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企業のためのやさしくわかる「生物多様性」
- 枝廣淳子 ,小田理一郎 著
- 定価
- 2,178円(本体1,980円+税10%)
- 発売日
- 2009.11.7[在庫なし]
- 判型
- A5
- 頁数
- 216ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4043-8
サポート情報
概要
「生物多様性」という言葉は,「生物の保護や環境の保全」という意味でとらえられがちだが,実は,企業活動と切っても切り離せないもの。今後は,生物資源およびその多様性の「持続的な利用」が重要となる。つまり,経済活動の中で,どのように生物多様性を維持し,利用していくか。本書は,企業やビジネスの側面から生物多様性を考え,どのようにビジネスとして生物多様性に関わっていくか,そこにどんなビジネスチャンスとリスク(環境コストなど)がかかってくるのかを,世界各国の最新の取り組みを紹介しつつ,解説するものである。
こんな方にオススメ
- 企業と環境との関わり,ビジネスチャンスを考えたい人
- 生物多様性について知りたい人
- 環境問題に興味のある人
目次
第1章 生物多様性とは何か
- 01 そもそも生物多様性とは
- 02 先進企業の生物多様性への取り組み
第2章 私たちを取り巻く生態系の今と将来
- 01 「 ミレニアム生態系評価」と生態系サービス
- 02 生態系サービスが重要な理由
- 03 なぜ生態系サービスが劣化するのか?
- 04 生態系サービスのもたらすトレードオフとリスク
- 05 生態系は将来どのようになるか?
第3章 生物多様性をシステム思考で理解する
- 01 システム思考のアプローチ
- 02 フィードバック・ループ
- 03 ストックとフロー
- 04 環境容量を決めるインフローとアウトフロー
- 05 ただちにわかりやすい形で影響が出るわけではない
- 06 「 行き過ぎと崩壊」のメカニズム
- 07 自己回復力と多様性
第4章 世界の動き,日本の動き
- 01 生物多様性をめぐる世界の動き
- 02 生物多様性をめぐる日本の動き
- 03 ますます大きくなる企業の役割と責任
第5章 ビジネスとどうつながっているのか
- 01 突如として現れるビジネスリスク
- 02 生物多様性の動きがビジネスに与える影響
- 03 生物多様性がビジネスにもたらす5つのリスクとチャンス
- 04 世界で広がるPES
第6章 企業が生物多様性に取り組むための枠組み ── ESR
- 01 生態系の変化に伴うビジネスリスクとチャンスを見いだすためのガイドライン(ESR)
- 02 5つのステップ
- 03 ESRを活用している企業の事例
第7章 日本の先進事例
- 01 HSBC ── 金融のしくみに生物多様性保全を組み込む
- 02 リコー ── 中長期計画の中に位置づけ,実効性を高める
- 03 積水ハウス ── 里山に学び,地域の生態系を再生する
- 04 サラヤ ── 持続可能な原材料調達のために
- 05 イオン ── 消費者とのコミュニケーションが求められる流通小売の試み
プロフィール
枝廣淳子
環境ジャーナリスト・翻訳家・有限会社イーズ代表
2つの会社を経営するかたわら,執筆,講演,翻訳,環境NGO運営など,環境を軸にマルチキャリアを展開。これらの活動経験やノウハウを活かし,ビジョンづくりや自分マネジメントのコーチングを提供するほか,「システム思考」の普及に力を入れている。著書に『地球とわたしをゆるめる暮らし』(大和書房),『エネルギー危機からの脱出』(ソフトバンククリエイティブ),訳書に『不都合な真実』(ランダムハウス講談社),『つながりを取りもどす時代へ』(大月書店)ほか多数。
小田理一郎
有限会社チェンジ・エージェント代表取締役
多国籍企業で10年間,製品責任者・経営企画室長として事業戦略立案遂行の実務にあたる。その後米国で企業の社会的使命の追及と非営利組織マネジメントの強化のためのコンサルティング会社を設立。現職ではサステナビリティ経営のコンサルティング,ステークホルダー・ダイアログのファシリテーション,リーダーシップ研修などを行う。共著書『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』(東洋経済新報社),翻訳書『システム思考』(東洋経済新報社)。