tanQブックス ベルヌーイ家の人々 ―物理と数学を築いた天才一家の真実―
- 松原望 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2011.6.15[在庫なし]
- 判型
- 四六
- 頁数
- 208ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4679-9
概要
流体力学や微分,確率などを語る上で欠かせない人物が,ヤコブ・ベルヌーイ,ヨハン・ベルヌーイ,ダニエール・ベルヌーイです。ベルヌーイ家は天才が3代にわたり8人も生み出したことで有名です。また,オイラー,ライプニッツ,ニュートンなど近代数学を築いた人々とも交流がありました。天才一家はどうして生まれたのか,ベルヌーイ家に隠された真実,意外な側面をご紹介します。
こんな方にオススメ
- 数学史に興味がある人
- 微分積分学
- 確率論の起こりに関心がある人
- 17世紀~18世紀の数学者(オイラー,ライプニッツら)や物理学者(ニュートン,フックら)の交流を知りたい人
目次
- はじめに
第1章 天才家系ベルヌーイ家の誕生と背景
- ベルヌーイ家
- ベルヌーイ家の文化的背景
- ベルヌーイ家の家業
- 天才ベルヌーイ家,スイスのバーゼルに出現
第2章 兄ヤコブ・ベルヌーイ
- 一番手ヤコブ・ベルヌーイ
- 『予測術( アルス・コンジェクタンディ)』の世界
- ベルヌーイの大数の法則
- ド・モアブル?ラプラスの中心極限定理
- ベルヌーイ数の原典
第3章 弟ヨハン・ベルヌーイ
- カーブの研究
- ニュートンを理解する:ベルヌーイ家と微積分
- 豪華版最速降下線コンペ
- ベルヌーイの微分方程式
- 振子の等時性は成立せず楕円積分で
- ヨハンの力わざ
第4章 ダニエル・ベルヌーイの天分
- 三番手ダニエルはダ・ヴィンチに似る
- 現代社会を支える「ベルヌーイの定理」
- セント・ペテルブルクのパラドックス
- ダニエル・ベルヌーイから経済学の入門
第5章 友人レオンハルト・オイラーの超人的才能
- オイラーは兄弟の間柄
- ベルヌーイ数とリーマンのζ 関数
- オイラーの凄さ
- オイラーと現代
- ベルヌーイ兄弟,オイラー,ラグランジュ作の変分法
- 幾何学とπ,そしてe,i
第6章 知能の遺伝と環境
- ベルヌーイ家の秘密
- 知能を促える
- 知能の遺伝を考える
第7章 ベルヌ-イ頌
- 激しい動勢と自己表現
- 微積分にベルヌーイ家の精神を知る
- 絢爛たるフランス革命期の繊細の数学
- 自由過ぎたといわれる18 世紀の数学
- 学問を通じて「永遠」に連なる
第8章 ベルヌーイ家と数理科学
- カントとオイラー
- 数理科学一家
- 理論と実学の融合
- 和製ベルヌーイ家美作国津山藩箕作家
- これからの学問
応用編 第9章 ベルヌーイ数とリーマン予想
- #NAME?
- ζ(2K) とベルヌーイ数のストレートなつながり
- 解析的延長
- ζ関数の2 表現の等しいこと
- バーゼル問題
- 指数関数es(s 複素数)は< 0 にもなりうる
- ζ(s) のトリビアルな零点の前提
- リーマン予想の形
- リーマン予想の結末?素数定理
- 調和級数ζ(1) の発散の程度を実感 ?オイラーとベルヌーイ数
[ちょっと応用]column
プロフィール
松原望
聖学院大学大学院政治政策学研究科教授。東京大学名誉教授。
Ph.D.(スタンフォード大学)。1942年生まれ。東京大学教養学部基礎科学数学コース卒。統計数理研究所研究員,スタンフォード大学大学院博士課程,筑波大学社会工学系助教授,エール大学フルブライト研究員,東京大学大学院総合文化研究科教授,同新領域創成科学研究科教授,上智大学外国語学部教授を経て現職。
著書には『わかりやすい統計学』『社会を読み解く数理トレーニング』『計量社会科学』『意思決定の基礎』『ゲームとしての社会戦略』『入門確率過程』『入門ベイズ統計』『はじめよう!統計学超入門』など多数。「わかりやすく,面白く,ためになる」ことをモットーとして,親しみのわく語り口には定評があり,固定ファンが多い。