目新しい技術や手法に翻弄されていませんか

情報家電、携帯電話、自動車などを制御し、新たな機能やサービスを生み出す組込みソフトウェアの重要性は年々大きくなっています。さらに、市場の多様化によって「高品質」⁠高機能」⁠高性能」が求められている中、組込みソフト開発は「短納期」⁠低コスト⁠⁠、そして生産性向上を伴う「開発技術の変革」を進めなければなりません。本書は、このような厳しい状況を打開するヒントが詰まった組込みエンジニア必携の書です。

第1章 組込みソフトを取り巻く環境の変化
大規模化する開発現場と改善に励む現場が報われていない現状や、注目を集めるブルー・オーシャン戦略などの市場の多様化を見ていきます。
第2章 どうして改善・改革ができないのか
規模が大きくなることで発生する問題など改善・改革できない理由を考察します。
第3章 開発管理の必要性
非技術的な制約から大規模開発時代には通用しないことを整理します。
第4章 開発管理の基礎
立場による認識の違いを考え、数値管理の問題点などを見ていきます。
第5章 CMMやPMBOKがすべてではない
本来の目的を見失わずに現場中心の管理スタイルを提示し、手法によるのではなく、手法の考え方による改革方法を紹介します。
第6章 理想の開発チームを作る
組込みエンジニアが不足している中、どのように理想的な開発チームを作り上げるかを考察します。
第7章 開発管理の実践
時間に余裕のない現場でいかにして目標を共有するのか、チームを改革するためのヒントを提示します。
第8章 開発管理を成功させるコミュニケーション
コミュニケーションの質を上げるコツを、会議、電子メールなど実際の現場に即して紹介します。
第9章 開発チームをより成熟させる
開発チームの成熟過程として、共に成長しながら仕事ができる環境を構築する意義を見ていきます。

本書は、組込みソフトウェア開発の最先端で、仕事量の多さに悩み苦しんでいるエンジニア、大規模化した中でのチーム開発の難しさを目の当たりにしたリーダー、さらに効率的な管理方法を探しているフロントマネージャに、今までと異なるものの見方や考え方を解説します。今から開発現場の改善・改革を進めるきっかけになることでしょう。