知りたい!サイエンス
アナザー人類興亡史
―人間になれずに消滅した“傍系人類”の系譜―
- 金子隆一 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2011.4.21 2013.6.17
- 判型
- 四六
- 頁数
- 264ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4640-9 978-4-7741-5818-1
サポート情報
概要
私たち人間は生態系の頂点に位置し,地球上で繁栄を謳歌しているかのようです。しかし現生人類が生き残ったのは進化の必然か? それにはどんな理由があったのか? 本書の目的はその素朴な疑問を解くことにあります。そのためには,ヒトが生き残るまでの間に,どのようなヒトの祖先がいて,どういった傍系人類が生まれては消滅していったのかを追うことにしましょう。本書は最新の科学調査をもとに,これらの滅亡していった「アナザー人類」を中心に興亡を解説し,いまの人類(ホモ・サピエンス)のルーツを求める旅にいざないます。
こんな方にオススメ
- 人類史に興味のある方
目次
第1章 ヒトの進化を概観する
- ホモ・サピエンスはヒト属の唯一の生き残り
- “神による創造”を揺るがせたネアンデルタール人
- 続々と発見されるヒトの祖先の化石
- ますます混迷するヒトの系譜
第2章 ヒトの居場所
- ヒト・人類・人間とはどんな生物か?
- 遺伝子研究が生み出した生物の新しい進化系統樹
第3章 最初のサルと“ミッシング・リンク”
- 人類進化へのプロローグの時代
- ダーウィニウスはミッシング・リンクか?
- ヒトに近い「類人猿」が姿を現した場所と時代
- 1800万年前の地球は“猿の惑星”
第4章 最初の直立者たち
- アフリカの2つの化石,どれが“最初のヒト”か?
- 「アルディピテクス」こそが最初の人類?
- イーストサイド物語とは何か?
第5章 アウストラロピテクスの系譜
- 姿を現した“華奢な”直系祖先アウストラロピテクス
- 家族を作り道具を使った最初のヒト
- 200万年以上存続したアウストラロピテクス
- アウストラロピテクスよりがっしりした猿人
第6章 「ホモ・ハビリス」は存在したか?
- 最初のホモ属の登場
- 誰が最初に“脳のルビコン川”を渡ったのか?
- 「ホモ・ハビリス」は進化系統の孤児
第7章 ヒトの直系祖先ホモ・エレクトゥス
- アフリカからユーラシア大陸全域に広がったホモ・エレクトゥス
- 人類の“出アフリカ記”はこうして始まった
- 人類の「多地域進化説」と「単一起源説」
第8章 もっとも近い人類の仲間
- ネアンデルタール人の実像を追う
- ネアンデルタール人が築いた精神文化の痕跡
- 分子生物学で見るネアンデルタール人の系統
第9章 最後のアナザー人類
- ひっそりと生き続けていた“小さなアナザー人類”
- 絶滅の淵に立たされたホモ・サピエンスの過去
プロフィール
金子隆一
日本の兵庫県神戸市生れのサイエンス・ライターである。ハードSF研究所所員。
中央大学商学部に在籍していた時から一般科学雑誌などに執筆しており,現代科学や恐竜などについてのポピュラー科学書を多数執筆している。古生物学から海洋生物学,宇宙開発,先端科学など幅広い分野を主な活躍の舞台としているが,熱心なSFファンでもあり,SF作品の科学的考察に関する著作も多数ある。中でも2001年出版の『新世紀未来科学』は日本SF大賞の候補作となった。
漫画やアニメなどの科学設定の考証も手がける。1979~1980年放映の,よみうりテレビ系連続アニメ『宇宙空母ブルーノア』でSF考証を担当,日本のアニメ初の軌道エレベーターを登場させたほか,NHK『天才てれびくん』の1コーナーとして1993年4月から翌年1月まで放送されたアニメ「恐竜惑星」のストーリーの基本を作り,2004年には軌道エレベータの実現を目指す漫画『まっすぐ天へ』(的場健画・講談社刊)で科学設定の考証を務めている。
著作『新世紀未来科学』(八幡書店)『もっとわかる進化論』(日本実業出版社)『テラフォーミング』(NTT出版)『スペース・ツアー』(講談社現代新書)『覇者・恐竜の進化戦略』(ハヤカワ文庫)『恐竜学のすすめ』(裳華房)『知られざる日本の恐竜文化』(祥伝社新書)など多数。