バリューサイクル・マネジメント ~新しい時代へアップデートし続ける仕組みの作り方

「バリューサイクル・マネジメント」のカバー画像
著者
沢渡あまねさわたりあまね 著
定価
1,958円(本体1,780円+税10%)
発売日
2021.5.1 2021.4.21
判型
A5
頁数
304ページ
ISBN
978-4-297-12016-0 978-4-297-12017-7

概要

私たちの働き方は本当によくなったのか?
DX、SDGs、イノベ―ション、ダイバーシティ、女性活躍推進、エンゲージメント、エンプロイアビリティ……個々のキーワードや施策が自己目的化、「仕事ごっこ」化していないか?

新しい時代へアップデートしていくために本当になすべきことを、累計25万部・問題地図シリーズの生みの親が集大成。

一企業だけ、一部門だけ、一個人だけの努力では成し遂げられない価値創造へ踏み出すための、変革の教科書。

こんな方にオススメ

  • 経営者
  • マネージャー

著者の一言

「週5日×8時間働かなくても幸せになれる社会」を目指して

マネジメントキーワードが日々生まれては独り歩きする現状

「私たちの働き方は、本当によくなったのか?」
「私たちは豊かになったのか?」

このシンプルな問いに、自信をもって「Yes」と答えられる人が日本に果たしてどれだけいるであろうか?

  • 働き方改革
  • ダイバーシティ推進
  • 女性活躍推進
  • エンゲージメント
  • ニューノーマル
  • アフターコロナ/ウィズコロナ
  • ガバナンス/コンプライアンス
  • 採用強化
  • DX
  • SDGs
  • ワーケーション

このような企業組織運営に関するキーワード(以降、本書では「マネジメントキーワード」と称する)が日々生まれては、決まって独り歩きする。

「働き方改革推進室」
「ダイバーシティ推進室」
「DX推進部」
「コンプライアンス推進担当」

経営トップの号令の下、企業や自治体はこれらの専任部隊を組織し、そのマネジメントキーワードの実現を目指す。あるいは、経営企画部や社長室のような、社長直轄の特命部隊に丸投げされる。しかしながら、それでうまくいくかというと、そうは問屋が卸さない。

  • 残業は減ったものの(「減らされた」を含む)、職場の雰囲気が悪くなった
  • 多様な人材を採用したものの、旧態依然の働き方や同調圧力が足枷となって辞めていく
  • 業務量は減らず、ストレスが増えた
  • 複雑怪奇なITツールが次から次に導入され、無駄な仕事が増える一方
  • 管理のための管理の仕事が増えた
  • ガバナンス、コンプライアンスが厳しすぎて息苦しい
  • 手取りが減って生活が苦しくなった。副業をしないと生活が成り立たない

このような話は枚挙に暇がない。なんとも切ない話である。

マネジメントキーワードのゴールは「ビジネスモデル変革」

そもそも、なぜ働き方改革をする必要があるのか? いや、働き方改革にとどまらない。ダイバーシティ推進しかり、女性活躍推進しかり、あるいはDXしかり、これらすべてのマネジメントキーワードはなんのためにあるのだろうか?

答えは、ビジネスモデルを変革し、組織とそこで働く人たちがより幸せになるためである。ビジネスモデルを変革するとはどういうことか? 高利益を獲得し続けられる仕事のやり方に変えることである。

より少ない労力で、より大きな利益を生むことができるようにする。
そうして生まれた時間的な余白や、金銭的な余剰を、組織や社員に還元する。
あるいは、さらなる成長に向けて投資する。

そのような好循環を創って回すことこそが、ビジネスモデル変革であり、働き方改革をはじめとするマネジメントキーワードの最終ゴールである。

それにもかかわらず、各々のマネジメントキーワードが自己目的化し、推進組織や所管部門が突っ走る(あるいは何もしない)。いつのまにか、ただ単に「働き方改革のための仕事」「ダイバーシティ推進のための仕事」が従来の仕事にオンされて増えることになる。だからうまくいかないのだ。

安泰と思っていると、沈みゆく船の乗客と乗組員になってしまう

こんなことを言うと、否定的な意見をいただくことがある。

「いや、当社はインフラ産業ですから安泰です。ビジネスモデル変革なんてする必要はありません」
「ウチは地域の強い地盤がありますから、人も安定して入ってきますし、辞める人も少ないですよ」

果たしてそうであろうか? どんなに盤石な業界であっても、ビジネスモデルおよびビジネスモデルを支えるマネジメントの仕方を変化させていかなければ、早晩衰退するだろう。なぜなら、我々を取り巻くビジネス環境、人材マーケット、テクノロジーや法制度、自然環境や社会環境は著しく変化しているからである。

