知りたい!サイエンス
クルマの渋滞 アリの行列
--渋滞学が教える「混雑」の真相--
- 西成活裕 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2007.6.15 2013.6.17
- 判型
- 四六
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-7741-3124-5 978-4-7741-5776-4
サポート情報
概要
渋滞という言葉で何を連想するか。ノロノロ運転の高速道路か信号待ちの車列か,いずれにしても不快感を伴う光景が脳裏に浮かぶ。
本書は車だけでなくスーパーのレジ待ち,朝の満員電車など身近にできる混雑や行列がなぜできるのかを解明し,それを避ける方法に触れる。
こんな方にオススメ
- なんで渋滞が起こっているのか不満をもちつつ知りたい人
- 渋滞や行列について知的関心のある人
- セルオートマトンやASEPなどのシミュレーション科学に興味のある人
目次
第1章 渋滞学とは何だろう
- 1-1 車からアリまで,渋滞にもいろいろある
- 1-2 「基本図」から見えてくる渋滞のしくみ
- 1-3 自然渋滞が発生する直前に現れる特異な状態
第2章 新しい渋滞学はこう考える
- 2-1 よい「モデル」をつくることが研究の第一歩
- 2-2 セルオ-トマトン法とは何だろう
- 2-3 その「モデル」はほんとうに正しいのか?
- 2-4 渋滞直前の準安定状態を再現するモデル
- 2-5 人や車の渋滞は波のように振る舞う
第3章 人間行動のモデル化とシミョレ-ション
- 3-1 人は出口からどのように出るか
- 3-2 モデル化の前提となる情報の種類と人のクセ
- 3-3 いざ,群集の行動をモデル化する
- 3-4 シミュレ-ションと実験の結果が示した意外な事実
第4章 日常に見るいろいろな渋滞
- 4-1 ス-パ-のレジでどれくらい待つかの古典的予測
- 4-2 解明すると見えてくるフォ-ク待ちの長所と死角
- 4-3 電車の運行間隔の乱れ=ダンゴ運転はこうして発生する
- 4-4 踏切が引き起こす渋滞はどうすれば緩和できるか
第5章 動物も昆虫も渋滞する!
- 5-1 動物の集団行動が連鎖していくしくみ
- 5-2 動物の群れに見られる協調的な行動はどう作られるか
- 5-3 アリの行列から学ぶ「渋滞」が形成されるしくみ
- 5-4 渋滞学の手法で「創発」を解明する
第6章 渋滞のなくなる日
- 6-1 渋滞緩和のキモは渋滞ストレスを緩和すること
- 6-2 今すぐできる人混みの緩和方法
- 6-3 駅で,車で,ス-パ-で…いろいろな渋滞とその緩和方法
- 6-4 建物の避難安全を実際に検証してみよう
- 6-5 過去の地震の教訓を避難行動に生かそう