良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門 
                    ―保守しやすい 成長し続けるコードの書き方
                  
                  
                  
                  - 仙塲大也 著
 - 定価
 - 3,278円(本体2,980円+税10%)
 - 発売日
 - 2022.4.30[在庫なし] 2022.4.26
 - 判型
 - A5
 - 頁数
 - 400ページ
 - ISBN
 - 978-4-297-12783-1 978-4-297-12784-8
 
概要
「ITエンジニア本大賞2023」技術書部門で大賞受賞!
本書は、より成長させやすいコードの書き方と設計を学ぶ入門書です。
システム開発では、ソフトウェアの変更が難しくなる事態が頻発します。コードの可読性が低く調査に時間がかかる、コードの影響範囲が不明で変更すると動かなくなる、新機能を追加したいがどこに実装すればいいかわからない……。
変更しづらいコードは、成長できないコードです。ビジネスの進化への追随や、機能の改善が難しくなります。
成長できないコードの問題を、設計で解決します。
こんな方にオススメ
- コードの設計スキルに興味がある人
 - 日々、悪いコードと向き合っていて改善したい人
 - より良いコードを書きたい人
 
目次
1 悪しき構造の弊害を知覚する
- 1.1 意味不明な命名
 - 1.2 理解を困難にする条件分岐のネスト
 - 1.3 さまざまな悪魔を招きやすいデータクラス
 - 1.4 悪魔退治の基本
 
2 設計の初歩
- 2.1 省略せずに意図が伝わる名前を設計する
 - 2.2 変数を使い回さない、目的ごとの変数を用意する
 - 2.3 ベタ書きせず、意味のあるまとまりでメソッド化
 - 2.4 関係し合うデータとロジックをクラスにまとめる
 
3 クラス設計 ―すべてにつながる設計の基盤―
- 3.1 クラス単体で正常に動作するよう設計する
 - 3.2 成熟したクラスへ成長させる設計術
 - 3.3 悪魔退治の効果を検証する
 - 3.4 プログラム構造の問題解決に役立つ設計パターン
 - Column 種類の異なる言語と本書のノウハウ
 
4 不変の活用 ―安定動作を構築する―
- 4.1 再代入
 - 4.2 可変がもたらす意図せぬ影響
 - 4.3 不変と可変の取り扱い方針
 
5 低凝集 ―バラバラになったモノたち―
- 5.1 staticメソッドの誤用
 - 5.2 初期化ロジックの分散
 - 5.3 共通処理クラス(Common・Util)
 - 5.4 結果を返すために引数を使わないこと
 - Column C#のoutキーワード
 - 5.5 多すぎる引数
 - 5.6 メソッドチェイン
 
6 条件分岐 ―迷宮化した分岐処理を解きほぐす技法―
- 6.1 条件分岐のネストによる可読性低下
 - 6.2 switch文の重複
 - Column クソコード動画「switch文」
 - 6.3 条件分岐の重複とネスト
 - 6.4 型チェックで分岐しないこと
 - 6.5 interfaceの使いこなしが中級者への第一歩
 - 6.6 フラグ引数
 
7 コレクション ―ネストを解消する構造化技法―
- 7.1 わざわざ自前でコレクション処理を実装してしまう
 - Column 車輪の再発明
 - 7.2 ループ処理中の条件分岐ネスト
 - 7.3 低凝集なコレクション処理
 
8 密結合 ―絡まって解きほぐせない構造―
- 8.1 密結合と責務
 - Column クソコード動画「共通化の罠」
 - 8.2 密結合の各種事例と対処方法
 - Column クソコード動画「継承」
 
9 設計の健全性をそこなうさまざまな悪魔たち
- 9.1 デッドコード
 - 9.2 YAGNI原則
 - 9.3 マジックナンバー
 - 9.4 文字列型執着
 - 9.5 グローバル変数
 - 9.6 null問題
 - 9.7 例外の握り潰し
 - 9.8 設計秩序を破壊するメタプログラミング
 - 9.9 技術駆動パッケージング
 - 9.10 サンプルコードのコピペ
 - 9.11 銀の弾丸
 