しかし、組織が強大であればあるほど、ひいてはそのビジネスモデルが「一見」安泰であればあるほど、経営者も中間管理職も、ひいては従業員も協力会社の人たちも、危機感の感度が鈍くなる。悪気なく現状の問題に気がつかない(あるいは気づかないふりをする)。ところが、外部環境は容赦なく変化し、進化する。その組織がのほほんとしているうちに、ビジネスモデルも働き方も進化させ、優秀な人材にとって魅力的な企業が「黒船」となって現れるかもしれないのだ。そうして、ある日突然、安泰だったはずの企業が慌てふためくことになる。

「いい人が集まらない」
「中堅社員が辞めていく」
「取引先からそっぽ向かれるようになった」
「顧客が離れていく」
「新型コロナウイルスのような想定外のリスクが襲来し、リストラせざるをえなくなった」

いつのまにか、沈みゆく船の乗客と乗組員になってしまっているのである。船が沈みかけてからでは遅い。

製造業モデル一辺倒からの脱却を

では、私たち日本の企業は(あるいは官公庁や自治体やその他の組織は)何を目指せばいいのか? ただ単に「働き方改革をします」「ビジネスモデルを変革します」では漠然としすぎている。

「週5日×8時間も働かなくていい社会」

極端な話、これくらい大胆なゴールを据えてほしい。

日本マイクロソフトは、2019年に実施した「ワークライフチョイスチャレンジ2019夏」で「週勤4日週休3日」を実施し、目覚ましい成果をあげた(取り組みの全貌と詳細は拙著『職場の科学』(文藝春秋)を参照されたい)。この取り組みで特筆すべきは、稼働日は減らしたものの、業績目標は変えなかったことだ。より少ない稼働時間で同じ業績目標を達成するには、仕事のやり方を変えるほかない。こうして、社員はいままでのあたりまえを疑い、とことん無駄をなくして、新たなワークスタイル、ビジネススタイルを実現したのだ。

そもそも日本の働き方は、製造業、もっといえば製造現場に最適化されすぎている。労働=週5日×8時間、同じ場所に集まって働くこと。法制度や社会保障制度も、そのスタイルにアジャストしてしまっている。それが、私たちを週5日×8時間前提のワークスタイルやビジネスモデルに縛りつけてしまっている側面も大きい。

百歩譲って製造現場は週5日×8時間の体制を維持するのが合理的であったとしても、すべての職種でそれが合理的とは限らない。「職種ごとの最適な働き方は何か?」を考える必要がある。

「製造現場はがんばって働いているのだから不公平だ」といった日本人特有の「みんなで仲よく苦しむ」考え方は、組織とそこで働く個人の成長を妨げる。それこそ「同じ職種なのに、なぜウチの会社は休みが少ないのだ。不公平だ」と考えるほうがまだ健全であるし、発展的である。

「みんなで仲よく“負けパターン”に陥り、組織全体の生産性を下げているのではないか?」

そのくらいの前提で、会社単位ではなく職種単位の最適解も追求してほしい。

マネジメントキーワードを「面」で捉えて、立体的に解決する

ビジネスモデル変革を実現するには前述したマネジメントキーワードと向きあって解決する必要があるが、個々のマネジメントキーワードを「点」としてとらえ、それだけを解決しようとしてもうまくいかない。多くの場合、そのための施策が自己目的化し、全体観を欠き、結果として自己満足に終わるからだ。

たとえば「働き方改革」。単に強制的に残業を禁止して労働時間の削減だけを志向したところでうまくいかない。人事部門の労務担当者は満足するかもしれないが、一方で管理職や社員は

「仕事のやりがいがなくなった」
「コミュニケーションが減って、チームの人間関係がギスギスした」
「手取りが減って、生活が苦しくなった」
「時間内に終わらない仕事は、管理職が一手に引き受けなければならない」

などストレスを溜め、モチベーションやエンゲージメント(その組織や仕事に対する帰属意識)を下げる。これでは、組織もそこで働く人たちも幸せにならない。

かたや、「モチベーション」や「エンゲージメント」を上げるための施策が、これまた「点」でもって立ち上がる。「エンゲージメント向上」の名のもとに、懇親のためのレクリエーションや飲み会が乱発される。成長のための育成などに投資してくれたほうが、よほどモチベーションもエンゲージメントも(かつ生産性も)上がる場合もあるのに。懇親イベントや宴会の検討会や準備活動に、社員は貴重な時間を奪われる。まったくもって本末転倒なのである。

