御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか  
                    
                  
                  
                  - 田村昇平 著
 - 定価
 - 1,980円(本体1,800円+税10%)
 - 発売日
 - 2022.5.9 2022.5.2
 - 判型
 - 四六
 - 頁数
 - 360ページ
 - ISBN
 - 978-4-297-12816-6 978-4-297-12817-3
 
サポート情報
概要
成長戦略という錦の御旗のもと、システム化やDX推進の指示が増大しています。しかし、あわててITプロジェクトを始動したあなたに、次の法則が立ちはだかります。「プロジェクトの半分以上が失敗する」。これは一体なぜでしょうか? 著者によれば、プロジェクトは「上流がにごれば、下流はもっとにごる」もの。ITベンダーが決まるまでの長い道のり「超上流」に問題のほとんどが集約されています。本書は、前著では触れることのできなかったこの問題に焦点を当て、ユーザー企業が安易な選択をしてしまうワナから説き起こします。そして、ベンダー選定の究極ノウハウ「ファネル選定」を提唱します。前著をお読みでない方も、本書を手引きにまずはこの最優先課題に取り組んでください。
こんな方にオススメ
- システム導入・DXを考えているユーザー企業の担当者、プロジェクトマネージャー
 - 情シス(情報システム部門)、IT部門の方
 - CIO、経営層
 
目次
第1章 選定ミスは終わりの始まり
- DXを成功させる大前提は「選定」が正しいこと
- DXをやりたいと言うが
 - ノウハウをためるべき部署
 - DXが機能するための前提
 - 計画とは順番を定義すること
 - レガシーシステムは諸悪の根源
 - 基幹システム選定の状況変化
 - パッケージ導入の落とし穴
 - スクラッチ開発という難題
 - 攻めのITは「けもの道」
 - あるAIプロジェクトの末路
 - 最新技術が正解とはかぎらない
 - すべては「選定」にかかっている
 
 - ロックイン問題は「選定」の結果である
- 現行ベンダーへの不満
 - ロックインの元凶
 - 何がリスクなのか
 
 - プロジェクトの成否は「選定」で決まる
- プロジェクトからのSOS
 - プロジェクトの成功要因
 
 - COLUMN ユーザーロックイン
 
第2章 選定に入る前に方向性を定める
- 「選定」のための地図を作る
- 候補がありすぎると途中で探さなくなる
 - 選定プロセスは選定の前から始まっている
 - プロジェクト計画書のよりどころ
 - ボトムアップの問題
 - トップダウンの問題
 - トップダウン? ボトムアップ?
 - 経営層と現場を味方にする
 
 - パッケージかスクラッチか
- 経営層のジレンマ
 - パッケージでいけるか見極める方法
 - 消去法を愚直に進める
 - グランドデザインで大きな地図を描く
 - ERPは最初しか選択肢がとれない
 - 手に持っているものがハンマーなら全て釘に見える
 - 「内製」という選択肢
 - グランドデザインは順番をデザインすること
 
 - COLUMN なぜそのRFPは10億円を超えてしまったのか
 
第3章 RFIでベンダーを広く浅く収集する
- RFIとは何か?
- その選定プロセスは正しいと断言できるか?
 - ファネル選定とは
 - ファネル選定を成立させる重要な技術
 - RFIとRFPの違い
 - RFIの6つのメリット
 
 - RFIの準備
- RFIはこう作る
 - ベンダーは何社探せばいいのか?
 - ある出版業システムのリストアップ事例
 - インターネット検索での注意点
 - この時点での現行ベンダーの扱い
 - 現行ベンダーの可能性
 
 - RFIの手続き
- RFIでは会わない
 - RFIでは順位を決めるのではない
 - RFIのノックアウトファクター
 - 5社以内に絞りきる
 
 - COLUMN RFIは悲劇をくり返さないための仕組み
 - トライアルで深掘りする
- このまま進めてよいか現場の反応を見極める
 - トライアルとは
 - トライアルの目的
 - トライアルは何社で行うべきか
 - トライアルの考え方
 - トライアルが現場の主体性を引き出す
 - 状況をみながらトライアルの有無を判断する
 
