知りたい!サイエンス
入門!超分子化学
―役にたちすぎる分子のヒミツ
- 齋藤勝裕 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2011.9.9[在庫なし] 2013.7.31
- 判型
- 四六
- 頁数
- 248ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4815-1 978-4-7741-5904-1
サポート情報
概要
超分子とは,分子が集まってつくる高次構造体です。現代の有機化学は,研究も実用もすべて超分子の概念を取り入れています。液晶テレビ,有機ELなどは超分子の応用ですし,酵素,DNA等,生命体の中枢も超分子です。本書では超分子化学を,その基礎である分子間力,基礎構造から複雑な遺伝子の機能に至るまで,広い分野にわたって幅広く紹介し,そのおもしろさに迫ります。有機化学の基礎知識のない読者でも,容易にしかも楽しく読み進むことができるよう多くの図と具体的な例を用いて,平易な語り口で説明していきます。
こんな方にオススメ
- 有機化学,現代化学に興味のある一般の方
- 大学の化学科を目指すような高校生や専門課程前の理工学部生
目次
序章 超分子がおもしろいわけ
- 序.1 分子がつくる超分子
- 序.2 超分子は合体ロボット
- 序.3 はたらく超分子たち
- 序.4 生物は究極の超分子
第1章 超分子ってなんだろう?
- 1.1 分子は原子からできている
- 1.2 原子を結びつける化学結合
- 1.3 有機分子の構造
- 1.4 超分子は分子からできる
- 1.5 分子を結びつける分子間力
- 1.6 超分子と高分子の違いって?
第2章 超分子にはどんなものがあるの?
- 2.1 クラウンエーテルは王冠のエーテル
- 2.2 包摂化合物はゲストとホスト
- 2.3 錯体は幾何学的な芸術品
- 2.4 カテナンは分子の知恵の輪
- 2.5 分子膜は小学生の集団
- 2.6 液晶は小川のメダカ
第3章 超分子ってどんな役にたつの?
- 3.1 薄型テレビは液晶に限る?
- 3.2 次世代テレビは有機EL
- 3.3 有機物で太陽電池をつくる
- 3.4 有機物が超伝導体になる
- 3.5 1個の分子から機械ができる
- 3.6 活躍する超分子たち
第4章 生命を織りなす超分子
- 4.1 超分子の絆――タンパク質
- 4.2 呼吸を支配する超分子――ヘモグロビン
- 4.3 生理機能を支配する超分子――酵素
- 4.4 遺伝情報を伝える超分子――DNA
- 4.5 遺伝を発現する超分子――RNA
- 4.6 太陽エネルギーを貯蔵する超分子――クロロフィル
プロフィール
齋藤勝裕
1945年新潟県生まれ。東北大学理学部卒。東北大学大学院理学研究科博士課程修了。名古屋工業大学大学院工学研究科教授を経て,現在は名古屋市立大学特任教授,名古屋産業科学研究所上席研究員。理学博士。専門分野は有機化学,物理化学,光化学,超分子化学。
著書に,『気になる化学の基礎知識』『へんな金属 すごい金属』『有機化学がわかる(以上,技術評論社),『工業化学入門』(オーム社),『基礎化学―ここがポイント』(三共出版),『絶対わかる化学シリーズ』『光と色彩の科学』(以上,講談社),『知っておきたい有機化合物の働き 電気を通すプラスチックからカップリング反応まで』『基礎から学ぶ化学熱力学 反応・熱・エネルギーの関係がよくわかる!』(以上,ソフトバンククリエイティブ),『数学いらずの化学熱力学』(化学同人)ほか多数。