もうお気づきであろう。働き方改革も、モチベーションやエンゲージメントや生産性も、ひいてはビジネスモデル変革も、決して独立した課題ではない。すべてはどこかでつながっているのである。すなわち、課題を「面」でとらえ、立体的に解決することで、組織もそこで働く個人もともに幸せになり、かつ健全に成長することができるのだ。

マネジメントキーワードを「点」ではなく「面」で示した世界観を、筆者は「健全な組織のバリューサイクル」と名づけ、全国の企業・自治体・官公庁で説いて回っている。この“宇宙”の中で、それぞれのマネジメントキーワードはどこかでつながり、一方を解決すれば他方も幸せに解決することができる。どれか1つの惑星だけをスタンドアローン(単独)で輝かせようとするだけでは、いつまでたっても宇宙平和は訪れないのだ。

問題解決には組織内外のコラボレーションが不可欠

もう1つ、「健全な組織のバリューサイクル」を回すために欠かせないポイントに言及しておく。働き方改革、ダイバーシティ、女性活躍推進、ビジネスモデル変革……これらのマネジメントキーワードは、一組織単独では解決できない。たとえば「働き方改革」の問題ならば、長時間労働を抑制するための人事制度や労務制度は人事部門単独で改善できるかもしれない。管理職や社員の意識向上やスキル向上も、人事部門が何とかできるかもしれない。しかしながら、各々の組織の業務改善、無理・無駄の洗い出しや見直し、ITの導入やオフィス環境の見直しによる生産性向上などは、人事部門が主導するのは難しい。各部門の管理職やリーダー、情報システム部門、あるいは総務部門などとのコラボレーション(協働)や役割分担をしなくては到底実現できない。

マネジメントキーワードも日々進化し、SDGs、DX(デジタルトランスフォーメーション)など既存の組織では解決しにくい新しいテーマも生まれてきている。個々のマネジメントキーワードを「健全な組織のバリューサイクル」の宇宙の中でとらえ、各々の組織や立場の人たちが、組織の中および外の人たちと協力しつつ解決していく。すなわち、組織内外のコラボレーションは、問題や課題が複雑化し、なおかつ組織の中に答えを見出しにくい変化の時代において、いかなる組織においても必要不可欠なのだ。

聖域なくすべてのプレイヤーが「2.0」に正しくアップデートする

「健全な組織のバリューサイクル」を回せるようにするためには、宇宙の住人たち、すなわち経営者、部門長、中間管理職、中堅リーダー、現場の社員、協力会社のスタッフ、総務部門、人事部門、経理部門、情報システム部門などいわゆるコーポレート組織、すべてのプレイヤーが各々の期待役割を正しく認識し、なおかつ成長し続ける必要がある。世の中の環境も技術も常に進化する。マネジメントキーワードも変化する。いままでと同じやり方をただ真面目に続けているだけでは、価値を創出し続けることはできないし、問題や課題を解決できない。各々のプレイヤーが「2.0」にアップデートし、なおかつお互いにコラボレーションすることで、健全な組織のバリューサイクルは正しく回り続ける。

もちろん、アップデートが必要なのは企業組織だけではない。法制度も、社会保障制度も変わらなければならない。それらを司る、政府や官公庁、行政も変わる必要があろう。聖域などない。すべてのプレイヤーが、正しく変わる、アップデートする――それが改革や変革の本質だ。経営者だけ、あるいは法制度だけが涼しい顔をしていて「私たちは変わりません」はありえない。

「健全な組織のバリューサイクル」は、一企業だけの、一部門だけの、ましてや一個人だけの努力で成し遂げられるものではない。アップデートとコラボレーション、この2つを起こし続けることではじめて可能になる。その道のりは長いかもしれない。しかし、各々が各々の立場で、できること、変えられることを認識し、言動や行動に移していけば、世の中はまちがいなく明るい方向に変わる。

一個人が世の中を変えるのは難しいが、小さな変化を起こすことはできる。それがまわりの人たちの共感や賛同を生み、徐々に大きなうねりになり、世論になる。それが世界を動かす原動力になる。脱ハンコの動きにしてもそうだ。コロナ禍において、多くの企業がテレワークに移行せざるをえなくなり、押印を伴う書類手続きがネックであることが認知された。

