無駄なマシーンを発明しよう! ~独創性を育むはじめてのエンジニアリング~
- 
                      藤原麻里菜 著
登尾徳誠(のぼりおとくせい ニャンパスかぶしきがいしゃ) 監修 - 定価
 - 1,980円(本体1,800円+税10%)
 - 発売日
 - 2021.7.19 2021.7.15
 - 判型
 - B5
 - 頁数
 - 176ページ
 - ISBN
 - 978-4-297-12213-3 978-4-297-12214-0
 
概要
明和電機社長・土佐信道 推薦!
「ホモサピエンスが文明を発達させることができた理由、それが「無駄づくり」。本書を読めばそれがよくわかります。 ※この本を読んでも、役に立つものはまったく作れません。ご注意ください」
頭の中に浮かんだ不必要な物を何とか作り上げる「無駄づくり」を続けてきた“無駄なもの発明家”が、ついに子ども向けに工作のアイディアと方法をわかりやすく解説!
ポンコツなロボットも、ぶさいくなぬいぐるみも、無駄づくりなら大成功!
世界で君だけしか思いつかない「無駄」を生み出そう!
【特徴1】誰でもはじめられる“ゆるゆる”なものづくり入門書!
「作りながら読む」「簡単なことのプロになる」「自分で考える」というコンセプトのもと、手に入りやすい道具・素材で工作を行います。最初は作り方の解説をしながら、道具同士をくっつけるだけの簡単なところからはじめるので、どなたでも工作を楽しめます。
【特徴2】プログラミングも発想術も身につくSTEM教育にも役立つ一冊!
書籍の後半では初学者にもやさしいマイコンボード・Arduinoを用いたプログラミングも行います。さらに、自分でアイディアを考える方法も取り上げるので、発想から生み出せる力が育ちます。エンジニアリング、プログラミング、発想力と、これからの時代に必要とされる能力を楽しみながら伸ばせるため、STEM教育・STEAM教育にも役立ちます。
【特徴3】SNSやメディアをにぎわせた「無駄づくり」のレシピを大公開!
「インスタ映え台無しマシーン」をはじめとする「無駄づくり」のつくり方も紹介しています。はさみなどの手ごろな工作道具と電子部品、そして段ボールなどの身近な素材があれば、かんたんに「無駄の再発明」を体験できます。
「無駄づくり」のファンの方はもちろん、ものづくりに興味を持つお子さんや、夏休みの研究に悩んでいるお子さんがいるご家庭にもおすすめの一冊です!
こんな方にオススメ
- ものづくりに興味がある子
 - 変なもの・面白いものを作ってみたい子
 
目次
第1章 無駄なものをつくってみよう
- どうして無駄なものをつくるのか
 - この本の使い方
 
第2章 くっつけてマシーンをつくろう
- ものとものをくっつけよう
 - 動きの応用方法を考えよう
 - どんどんくっつけよう!
 - 無駄づくりのレシピ:最高の自撮りができるマシーン
 
第3章 改造してマシーンをつくろう
- 分解してしくみを学ぼう
 - 分解のようすをのぞいてみよう
 - 電池で動くものを改造しよう
 - 無駄づくりのレシピ:小銭探知ぐつ
 
第4章 動きをプログラミングしよう
- Arduinoを使ってプログラミングをしよう
 - Arduinoをセットアップしよう
 - はじめてのプログラミング
 - サーボモーターを動かしてみよう
 - サーボモーターをふたつつなげよう
 - スイッチを使おう
 - 無駄づくりのレシピ:インスタ映え台無しマシーン
 
第5章 Arduinoでセンサーを使おう
- 光センサーを使おう
 - 光の量を読み取ってみよう
 - 光センサーとサーボモーターをつなげよう
 - 無駄づくりのレシピ:電気がつくと電気を消すマシーン
 - 無駄づくりのレシピ:プリンを守るマシーン
 
