文章を書くのがラクになる100の技
- 佐久間功 著
- 定価
- 1,628円(本体1,480円+税10%)
- 発売日
- 2013.11.26[在庫なし]
- 判型
- 四六
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-7741-6103-7 978-4-7741-6184-6
サポート情報
概要
「今日こそ書こう、と思いつつどんどん先延ばしに……」
「すぐ仕上げられると思ったのに、時間がかかってイライラする……」
「せっかく書き上げたけど、ダメ出しでやり直し……」
そんなことばかりで、文章を書くのがツラいと感じていませんか?
多くの人に誤解なく的確に情報が伝わるような文章を、あるときは1日あたり数千から数万文字、またあるときは200文字程度の短い原稿を1日100本近く、タイトな締め切りに向けて、連日コンスタントに書いてきた著者の「秘密」をはじめて明かします。
「作業スピードが断然変わるアナログ×デジタルツール活用法」
「いつまでも書けないのを防ぐ時間管理術」
「読み手にツッコまれやすい落とし穴」
「読ませる構成のデザインパターン」
「手戻りを最小限に抑えるチェックポイント」
など、かつてない実践的なノウハウが満載!
こんな方にオススメ
- 文章がなかなか書けない方
目次
はじめに 「あァー!書けないっ!」と悩むすべての人に
第1章 書くストレスを最小限にする段取り・準備のコツ
段取りでストレスを軽減
- 効率的に仕上げるための準備と段取りをする
- 意図的に「締め切りギリギリ」状態を作り出す
- 締め切りの前倒しで作り出した余裕時間はどう使うか
- 長文を書くときは、パートごとに達成感を味わう
- 3時間ずつ区切ってペースを作る
休み方のコツを理解しておく
- 効果的なリフレッシュのタイミングとやり方
- 眠くなったらコーヒーを飲むか、10分間睡眠をとるか?
文字数を意識することが書く準備になる
- ツイッターで要約力を磨く
- 新製品コーナーに注目してセンスを磨く
- 読みやすい1文の文字数は、思考をまとめやすい長さ
- 140~200字で「段落」にまとめると読みやすくなる
- 段落を入れ子にしていけば長文は作れる
第2章 書くべきことがみるみるまとまるメモと整理のテクニック
メモ段階で後のストレスを減らす
- メモは「文にする」ことにこだわらない
- メモする手段の特性を理解して使い分ける
- いつでも使えるアナログなメモ帳とペンの選び方
- キーボードでは得られない、手で書くことのメリットとは
- 資料の要約は「文」ではなく「単語」にアンダーラインを
- 資料を読んでも意味不明……知ったかぶりで理解する方法
戦略的なメモ技術 実践編
- メモは1項目15文字以内の短文/単語でどんどん書こう
- 「書きたいこと」以外のこともメモすると文章がまとまる
- 各要素の重要度/お互いの位置づけも同時にメモ
- 重要度は細かく分けず、3段階で
- 音声メモは意外な場所で威力を発揮
- バックアップから考えるモバイルガジェットとクラウドの使い方
- 追加調査に使える、リンク切れ検索のテクニック
仮タイトルでイメージを抽出
- 全体のイメージを象徴する「暫定タイトル」を作る
- 暫定タイトルとメモがズレていたときは
- 超長文ではパートごとに暫定の章タイトルをつける
- コラム 思い入れが伝えたいことを曇らせる
メモはグラフィックに整理しよう
- ミスが隠される「キレイな表組」のワナに注意
- マインドマップを無理に使わない
- 手書き図「以外」のメモ整理術
- 画像的なバランスの悪さから、欠落部分を発見
メモ整理・目的別の傾向と対策
- イベントレポートは「時系列型」でまとめる
- プレスリリースは「集合=ベン図型」でまとめる
- 論説とレポートは「散布図=グラフ型」でまとめる
- 企画書は「樹状=マインドマップ型」でまとめる
- 資料要約・読書感想文は「元資料準拠型」でまとめる
第3章 伝わるようにする技術、いらない要素を捨てる技術
適切なテーマやタイトルにたどりつくには
- 暫定タイトルを捨て、テーマが正しいか見直す
- 「フレーズ酔い」ですべてが壊れるのを避けよう
- 「タイトルでネタバレ」の使い方
- 読む人の気持ちを「妄想」レベルまで掘り下げる