「押印作業があるから出社せざるをえない」
「ペーパーレスを進めてくれ!」

いずれも個人個人の、それこそ半径5メートル以内の世界の、現場レベルの不平・不満が起点であろう。その声が、大きなうねりとなり、世論となり、ついには政府が「脱ハンコ」の舵きりをするムーブメントに至った。大丈夫。世の中は変えられる。

まずは、あなたの半径5メートルの小さな世界からでかまわない。「健全な組織のバリューサイクル」を意識して、一歩踏み出そうではないか。週5日×8時間働かなくても幸せになれる――そんな人間らしい世界を実現するために。

目次

はじめに 「週5日×8時間働かなくても幸せになれる社会」を目指して

  • マネジメントキーワードが日々生まれては独り歩きする現状
  • マネジメントキーワードのゴールは「ビジネスモデル変革」
  • 安泰と思っていると、沈みゆく船の乗客と乗組員になってしまう
  • 製造業モデル一辺倒からの脱却を
  • マネジメントキーワードを「面」で捉えて、立体的に解決する
  • 問題解決には組織内外のコラボレーションが不可欠
  • 聖域なくすべてのプレイヤーが「2.0」に正しくアップデートする

第1章 キーワードからマネジメントの潮流をふりかえる

2016年のマネジメントキーワード「働き方改革」

2017年のマネジメントキーワード「生産性向上」「労働人口減少」

2018年のマネジメントキーワード「エンゲージメント」「DX」

2019年のマネジメントキーワード「SDGs」

2020年のマネジメントキーワード「アフターコロナ」「ウィズコロナ」「ニューノーマル」

第2章 健全な組織のバリューサイクル

ビジネスモデル変革

  • ドラスティックな改革のゴールを掲げよ
  • DXのゴールは「ビジネストランスフォーメーション」
  • DXとはデジタルの世界に身を置くこと
  • コラボレーションの「かける数」「かけられる数」になれるか?
  • コラボレーションの阻害要因を排除せよ

ブランディング

  • ブランドとは「共感者を創る力」「選ばれる力」
  • ブランディングはコラボレーションの促進に欠かせない取り組み
  • コラム 職種のブランディングに力を入れる
  • ブランドマネジメントの4つのポイント
  • ブランドマネジメントはすべての組織と人に必要
  • 発信と受信 ~「妖怪カオナシ」にならないために

ファン創出

  • 広報 ~共感するステークホルダーとつながり、ファンに変える
  • IR ~株主、投資家、金融機関のファンをつくる
  • インターナルコミュニケーション ~組織の内部にファンをつくる
  • CSRとCSV ~社会をファンにする
  • SDGs ~国際的な目標と自組織の課題解決をひもづける

「コアサイクル」 ~本来価値創出、業務改善、育成・学習

  • 本来価値創出 ~期待役割や理想像を言語化する
  • 業務改善 ~日常に潜む無駄を発見する
  • 育成・学習 ~本来価値創出や業務改善のための能力や知識を確保する

成長実感

  • 成長とは一定期間の変化の差分である
  • 「成果」と「貢献」と「変化」を言語化する
  • 変化は言語化によって実感できる

エンゲージメント

  • エンゲージメントの対象は会社だけとは限らない
  • 環境要因やコミュニケーションの取り方もエンゲージメントに影響する
  • エンゲージメント向上の3つのアンチパターン
  • エンゲージメントの4象限
  • ヘルプシーキング行動
  • リスペクティング行動

採用

  • エンプロイアビリティ ~ほかでも通用する力があるか?
  • ダイバーシティ ~多様な人材が能力を発揮できるようにする
  • 「コアサイクル」の3要素とダイバーシティ
  • 「制約条件のある」かつ「成長意欲の高い」人に合わせる
  • ABW ~働くのに最適な場所や環境を選ぶ
  • 勝ちパターン ~生産性を最大化できる状況をつくる
  • 余白を減らせば生産性が上がるわけではない
  • 勝ちパターンは人によって異なる
  • その仕事はオペレーティブか、クリエイティブか?
  • ユーザーエクスペリエンス ~新しいことに触れる機会を作る

第3章 組織と人が正しくアップデートする

組織の3つのレイヤー:事業部門、バックオフィス、組織カルチャー

  • 事業部門 ~ビジネスの最前線で正しく機能する
  • バックオフィス ~事業部門のオープンな行動を促進する
  • 組織カルチャー ~何が正しくて、何が正しくないかを規定する
  • 事業部門はアプリケーション、バックオフィスはミドルウェア、組織カルチャーはOS