第6章 もっとセンサーを使おう
- 圧電素子を使おう
 - 圧電素子とサーボモーターをつなげよう
 - 無駄づくりのレシピ:手をたたくとおかしがやってくるマシーン
 
第7章 アイディアを考えよう
- アイディアは無駄から生まれる!
 - 想像力をふくらまそう
 - 問題から考えよう
 - 解決の仕方を考えよう
 
第8章 思いつきをかたちにしよう
- 設計図を書こう
 - 材料をそろえよう
 - 素材・材料のヒント
 - “試行さく誤”しながらつくろう
 - 人に見せよう
 
プロフィール
藤原麻里菜
著者。
1993年生まれ。コンテンツクリエイター、文筆家。頭の中に浮かんだ不必要な物を何とか作り上げる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを広げている。2016年、Google社主催の「YouTubeNextUp」に入賞。2018年、国外での初個展「無用發明展―無中生有的沒有用部屋in台北」を開催。25,000人以上の来場者を記録した。「総務省 異能vation 破壊的な挑戦者部門 2019年度」採択。「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」が第24回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出。著書に『考える術』(ダイヤモンド社)、『無駄なことを続けるために』(ヨシモトブックス)。
登尾徳誠(のぼりおとくせい ニャンパスかぶしきがいしゃ)
監修者。
1980年鹿児島県生まれ。小学生のころからプログラミングを始め、2010年に埼玉県越谷レイクタウンにてニャンパス株式会社を起業。IoTデバイスなどの開発を行うかたわら、コワーキングスペースHaLakeを運営。精力的に勉強会を行うほか、毎週小学生向けにプログラミング教室も開催している。著書に『ゼロからよくわかる! Arduinoで電子工作入門ガイド』(技術評論社)、『はじめてのClojure』(工学社)。
著者の一言
無駄って悪いもの?
わたしは、無駄なものをつくるプロです。無駄なものをつくることが仕事の、無駄のプロフェッショナルなのです。わたしは、無駄を愛しているのですが、世間ではまだまだ「無駄は悪いもの」という考え方の人が多いようです。余計なことをして遊んでいると、「無駄なことしない!」とおこられたり、好きなものを買うと「また無駄づかいして!」とおこられたり。これを読んでいるみんなはどうでしょうか? 無駄って悪いものだと思いますか?
「大失敗」を「大成功」に!
無駄というのは、人生、いや、世界においてとても大切なことです。それが回り回って人の役に立つものになることもあります。
周りにも、無駄を大切にしたからつくられたものがたくさんあります。たとえば、付せん。ある研究者がすごく強い接着ざいを開発しようと研究していたら、なぜかすごく弱い接着ざいができあがってしまいました。これは失敗です。ですが、この失敗を「なにかに使えるかも?」と考えて、できあがったのがはってはがせる「付せん」です。無駄を大切にすることは、失敗を広い心で受け入れることなのです。 大勢が失敗だと思っていることを成功にすることは、無駄を大切にする者にしかできないことです。そして、失敗が成功になることで、世界はもっと楽しくなる。わたしが保証します。
わたしは工作が下手です。かっこいいロボットをつくろうとしても、ポンコツなロボットしかつくれません。かわいいぬいぐるみをつくろうとしても、ぶさいくなぬいぐるみができあがっちゃう。しかし、ふつうは失敗になるものも、「無駄づくり」では大成功。ポンコツなロボットも、ぶさいくなぬいぐるみも、それはそれでアリ。おもしろいし、楽しい! と思えるのが、「無駄づくり」の力です。
それに、「無駄」と言われることの多くは、だれもやっていないことです。わたしのつくる無駄なものも、もしわたしがいなかったら、この世に生まれなかったでしょう。頭にうかんだ「無駄」をつくることは、その人にしかできないことなのです。
不器用でも、おおざっぱでもだいじょうぶ。失敗がない世界に飛びこんでみよう。よーし、では、みんなで無駄なものをつくっていきましょう!
(本書「どうして無駄なものをつくるのか」より)