- マニアックに走らないための6つのチェックポイント
- 「裏テーマ」を作ると読者層や文体が見えてくる
- コラム 元資料と意味が変わってしまう要約
いらない要素の見つけ方
- 5W1Hで整理したメモを見かえそう
- 重要度から足りない要素、いらない要素を見つけ出す
- コラム 最初に決めた「ディレクトリ」に執着しないで
- 「思い入れ」「事実」「思考」の3つを分けてスッキリ整理
- どんなによい原稿でも、浮くならボツに
- コラム こんな「こだわり」によるボツも
- 「なかったら、どんな不都合があるか?」で引き算してみる
- カットした要素は緊急時のネタとして保管
- ふるい分けの最後の決め手は「だれが読むのか?」
第4章 すらすらまとまる!構成のデザインパターンを使いこなす
やる気を高める構成の作り方
- 「行き当たりばったり」を構成づくりで解消する
- 物語の設定を作るように構成を考える
- コラム 究極の行き当たりばったり
- 短い文はテンプレートにしてゼロから書かない
- 決まったフォーマットに乗ってしまおう
- 4大パターンをおさえてどんな文章も自在に構成
- ユルい「4均等割」で考えすぎずにサクッと構成
- 不安を取り除くために、いつも全体を把握しておこう
- 気持ちの大変動で文が乱れないよう注意を
「入れ子式組み合わせ」で構成してみよう
- 「結論+本論」x「起・承・転・結」で構成する
- 「序論・本論・結論」x「序論・本論・結論」で構成する
- 「起・承『展』結」x「序論・本論・結論」で構成する
第5章 一気に書き上げるための技術
機能に惑わされないツール選び
- 「書けない」大トラブルを避けるサバイバル体制を整えよう
- 効率的に書くためのアプリの選び方・設定法
- 速ければいいわけじゃない、IMEは「相性」で考えよう
- マウスやマウスパッドで快適さをグレードアップ
- バージョンごとのバックアップで修正とトラブルに備えよう
多様なジャンルに文章のコツを学ぶ
- 雑誌記事のリード文から文章術を読み解こう
- 熱くなったらリード文にして「思い」を吐き出そう
- 本文の前にリード文を書いて「要約」するとラクになる
- コラム 短い本文 vs. 長い見出し
- 自動車のプレスリリースは「究極」のビジネス文書である
- コラム 最近のリリース事情を考える
- ナレーション原稿に学ぶ「文章による演出」の技術
- 期待を利用する「悪の文章術」のパターン
文章を書くための基本技術
- 「ムダに長い文章」の傾向をおさえる
- 主語と述語はできるだけ1文でひと組に、そして近くに
- 自分も混乱する「主語の省略」を避ける
- コラム 「許されない」のトリックとは
- 自信がないときほど増える「飾り言葉」をカットしよう
- 接続詞から筋道の乱れを教えてもらう
- 表現を正確にし、字数を減らす「テニヲハ」のポイント
- コラム 1文字単位で削る! 短文の文字数
伝える・伝わる文章術
- カッコで複雑な情報をわかりやすく伝達する技術
- 「連発しない」ことが体言止めを生かすコツ
- こう言えばまとまる?決まり文句は逃げフラグだ
- 「客観的」の意味を勘違いしないように
- パクリと言われないための引用/利用法と裏ワザ
- 悪意ある読者は「寸止め」で対策を
超速執筆のための実技と裏技
- 「要素を書き写しておく」ことでロケットスタート!
- 段落を2~3個以上、先読みしながら書くワケ
- 迷ったら、後からわかるようにマークを残して先に進もう
- 冒頭以外のところから書き始めて勢いをつける
- 書くことが尽きても慌てないための「延長の技術」
第6章 クオリティを最大限まで高める原稿の磨き方
文章チェックと表現の磨き
- 原稿は必ず紙にプリントしてチェック
- 単位や呼称の乱れをきちんと統一する
- 漢字にするか、ひらがなで書くかで迷った時の対処法
- コラム まちがえると恥ずかしい慣用句や四字熟語
- 子供っぽい言葉、下品な言葉を言い換える
- 表記・送り仮名など正しい言葉づかいを知る
- 同じ言葉の重なり、連続は何回まで許されるか
- 位置の変更で読みやすさや印象を変える
- デザインの基本をおさえて見栄えよく
提出/公開前の最後のハードル
- 「これ入れて」「あれ変えて」変更要請の傾向と対策
- 急に大幅な短縮を命じられたら?