 - COLUMN トライアルにお金を払ってもお釣りがくる
 
第4章 RFPで自社要求を明確にする
- RFPに取り組む姿勢
- RFPはムズカシイ?
 - RFPを出さない理由がない
 - RFPのフォーマットは悩まない
 - 要求機能一覧はRFPの「心臓部」
 
 - RFPで押さえるべきポイント
- RFPの書き方が変わってきた
 - そのパッケージRFPの失敗は必然
 - パッケージRFPはベンダーにアイデアを求める
 - パッケージTo-Beを評価する
 - パッケージvsスクラッチという異種格闘技戦
 - RFPを市場にアジャストさせる
 - そもそもRFPは誰が作るべきか
 - IT部門の一番の強みとは
 - RFPにおけるIT部門の役割
 
 - COLUMN 情シスロックイン
 - RFPでベンダーに提案を依頼する
- まずはお会いしたい
 - RFPの前にNDAを交わす
 - NDAのフォーマットはどちらに合わせるべきか?
 - ベンダーへの期限設定
 - ベンダーの質問には公平に対応する
 
 - COLUMN A社のパッケージングと金太郎アメ
 
第5章 ベンダーを評価し、選定する
- 提案書を自社のフレームで評価する
- 提案の5大評価ポイント
 - スコアリングに責任を持つ
 - システム機能はサブシステム単位できっちり評価する
 - FIT率「60%」をどう考えるか
 - 費用は5年トータルで考える
 - 実績は数と質の両方をみる
 - プロジェクト計画は、ベンダーの力量をはかるモノサシ
 - その他の評価で補完し、バランスをとる
 - プレゼンテーションの前に評価を完成させる
 
 - 提案書でみえない部分をプレゼンで評価する
- プレゼンで特に確認しておきたいポイント
 - プロジェクトメンバーの当事者意識の醸成
 - プレゼンのアジェンダをベンダーに提示する
 - プロジェクトマネージャーにどんな質問をするか
 - その質疑応答は誰が答えているのか
 - ベンダーのエース人材を見分ける方法
 - 質問はバリエーションが大事
 
 - COLUMN ダメPMの見分け方 ~なぜPMにこだわるのか~
 - 最終選考
- 進め方は3パターンに分かれる
 - 最後の最後に心理的な恐怖は大きくなる
 - 唯一の背中を押してくれる存在とは
 - 導入先という「希望」に会いに行く
 - 現状維持という最大のハードルを越えるために
 - 現行システムは現状のままではいられない
 - ちゃぶ台返しをさせない
 - プロジェクトマネージャーが責任をもって全社承認をとりつける
 
 - COLUMN 圧倒的に安すぎると、人は選べなくなる
 - 契約締結まで油断しない
- ベンダー決定が遅れてしまう
 - ベンダー決定を遅らせるとどんな不都合が生じるのか
 - 発注するベンダーは決まったが決まっていない
 - 内定をだしても確定はださない
 
 
第6章 最適なベンダーとサービスは未来を明るくする
- 選定後のプロジェクト処方箋
- 苦境のないプロジェクトはプロジェクトではない
 - ベンダーチェンジは有効なのか?
 - 対処方法① ベンダーPMチェンジ
 - 対処方法② ユーザーチェンジ
 - どのカードを切るのが正解なのか
 
 - ベンダーは共に歩むパートナー
- 最適なベンダーは黙っていても導いてくれる
 - ベンダーを信じるということ
 - 「ファネル選定」でDX時代を切り拓く
 
 
プロフィール
田村昇平
情シスコンサルティング株式会社 代表取締役。
ITプロジェクトを推進するIT部門、情報システム部門を支援する情シスコンサルタント。支援したIT部門は20社以上、プロジェクト数は60以上に及ぶ。
ITベンダー側で10年、ユーザー企業側で13年のITプロジェクト経験を経て、プロジェクトの全工程に精通した。その経験をもとに業界初のノウハウ集「システム発注から導入までを成功させる90の鉄則」を上梓、好評を得る。同書は多くのIT部門で研修教材にもなっている。
プロジェクトの膨大な課題を悶絶しながらさばいていくうちに、失敗する原因は上流工程にあるとの結論にたどり着く。そのため、「ファネル選定」などの超上流ノウハウを深化させ、IT部門にインストールするようになる。「IT部門が会社を強くする」という信念のもと、IT部門の現場で日々奮闘している。