10 名前設計 ―あるべき構造を見破る名前―
- 10.1 悪魔を呼び寄せる名前
 - 10.2 名前を設計する―目的駆動名前設計
 - 10.3 設計時の注意すべきリスク
 - 10.4 意図がわからない名前
 - Column 技術駆動命名を用いる分野もある
 - 10.5 構造を大きく歪ませてしまう名前
 - Column クソコード動画「Managerクラス」
 - 10.6 名前的に居場所が不自然なメソッド
 - 10.7 名前の省略
 
11 コメント ―保守と変更の正確性を高める書き方―
- 11.1 退化コメント
 - 11.2 コメントで命名をごまかす
 - 11.3 意図や仕様変更時の注意点を読み手に伝えること
 - 11.4 コメントのルール まとめ
 - 11.5 ドキュメントコメント
 
12 メソッド(関数) ―良きクラスには良きメソッドあり―
- 12.1 必ず自身のクラスのインスタンス変数を使うこと
 - 12.2 不変をベースに予期せぬ動作を防ぐ関数にすること
 - 12.3 尋ねるな、命じろ
 - Column クソコード動画「カプセル化」
 - 12.4 コマンド・クエリ分離
 - 12.5 引数
 - 12.6 戻り値
 - Column メソッドの名前設計
 - Column staticメソッドの扱いに注意
 
13 モデリング ―クラス設計の土台―
- 13.1 邪悪な構造に陥りがちなUserクラス
 - 13.2 モデリングの考え方とあるべき構造
 - 13.3 良くないモデルの問題点と解決方法
 - Column クソコード動画「Userクラス」
 - 13.4 機能性を左右するモデリング
 
14 リファクタリング ―既存コードを成長に導く技―
- 14.1 リファクタリングの流れ
 - 14.2 ユニットテストでリファクタリングのミスを防ぐ
 - 14.3 あやふやな仕様を理解するための分析方法
 - 14.4 IDEのリファクタリング機能
 - 14.5 リファクタリングで注意すべきこと
 - Column Railsアプリのリファクタリング
 
15 設計の意義と設計への向き合い方
- 15.1 本書はなんの設計について書いたものなのか
 - 15.2 設計しないと開発生産性が低下する
 - 15.3 ソフトウェアとエンジニアの成長性
 - 15.4 課題を解決する
 - 15.5 コードの良し悪しを判断する指標
 - Column クラスを分割すると読みにくくなる?
 - 15.6 コード分析をサポートする各種ツール
 - Column シンタックスハイライトを品質可視化に利用する
 - 15.7 設計対象と費用対効果
 - 15.8 時間を操る超能力者になろう
 
16 設計を妨げる開発プロセスとの戦い
- 16.1 コミュニケーション
 - 16.2 設計
 - 16.3 実装
 - 16.4 レビュー
 - 16.5 チームの設計力を高める
 
17 設計技術の理解の深め方
- 17.1 さらにステップアップするための設計技術書紹介
 - Column バグ退治RPG『バグハンター2 REBOOT』
 - 17.2 設計スキルを高める学び方
 - Column C#と長き旅、そして設計への道
 
プロフィール
仙塲大也
青森県出身。大手電機メーカーなどを経て、現在はREADYFOR株式会社にてアプリケーションアーキテクトを務める。リファクタリングや設計全般を推進。
悪しきコードとの戦いの中で設計の魅力に気付く。暇さえあれば脳内でリファクタリングしている。
Twitterではプログラミングの風刺動画を不定期で投稿。
Developers Summit 2021 Summerベストスピーカー賞3位。その他登壇多数。
Twitter : ミノ駆動(@MinoDriven)