テレワークでも売れる新しい営業様式 ~直接会わずに成果を出すテクニックとマネジメントとは
- 藤本篤志 著
- 定価
- 1,628円(本体1,480円+税10%)
- 発売日
- 2020.7.30[在庫なし]
- 判型
- 四六
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-297-11510-4 978-4-297-11511-1
サポート情報
概要
新型コロナ災害が収束しても、営業スタイルは元には戻らない――
対面ありきではない成果の出し方とは?
これまでの常識が変わったあとに求められる新しい営業ノウハウを、数多くの営業コンサルティング実績を誇り、17万部突破の『御社の営業がダメな理由』をはじめ数多くの著書で定評ある著者が解説。
- オンラインで商談を成功させる方法
- オン/オフを切り替えにくい在宅勤務で営業成績を落とさない方法
- 在宅勤務の部下たちを効果的にマネジメントする方法
など、激動の時代を乗り越える新しいスタンダードがわかります。
こんな方にオススメ
- 営業マン
- 営業マネージャー
目次
はじめに 会わなくても顔を見ながら営業できる時代の到来
第1章 テレワークは営業大革命のはじまり
- 営業は、なぜ対面を必要としているのか
- Coffee break 「テレワーク」は、「電話で仕事すること」ではない
- オンライン商談はすでに会社間格差がついている
- Zoomという衝撃
- Coffee break ITオンチの上層部がもたらす悲劇
第2章 ストーリーでわかるオンライン商談の流れとコツ
- オンライン商談の了承を取る
- 初アタック営業を成功させるには
- スケジュール機能でミーティングを予約する
- 開始時刻を10分前に、終了時刻は20分後に設定する
- Coffee break Zoomの無料版では40分までしか使えない場合あり
- 違うお客様が同じミーティングルームに入ってくるというトラブルを防ぐ
- Coffee Break 「個人ミーティングID」を使ってはいけない
- 操作の基本を覚える ~ミュート、ビデオの停止、参加者の管理
- プレゼンテーションツールを使いこなす
- 提案書や企画書をうまく魅せるエグゼクティブサマリーのコツ
- ホワイトボード機能で書き込みながら説明する
- 録画機能で商談を記録・保存する
- 組み合わせ自由で大人数の商談を実現する
- ミーティング機能を利用して、社内セミナーを開催する
- 集客ウェビナーを活用する
- Coffee break 背景と顔写真の設定を忘れずに
第3章 テレワークで最高の成果を出す営業の働き方
- オン/オフの切り替えが、天国か地獄かの分かれ道
- 1日の始まりのスイッチをオンにする方法を決める
- 1日の商談アポのリズムをつくる
- Coffee break 家の中でテレワークがしにくい場合に便利なものとは
- “性弱説”にもとづいて働く仕掛けをつくる
- 1日300分の商談時間を確保する
- 商談件数だけ管理しても意味がない
- 1日のデスクワーク時間を設定する
- 「予習」と「復習」をデスクワークの時間に組み込む
- 1日30分の報連相が、目標達成と能力向上につながる
- 1商談につき90秒以内で、5つのポイントを報告する
- 悪い報告も隠さず報告をする
- 1日の働き方バランスを記録・分析する
第4章 テレワークを成功させる営業組織のマネジメント
- テレワークで必要になる8つのマネジメント
- 部下との1対1報連相を、1人30分、必ず毎日おこなう
- 同席商談と1対1報連相の合計時間が、1日平均300分を超えるようにする
- 毎朝の朝礼、週1の営業会議を、必ず定時でおこなう
- 新聞ネタディスカッションを週1回開く
- 「商談件数」の管理から「商談時間」の管理へシフトする
- 従来の営業日報に代えて、働き方バランスが分析できるツールを用いる
- PUSH型名刺管理を徹底する
- Breakfast会議、Lunch会議、Dinner会議を効果的に実施する
第5章 オンライン商談は、無限の可能性で溢れている
- 移動時間の大幅削減による商談時間の大増量
- アポイントの自在性による商談段取りの大転換
- 組み合わせ自由の同席商談による営業概念の大刷新
- 多様なプレゼン効果による商談手法の大変革
- IT技術の活用による社員育成の大進化
おわりに “自分流”から“社流”へ
プロフィール
藤本篤志
1961年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。株式会社USEN取締役、株式会社スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任。2005年7月、株式会社グランド・デザインズを設立。代表取締役に就任。おもに営業コンサルティング事業、人材育成コンサルティング事業、働き方バランスサポートシステム事業をおこなう。株式会社USEN現役時代に営業プレーヤー・営業マネージャーとして全国トップの実績を残した経験を活かし、数多くの営業改革を成功へ導く。『営業の問題地図』(技術評論社)、『御社の営業がダメな理由』『どん底営業部が常勝軍団になるまで』(新潮新書)、『御社営業部の「病気」治します』(日本経済新聞出版社)、『部下は取り替えても、変わらない!』(すばる舎)ほか著書多数。
