新しい年の始めに、Ubuntuで使用できるさまざまなデスクトップ環境について2023年に起こったことと2024年に起こりそうなことを紹介します。
新年のご挨拶
新年初めのRecipeは昨年同様に、デスクトップ環境の記事で始まることになりました。
今回は795回ということで、もう800回も目前です。毎度のご愛顧ありがとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
GNOME
では本題です。GNOMEは1年に2回リリースされており、昨年は44と45がリリースされました。
昨年デスクトップ環境を取り上げた第745回で述べたとおり、GNOME Shellのユーザーインターフェースは大きく変わりました。特にUbuntu 23.
個々のアプリケーションはGTK3から4に移行するというフェーズから、移行しない
GNOMEはWayland対応をひととおり完成させたと考えているらしく、X11セッションを削除するという提案が行われています。どの程度の本気・
2024年は本格的にWaylandへの移行を考え、実行に移す年となりそうです。他のデスクトップ環境に関しても同様で、すなわち今回はそういう回となります。
KDE
KDEプロジェクトは昨年も含めて以前より行っているQt 6へのポーティング作業中であり、その成果となるKDE Plasma 6、KDE Frameworks 6、KDE Gear 24.
そして、当然のことではありますが、Plasma 6ではWaylandセッションがデフォルトになる見込みです。
気になるのはKubuntu 24.
KubuntuでPlasma 6を使用したければ24.
Xfce
昨年Xfceの新リリースはなく、継続して4.
XfceもWayland対応のロードマップを公開しており、時期は未定
ただ開発リソースは限られるため、完遂するにはそれなりの時間がかかるものと思われます。
LXQt
LXQtは昨年4月に1.
LXQtはWayland対応に積極的なデスクトップ環境で、今後について1.
LXQt 1.
4.0 is based on Qt 5. 15, the last LTS version of Qt5. If everything goes as planned, this is the last Qt5-based release – we’ll do our best to port the next release to Qt6, even if we’ll have to delay it.
つまり、1.
Lubuntuでの対応はというと、Noble Numbat: The Next Generation of Lubuntuにあるとおり、もしQt6に対応したLXQtのリリースがLubuntu 24.
お題からは少し離れますが、このブログ記事で気になったのはLubuntu 24.
- 最小インストール:snapdすらインストールしない最低限のパッケージのみインストール
- 通常インストール:従来と同様
- 全インストール:通常インストールに加え、4つのよく使われるパッケージをインストール
「なるほど、Snapパッケージを全く使用しない方法を
MATE
MATEは確実に開発は進んでいるものの、2023年中の新リリースはありませんでした。
メンテナンスリリースである1.
MATEのWayland対応はどうなっているのかと調べてみると、mate-wayland-sessionが見つかりました。README.
なかなか興味深い取り組みです。Ubuntu MATEで簡単に使えるようになったら面白そうですが、そのあたりは本年の楽しみにすることとしましょう。
Cinnamon
昨年はUbuntu CinnamonがUbuntu 23.
Cinnamonは5.
Linux Mint 21.
Sway
第794回で紹介したSwayはデスクトップ環境ではありませんが、Waylandをサポートしたウィンドウマネージャーを採用しているということで、ここでも紹介しておきます。本年中にインプットメソッド周りの不具合が解消されるといいのですが、どうなるのでしょうか。