ふつうのエンジニアは「営業」でこそ活躍する
~セールスエンジニアとして最短で評価される方法
- 時光さや香 著
- 定価
- 1,980円(本体1,800円+税10%)
- 発売日
- 2021.9.4 2021.9.1
- 判型
- A5
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-297-12299-7 978-4-297-12300-0
サポート情報
概要
「IT技術にくわしいのはあたりまえで、だれにも評価されない」
エンジニアの知見を持つ「あなた」だからこそ、商談で求められています。
商談中の技術的な意思決定をサポートし、お客様の問題解決と売上に貢献するセールスエンジニア職。キャリアチェンジしてから、商談で活躍できるまでの最短ルートを、子育てと両立しつつ外資系企業で売上年間目標を100%達成した著者がお教えします。
こんな方にオススメ
- 現エンジニアでキャリアチェンジを検討している方
- セールスエンジニアになりたての方
目次
- はじめに
第0章 働く前に知っておきたいセールスエンジニアの原則
- 営業でもありエンジニアでもある「セールスエンジニア」
- 「セールスエンジニア」のフレームワーク
- コラム 高い確率で「セールスエンジニア」として採用されるには?
第1章 必須知識を効率よく身につける「学習」の技術
- 担当製品の「専門家」になる5ステップ
- 商談確度に関わるバリューチェーンの3つの構成要素
- 「自社の思惑」をふまえて優先的に学ぶ3つの製品
- When ―勉強に集中できる「学びの期間」を設定する
- Who ―深い知識を得るには「一緒に勉強する」と効率がいい
- Where ―自分に最適な「学習場所」を選択する
- コラム 資格取得のために勉強するべき?
第2章 高確率でクローズまで導く「商談対応」の技術
- 商談の確度はアサイン前に判断できる
- 適切な提案には「正確な商談情報」が欠かせない
- 購入検討に必要な情報を過不足なく伝える「提案書」の作成
- プレゼンテーションが得意な「レアキャラ」になる
- デモンストレーションでお客様の背中を押す
- 購入前の不安はPoCじゃなくても取り除ける
- コラム 商談対応のスキルは日ごろの買い物でトレーニング
第3章 商談の確度をグンと高める「コミュニケーション」の技術
- パートナーである「営業担当者」との向きあい方
- 営業と協力関係を築くための働きかけ
- 短期間で「お客様」の信頼を勝ちとる方法
- お客様に購入を促す商談時の情報の渡し方
- 元エンジニアのためのお客様とのコミュニケーション術
- コラム セールスエンジニアと営業の長い関係
第4章 限られた時間で結果を出す「時間短縮」の技術
- 「優先すべき仕事」を見極める
- デキるセールスエンジニアの「効率的な働き方」
- ムダを省き時間を創出するテクニック
- 時間と場所の制約から自由になる「リモートワーク」
- コラム 健康的に働くために私生活で習慣化したいテクニック
第5章 外資系企業で自信を持って働く「英語」の技術
- 仕事に必要な英語力はいかほどか?