ホームページ:http://eigyorevolution.com/
著者の一言
会わなくても顔を見ながら営業できる時代の到来
新型コロナウィルス(COVID-19)災害は、ビジネスの世界をガラリ一変させました。外出自粛によるテレワークを余儀なくさせ、ビジネスのあり方を根底から変えました。特に、人と会うことを中心に活動している営業関係者は、その環境の変化に右往左往し、不安な日々を過ごした人も多いのではないでしょうか。たとえば、ある会社の営業会議を覗いてみましょう……
営業課長「みなさん、来週月曜日から、全社員、原則テレワークになりました。営業のみなさんも、です」
営業担当「出社しなくても営業は継続でしょうか? 目標は下方修正するのでしょうか?」
営業課長「もちろん、目標が変わることはありません。ただし、人と会うのは極力遠慮して営業してください」
営業担当「えっ、人と会わずに営業する? 矛盾していませんか? どうしたらいいんでしょうか?」
営業課長「会社からの指示は以上です。どうしたらいいかを考えるのがみなさんの役目でしょう!」
このように、いままで予行練習もしたことのないテレワーク営業に突然放り出された営業関係者は多いと思います。そして、
「コロナさえ終息すれば元に戻るだろうから、それほど苦労して営業しなくても……」
「いまどこの会社も業績悪化に悩んでいる。営業結果を落としても、そんなに怒られないだろう」
と軽く考えた人も多かったと思います。しかし、その考え方は改めたほうがよさそうです。
みなさんが知るべきことは、コロナと共存しようが、コロナが終息しようが、日本においても営業大改革がいよいよ始まったということです。営業のあり方は、二度とコロナ前の姿には戻りません。なぜなら、テレワーク営業の利便性は、新型コロナ災害時だけの一過性のものではなく、今後も広がりをみせるのはまちがいないからです。新型コロナ災害は、その広がりを後押ししたにすぎません。
それを示唆する世界の動きも見逃せません。テレワーク先進国の欧米では、1980年代頃から、「インサイドセールス」と「フィールドセールス」という2種類の営業を使い分ける試みが始まっていました。インサイドセールスは、電話、Eメールなどを中心に、商談アポを入れるまでの役割を持つ営業マンです。フィールドセールスは、日本と同様、足で稼ぐ商談からクロージングまでの役割を持つ営業マンです。2017年度のデータによると、インサイドセールス対フィールドセールスの比率は、米国で5対5、欧州で1対2です。そして、欧米の最新事情では、インサイドセールス担当が、フィールドセールスの領域である商談からクロージングまでをカバーする一気通貫型の営業スタイルが徐々に増えつつあるようです。
なぜ、そのようなことができるようになってきたのか? その鍵を握るのが、オンライン商談です。「私はITが苦手だ」と自慢げに嘯くのは勝手ですが、じつは、会わなくても顔を見ながら営業できるオンライン商談の時代は、足音を立てて着実にやってきていたのです。そのことに、私たち日本人が気づいていなかっただけなのです。
オンライン商談は、営業のあり方を根底から引っくり返す威力があります。従来の直接対面商談スタイルの最大のデメリットは〝移動時間〟でした。業種業態や営業組織の成熟度によって幅がありますが、1日平均100分から240分は、移動に時間を費やしています。しかも、自動車販売や内装展示のような来社、来店が可能な商材を扱っていない限り、営業での移動を避けることはできません。その分、1日の商談時間量に制約が生じていたのです。欧米の合理性は、この移動時間の削減に先に目をつけたことになります。
オンライン商談は、従来のスタイルでは取り除けなかった移動時間というデメリットをぶっ飛ばしてくれました。極論を言えば、1日100分から240分の移動時間をすべて商談時間に変えることが可能になったのです。これは、単に量を増やしただけではありません。営業の〝質〟を想像以上に引き上げる効果があるのです(くわしくは本文で述べていきます)。
以上のことから、1つの未来像が見えてきます。
「従来の直接対面商談とオンライン商談の双方のメリットをうまく使い分ける」
それが、今後の〝新しい営業様式〟です。私は、この新しい営業様式のことを“テレフィスハイブリッド営業”と名づけています。テレワーク営業と従来のオフィスワーク営業を混合させるからです。このテレフィスハイブリッド営業の威力に気づいている人は、まだわずかです。営業大改革がもたらした“新しい営業様式”にいち早く取り組む会社や営業関係者が、今後の営業新時代をリードしていくことになるでしょう。
この新しい営業様式をマスターするためにも、まずはテレワーク営業のノウハウをマスターする必要があります。
本書は、このようなノウハウをマスターしたいと考えている営業マン、営業マネジャー、経営者などに役立つことを目的に書きました。本書の中に、この激動の時代を乗り越えるためのヒントを見つけていただいたら、筆者にとってこの上ない喜びです。