を実行します。
以後はRaspberry Pi 3で実行してもいいですし、母艦であるUbuntuからsshでログインし実行してもいいですが、今回は後者と仮定します。
avahi-daemonパッケージがインストールされており、Ubuntu PCとRaspberry Pi 3の両方でAvahiデーモンが動作している場合は、次のコマンドでログインできます。
ssh接続するメリットのうちの一つが、コピー&ペーストが簡単に行えることですが、次で早速役に立ちます。
パッケージのダウンロード元がマスターサーバーになっているため、とても遅いです。そこで、/etc/apt/sources.listを次のように書き換えてください。
書き換えが終わったら保存します。
続いてPPAを追加します。
リポジトリを更新し、パッケージをアップデートします。次のコマンドを実行してください。
最初のコマンドでエラーが出た場合は、sources.listのコピー&ペーストにミスがあった可能性があるので、確認してください。
続いてロケールやタイムゾーンの設定です。次のコマンドを実行してください。
sudo: unable to resolve host ubuntu
など名前解決ができない旨のメッセージが表示される場合は、/etc/hosts
を確認してください。2行目に127.0.0.1 ubuntu
があるか確認し、ない場合は追加してください。
日本語キーボードを使用している場合は、/etc/default/keyboardのXKBLAYOUT="us"
をXKBLAYOUT="jp"
に変更し、次のコマンドを実行してください。
いったんここで再起動します。
いよいよ大量のパッケージをインストールします。次のコマンドを実行してください。
インストールには時間がかかるので、しばしお待ちください。ちなみに筆者の環境では136分かかりました。遅いmicroSDカードだったようです。
続いて設定変更を行います。まずは/etc/X11/xorg.confを以下のように変更してください。このファイルはデフォルトでは存在しないので、作成してください。
ネットワークの設定をNetwork Managerで管理する場合は、/etc/network/interfacesの最下行を次のように変更し、コメントアウトしてください。
ここまで設定が完了したら再起動してください。いよいよGUIでログインします。
ログイン
ログイン時にユーザー名(Ubuntu)の右にあるUbuntuロゴをクリックするとセッションが選択できるので、[GNOME Flashback (Metacity)]を選択します。あとはパスワードを入力すればログインできます。
日本語関連パッケージのインストール
今回は日本語関連パッケージのインストールはGUIで行います。[システム設定(System Settings)]—[言語サポート(Language Support)]を起動します。
[The language support is not installed completely]というダイアログが表示されるので、[Remind Me Later]をクリックします(図1)。
Language Supportが起動するので、[Install/Remove Languages]をクリックし(図2)、[Japanese]にチェックを入れて(図3)、[Apply]をクリックしてしばらく待ちます。インストールが完了したら再起動します。
Fcitxを使用する場合は、再起動後ログインして言語サポートを起動し、[キーボード入力に使うIMシステム(Keyboard input method system)]を[fcitx]にし、ログアウト後再ログインします。
もし英語キーボードとして認識されている場合は、Fcitxの設定を起動し(図4)、左下の[+]をクリックして[キーボード-日本語]を追加し(図5)、一番上に移動します(図6)。英語キーボードは不要な場合削除します。
タイムゾーン
もしタイムゾーンが[Asia/Tokyo]にならない場合は、次のコマンドを実行してください。
[地理的領域]は[アジア]、[時間帯]は[Tokyo]を選択してTabキーを押し、[<了解>]に移動したらエンターキーを押します。
無線LAN
無線LANを使用する場合は、次のコマンドを実行してください。使用できる電波帯はその国によってまちまちなので、日本であることを明示しておくのです。
次回予告
次回はUbuntu Pi Flavour MakerのUbuntu Serverイメージに、UbuntuやGNOME Flashbackをインストールする方法を紹介します。