- 最低限おさえておきたい「読み・書き・会話」のツボ
- 高い英語力があれば、仕事の幅は広がる
- 外資系企業の業務中に英語をマスターする4ステップ
- コラム プライベートで英語力を身につけるなら
第6章 勝率の高い商談を引き寄せる「セルフブランディング」の技術
- 自分の強みと勝ちパターンを整理する
- 営業が声をかけやすい「キャラクター」を設定する
- セルフブランディングした内容を効果的に発信する
- コラム 「だれもやっていない」ことに手を出すのは大きな武器になる
第7章 セールスエンジニアの先を見据える「キャリアデザイン」の技術
- セールスエンジニアの知見を活かせば、7 つの道が拓ける
- 新しいキャリアを検証する方法
- 本業のスキルアップにつながる「副業・ボランティア」
- コラム 転職事情あれこれ
- おわりに
プロフィール
時光さや香
株式会社セールスフォース・ドットコム、ソリューションエンジニアイネーブルメント職。
大阪大学大学院法学研究科卒。2002年に日本IBMにSEとして入社し、金融・製造・流通など様々な分野の顧客先にて、オープン系アプリケーションの構築・データ関連コンサルティング、情報系システム構築を担当。2011年から「技術営業」として、主に金融業の顧客向けにETLを中心としたデータガバナンス製品の選定支援を行なっている。その間、営業賞を二度受賞。2018年に株式会社セールスフォース・ドットコムに転職し、セールスエンジニアとして勤務。2021年からセールスエンジニアのオンボーディング教育担当。プライベートでは2児の母。
2014年からGallup認定ストレングスコーチ、2015年からセールスマネージャ向けコーチングアドバイザーも務める。
著者の一言
エンジニアの「あたりまえ」は「営業活動」でこそ求められる
「IT技術を勉強しても、エンジニアならあたりまえだとみなされる」
「どれだけ働いても、プロジェクトが無事サービスインするまで評価されない」
これが、「ふつうのエンジニア」の方々が持つ悩みでしょう。日々進歩するIT技術に追いつくには、業務時間外も勉強しないといけない。それなのに、そのがんばりは長期間評価されず、給料に反映されにくい……。努力が報われないことにもどかしさを感じているのではないでしょうか。
私自身も、かつては開発プロジェクトを渡り歩く、ふつうのエンジニアとして働いていました。しかし、プログラミングの研修クラスで下から2番目の成績だったこともあり、必死に勉強しないと毎日のプロジェクト業務が回りません。どれだけ時間をかけて努力しても、エンジニアとして目立った成果を出せず、フラストレーションを感じていました。
「このままエンジニアとして埋没したまま生きていくしかないのか……」
そんなふうに「エンジニア」の将来像について思い悩んでいる方にぜひおすすめしたいキャリアがセールスエンジニア職。今まで培ってきたエンジニアの知見を「営業の場」で活かして働ける職業です。
「営業は、営業職の人の仕事なのでは?」と疑問に思うかもしれません。しかし、営業職の方はお客様が納得して購入していただけるだけの「自社製品の技術的な詳細」を理解しているとは限りません。高度な技術が使われている製品なら、なおさらです。そこで、技術的知見を持つセールスエンジニアが商談に同行し、お客様に技術的な側面から製品をわかりやすく説明・提案することで、商談を受注しやすくするのです。
このセールスエンジニアに、エンジニアの方がキャリアチェンジすると、次のメリットが得られやすくなります。
未経験の業界に転職してゼロから知識・経験を蓄えるよりも短期間で成果を出しやすく、ハードルの低いキャリアチェンジと言えるでしょう。
「7つのソフトスキル」を身につけ最短で成果をあげる
しかし、さきほど説明したとおり、セールスエンジニアの仕事内容や働き方はエンジニアと違います。
どんな知識を持っていればいいのか?
どうすればお客様に購入してもらえるのか?
こういったことがわからなければ、セールスエンジニアとして成果を出すことはできません。技術的知見をすでに持つ元エンジニアの方がセールスエンジニアにキャリアチェンジ後、最短で評価してもらうためには、以下7つのソフトスキルが必要です。
ここで紹介している技術は、ごく一般的な「ふつうのエンジニア」だった私が、セールスエンジニアにキャリアチェンジして10年間蓄えた「効率的に成果をあげる」ための考え方やテクニックです。これらを実践してきたことで、子育てでプライベートにも時間を割く必要があったにも関わらず年間目標の100%以上の売上を達成できました。売上目標を超えた営業に送られる「Hundred Percent Club」という賞を二度受賞しています。この賞は、セールスエンジニアは滅多に受賞できないため、私が二度受賞していることを当時の上司に伝えると、目を丸くして驚いていたのを思い出します。
また、過去に開催した技術者向け勉強会の参加者にこれらの技術を紹介したところ、
「セールスエンジニアとしてやっていけることがわかってキャリアチェンジできました」
「英語を前向きに学べて、英語に恐怖心やハードルを感じなくなりました」
「パフォーマンスがグッと上がって定時で帰れるようになりました」
という反応をいただくことができました。
この本を手に取ったあなたも「ふつうのエンジニア」から脱却し、セールスエンジニアとして活躍する7つの技術を学んでいきましょう!