- ボツッた時、やり直しの時のモチベーション回復術
あとがきに代えて そしてプロはこれを超えていく……
プロフィール
佐久間功
1963年6月生まれ。東京都在住。アウトドア雑誌や自動車雑誌を経てフリーランスのライター/編集者として活動。クルマ、オートキャンプ、釣りを中心とした執筆活動を行う。釣りはTV番組やDVDのナレーション原稿も担当しているほか、外来生物問題にも取り組み『外来水生生物事典』(2005年・柏書房)という著書もある。
一方で、その仕事の手際よさから、編集者や記者、ライターとして、カタログ系ムック、会社案内、スポーツ入門書、科学教育関連など、多様なジャンルの依頼を受けてきた。本書はその経験の集大成と言えるものである。
著者の一言
勤務先で、企画書、報告書、広報資料、解説書……といった文章を書く。憂鬱でめんどうなことだと思っていませんか?読むのは一瞬なのに、書くために必要な時間の長さといったら、それはもう耐えられないほど。いや、ビジネス文書だけではありません。個人のブログ、そしてFacebookなどのソーシャルネットワークであっても「書きたいことはあるけれども、実際に書くとなると……」ということは、よくあるのではないでしょうか。
その一方で、毎日押し寄せる膨大なニュース、リリース、広告、企業案内、情報記事、ハウツー……。ひとつひとつの文章はそれほど長くはないのですが、その莫大な総量を考えると「こういうものはいったいだれが書いているのだろう」と思いませんか?
これらの文章は、「作品」ではなく「消費される情報」としての文章を書く人たち=雑誌記者を含む、いわゆる「ライター」と呼ばれる人々が書いたものです。多くは基本的に消えて行くもの(書籍企画や、後日まとめて書籍になることもありますが)ですから、支払いは印刷部数に応じて支払われる「印税」ではなく、「買い切り」=1回勝負のものがほとんど。コストはあまり掛けてもらえません。
さらに執筆内容も、ライター個人の好きなモノ、くわしいコトとは限りません。渡された資料を元に「右も左もわからないジャンルの原稿を、希望に合わせて短時間で書き綴る」指示も普通にあります。
となれば、作家さんのように「じっくりと考え、美しい文章を紡ぐ」という余裕はありません。その代わり、多くの人に誤解なく的確に情報が伝わるような文章を、あるときは1日あたり数千から数万文字、またあるときは200文字程度で1日100本近く、それもタイトな締め切りに向けて、連日コンスタントに書くのです。
これは、文章が苦手という人には信じられない世界でしょう。
世の中には、作家などの文章の達人たちによる、数多くの文章術の本があります。彼らの文章術はもちろん優れたものですし、文章も美しい。ガジェットやソフトウェアの選定、使いこなしも参考にはなります。
しかし日常では、彼らの書くような「長文」で「自身に執筆動機のある」文章を書かねばならない機会は、まずあり得ません。むしろ、書くべき内容はガッチリ決まっているうえに、長さも数百文字から4000文字程度=A4用紙にプリントして1枚から3枚くらいの量、というのがポピュラーではないでしょうか。これは彼ら作家的な人たちの活動とは違います。むしろライターの仕事に近いものです。もちろんこの内容や文字量については、個人的なブログやソーシャルネットといったものにも通じる話です。
本書では、そういった「ビジネス/ライフスタイルの現場」において「現実的な文章を作成する」というシチュエーションを想定し、ライター、そして編集者という仕事に30年近く関わってきた私が使う、「わかりやすい文章」を「ストレスを溜め込まず」「できる限り速く書く」ための実践的なテクニックについて、解説していきます。とは言っても、特殊なものではありません。高価なガジェットも必要ありません。あなたでも今日、いや今からでもできます。
経験から編み出されたテクニックやヒントの数々、楽しみながら、お読みください。