3つの登場人物:トップ、中間管理職/現場リーダー、メンバー

  • トップの期待役割
  • 中間管理職/現場リーダーの期待役割
  • マネージャーに求められる5つのマネジメントと9つの行動
  • メンバーの期待役割

第4章 バックオフィス2.0 ~管理部門・間接部門のこれから

総務2.0

  • 部門や職種ごとに最適な職場環境を提供する
  • ハードのみならず、ソフト面の改善や運用も手がける

人事2.0

  • オープンにコラボレーションできる人材の育成に力を入れる
  • ITを駆使して自社ファンを増やす
  • デジタルワーク化できるよう人材をアップデートする

経理2.0/財務2.0

  • プロセスの簡素化、デジタル化を進める
  • 監査や会計士/税理士と正しく揉める
  • IRは自社ファン創出と同義

広報2.0

  • 社長と社員と社会の代弁者となる
  • 社内外のファンを創出する

購買2.0

  • 業務プロセスを改善し、自社のファンを開拓・維持する
  • 社外とのコラボレーションを促進する

情シス2.0

  • バックオフィスとITコミュニケーションインフラの両方を変えうる存在
  • IT投資の妥当性、投資しないことのリスクを経営陣に理解してもらう
  • 見えない業務や技術の価値を説明する、現場に出る
  • 社内のデジタルエクスペリエンスを創出する

法務2.0/監査2.0

  • 時勢や環境に合わせ、ルールを柔軟に運用する/緩める
  • 業務のデジタル化/オンライン化に取り組む
  • 情報システム部門と連携する

社労士2.0、税理士2.0、会計士2.0、弁護士2.0

  • アップデートをあきらめた専門家は、成長したい経営者からやがて見放される
  • テクノロジードリブンな士業へ

政府2.0、官公庁2.0、行政2.0

  • 先進産業やそれを支える産業の人たちが本来価値創出にフルコミットできる環境をつくる
  • アナログベースの事務作業や慣習をなくす

バックオフィス改革を進める5つのポイント

  • ①トップのコミットメント
  • ②ジョブローテーション
  • ③「ちょっとITがわかる」人材の育成・登用
  • ④IT技術人材の登用
  • ⑤外の風を入れる

第5章 組織のあり方を変える ~統制型からオープン型へ

これまでの製造業型マネジメントモデルの限界

  • 週5日×8時間(以上)同じ場所で働くことのできない人たちが割を食う
  • オープン型のマネジメントを取り入れた新たな「勝ちパターン」が必要

統制型とオープン型の違い

  • 体制・環境 ~トップダウン重視か、コラボレーション重視か
  • 行動様式 ~ルールありきか、ビジョン/ゴールありきか
  • マネジメント ~統制管理型か、権限移譲型か
  • コミュニケーション ~ホウレンソウ重視か、ザッソウ重視か
  • 情報共有 ~クローズ・逐次共有重視か、オープン重視か
  • 制度・風土 ~横並び主義/失敗を許さないか、違いを認めあい活かす/トライ&エラーが評価されるか
  • 仕事の進め方 ~ウォーターフォール型か、アジャイル型か

統制型のメリットとデメリット

  • 統制型の3つのメリット
  • 統制型の4つのデメリット
  • オープン型のマネジメントを少しずつでも取り入れていく

オープン型のコミュニケーションを支える7つの神器

  • ①ビジネスチャット
  • ②オンラインミーティングツール
  • ③グループウェア
  • ④オンラインストレージ/ドキュメント共有
  • ⑤ワークフローシステム
  • ⑥タスク管理/チケット管理
  • ⑦ダッシュボード

プロフィール

沢渡あまねさわたりあまね

あまねキャリア工房 代表。株式会社なないろのはな 取締役/浜松ワークスタイルLab 所長、株式会社NOKIOO顧問、ワークフロー総研(株式会社エイトレッド)フェロー。作家、業務プロセス/オフィスコミュニケーション改善士。
日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。経験職種はITと広報(情報システム部門/ネットワークソリューション事業部門/インターナルコミュニケーション)。
350を超える企業/自治体/官公庁などで、組織変革、働き方改革、マネジメント改革の支援・講演・執筆・メディア出演をおこなう。
著書は『職場の問題地図』『仕事の問題地図』『働き方の問題地図』『システムの問題地図』『マネージャーの問題地図』『業務改善の問題地図』『職場の問題かるた』『仕事ごっこ』『業務デザインの発想法』『仕事は「徒然草」でうまくいく』(技術評論社)、『ここはウォーターフォール市、アジャイル町』(翔泳社)、『はじめてkintone』『新人ガールITIL使って業務プロセス改善します!』ほか多数。
趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング

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