技評SE新書 組込みソフトの開発現場につける薬
- 杉浦英樹 著
- 定価
- 924円(本体840円+税10%)
- 発売日
- 2008.1.18[在庫なし]
- 判型
- 新書
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-7741-3361-4
サポート情報
概要
市場の多様化によって「高品質」「高機能」「高性能」が求められている中,組込みソフト開発は「短納期」「低コスト」,そして生産性向上を伴う「開発技術の変革」を進めなければなりません。本書は,このような厳しい状況を打開するヒントが詰まった組込みエンジニア必携の書です。
こんな方にオススメ
- 仕事量の多さに悩み苦しんでいるエンジニア
- チーム開発の難しさを目の当たりにしているリーダー
- 効率的な管理方法を探しているマネージャ
目次
第1章 組込みソフトを取り巻く環境の変化
- 再利用型開発の時代
- 大規模化する開発現場
- 改善に励む現場が報われない
- 差分開発の落とし穴
- 市場の多様化
- 向上している開発効率
- ビジネスモデルの変化
- ブルー・オーシャン戦略
- 種類を増やすアプローチとは
- 「ソース自動生成」と「テスト自動化」と「再利用」
第2章 どうして改善・改革ができないのか
- 遅れる一方の開発現場
- 変化に取り残される開発現場
- 規模が大きくなることで発生する問題
- メンバーが増えていく開発現場
- どうしても人に依存してしまう開発現場
- 仕事が増え続ける開発
- 開発技術の退行
- PDCAサイクルの不在
- 分断される組込み技術
- 改善・改革できない理由
第3章 開発管理の必要性
- 非技術的な制約
- 大規模開発時代には通用しないこと
- 口頭伝承の限界
- 生産性は向上し続けなければならない
- 開発管理の重要性
- 実践するためのチェックポイント
- なにができるようになるのか
- 見せかけだけの改善活動にしないために
- 開発管理のポイント
第4章 開発管理の基礎
- 開発管理の基本
- 立場による認識の違い
- 数値管理の問題
- 「それは管理者の仕事」という認識
- 開発者自身も認識すべきこと
第5章 CMMやPMBOKがすべてではない
- CMMとは? PMBOKとは?
- 目的を実現するための手段にすぎない
- CMMの問題点
- 本来の目的を見失わない
- 現場中心の管理スタイル
- 管理内容の共有
- 新たに管理要素を追加する場合
- 「まずはやってみる」という姿勢
- 氾濫する関連情報
- 手法によるのではなく,手法の考え方による改革
- 変えるところ,変えないところ
- 課題を解決するアプローチ
- 開発者の気づきをどう促進するか
- よいツールは,それを使うことで勉強できる
第6章 理想の開発チームを作る
- 組込みエンジニアの不足
- 個人尊重の時代
- Win-Winの関係
- マインドセット
- やる気の出ない状況を防ぐには
- やる気を作り出すには
- それでもやる気のないエンジニアには
- 担当者個人の問題にしない
- できない人こそチームの宝
- 多様性の尊重,誰でも受け入れる
- 開発者のスキルのバラつき
- 教育による教える側のスキルアップ
第7章 開発管理の実践
- 知識として持っておくべきこと
- 効率化と手抜きは違う
- 緻密な計画がないと意味がない
- 目標を関係者全員で共有する
- 目標をどのように共有するか
- 進捗管理の目的
- 時間に余裕のない現場
- 作業手順を定義する
- 作業内容を分析する
- PDCAサイクルの実践
- アクティブプロセッシング
- チームを改革するには
第8章 開発管理を成功させるコミュニケーション
- コミュニケーションの重要性
- 実践的なコミュニケーション
- コミュニケーションの質を上げるには
- ミスコミュニケーションしないために
- 会議でのコミュニケーション
- 会議はグループワークではない
- 会議と開発作業のバランス
- 電子メールでのコミュニケーション
- 直接向き合うことの重要性を認識する
- チーム内のコミュニケーション
- 上司として,部下として
- コミュニケーションとPDCA
- 社外とのコミュニケーション
第9章 開発チームをより成熟させる
- 開発チームの成熟過程
- 共に成長しながら仕事ができる環境
- 人材育成という観点を忘れない
- 快方に向けた症状の変化を見逃さない
- 教育システムを構築する
プロフィール
杉浦英樹
1986年富士ゼロックスに入社。「何処にも青山あり」の言葉のとおり,言われるがままに組込み制御ソフトウェア開発を開始。以来,組込みソフトウェア開発全般に没頭。アセンブラによる機械制御から,構造化手法へのパラダイムシフトを経て,オブジェクト指向による組込みソフトウェア開発へパラダイムチェンジ。開発手法の変革の中で,開発プロセスと開発管理の必要性を身をもって体験できた。昨今は,組込みソフトウェア開発に関する技術プロデュースを中心に,さらなる効率化を推進している。「ソフトウェアは,シンプルでわかりやすくなければならない」が信念。SESSAME(組込みソフトウェア管理者・技術者育成研究会)コミュニティ会員。近著に『自分のペースでゆったり学ぶ Cプログラミング超入門』(技術評論社),『組込みソフトウェア開発基礎講座』(共著。翔泳社)がある。