なぜ売れる? ~謎解きで楽しむマーケティング入門⁠~

「なぜ売れる?」のカバー画像
著者
森行生もりゆきお 著
定価
1,760円(本体1,600円+税10%)
発売日
2026.1.26
判型
四六
頁数
264ページ
ISBN
978-4-297-15360-1 978-4-297-15361-8

概要

「こんなのだれが買うんだろう?」

  • 健康ブームなのにカロリーたっぷり【メガマック】
  • 日本より所得が低い国なのに価格は高い【ユニクロ】
  • ゲーム好きに見向きもされなかった【ニンテンドーDS】
  • 名前は小さくしか書かれていない【猫探偵のポスター】
  • 「道ばたで拾える」と言われた【1000円の綿ロープ】
  • 後ろめたい、安くもない【サトウのごはん】
  • 万人無視で市場が小さい【偏愛めし】

理論がわかるとヒットがわかる!

身近な謎から「なぜ」が身につく、エンターテイメントとしてのマーケティング入門。

こんな方にオススメ

  • 企業のヒット商品のワナに引っかかったと思ったら「わくわくする」「やられた! あはは!」と思うような好奇心旺盛な人
  • マーケティング用語集のような初心者向けの本で挫折した人
  • いきなりマーケティングに関連する部門に異動させられたけれど、ほとんど知識がなかった人
  • 身近なヒット商品の裏側に興味がある人

オススメしない方

  • マーケティングの基礎知識はすでに熟知している人
  • 企業のヒット商品のワナに引っかかったと思ったら「だまされた」「腹が立つ」と感じる人
  • 人間(生活者)に興味がない人

目次

はじめに

1章 健康ブームなのにメガマックがヒットしたのはなぜ?

  • メガマック、大ヒットの現場
  • 健康意識は真っ盛り、なのになぜヒット?
  • 「みんなちがって、みんないい」の不都合な真実
  • トレンドという「何も考えないで済む」ワナ
  • なぜ、企業は性年齢などの「外見で判断できる基準」でターゲットを決めるのか
  • 価値観でグループを分ける
  • 業界別の価値観グループを作る
  • メガマックがヒットした本当の理由
  • より深く理解するための検証
  • コラム じつは根が深い「平均発想」

2章 日本より高い価格のユニクロが、所得が低い中国やアジアでなぜヒットしたのか?

  • ユニクロ中国が大失敗
  • ユニクロ中国、華麗なる復活
  • ヒット商品を最初に買う人たち
  • イノベーターと誤解される人たち
  • イノベーターは天使にも悪魔にもなる
  • 「みんなに評判がいいなら、私も買おうかな」
  • 価格や品質ではなく、ターゲットをまちがえたユニクロ
  • 「イノベーター戦略しか成功しない」わけではない
  • 価値観とイノベーターの組み合わせでターゲット設定は完璧
  • 海外のイノベーターは富裕層が多い傾向
  • コラム BtoBにも応用できるイノベーター理論

3章 「迷い猫、探してます」ポスター、プロ猫探偵の成功率が高いのはなぜか?

  • 「1個ちょうだい」で、ポッキーは許せるのに、なぜピノは許せないのか?
  • 「迷い猫、探してます」ポスター、猫探偵の成功率が高いのはなぜか?
  • 飲食店の立て看板や店頭のメニュー写真を見て「個人店かな」と感じるのはなぜか?
  • 市場シェアに意味を持たせるクープマンの目標値
  • ガリバーになれば盤石
  • 「二流でしょ」と言われる市場シェア
  • クープマンの目標値の3つの注意点
  • ピノはあげたくない
  • 猫探偵のポスターは発見率が高い理由
  • 居酒屋の立て看板が、なぜ「個人店だとわかる」のか
  • 広告費のムダをなくす
  • 立体でもOK
  • クープマンの目標値で姉妹品のデザインを考える
  • 社内でのパワーバランスを考えて戦略的に動く
  • コラム 生活者から見たデザインのインパクトを測るかんたんな方法

4章 ゲーム好きに見向きもされなかったニンテンドーDSがヒットしたのはなぜか?

  • Switch 2の大ヒットが記憶に新しいが……
  • 『脳トレ』ヒットの裏にいた、意外な「最初の顧客」
  • 革新型イノベーターが市場の地殻変動を起こす
  • 頭が柔らかいから脳を鍛えようとする人たち
  • 「クリエーター気質の人はイノベーター」だが「イノベーターはクリエーター気質」とはいえない
  • きれいに撮れない25万画素のデジカメ
  • 25万画素が「都合がいい」理由
  • 革新型イノベーターが出現しやすい3つの条件
  • ベネフィット翻訳力が高い革新型イノベーター
  • chocoZAPはダブルイノベーターなのか
  • ダブルイノベーター、その後3つのパターン

5章 「こんなもの道ばたで拾える」とバイヤーに言われた1000円の綿ロープがなぜ売れたのか?

  • 「価値の見せ方」が大ヒットを作った
  • 商品を定義して、次の一手を読むことでヒット商品を作る ~プロダクトコーン理論
  • プロダクトコーン3要素をきちんと書いてある商品は意外に少ない
  • 犬の行動と飼い主の心を味方にしたデンタルコットン
  • 完全栄養食なのに、方向性がまったく違う「メイバランス」と「完全メシ」
  • 西川きよし(79歳)と堀江貴文(52歳)の違い
  • 次の一手がかんたんにわかるプロダクトコーン理論
  • プロダクトコーン理論はイノベーター理論とつながる
  • 子どもが好きな3大お菓子だったキャンディやチョコレートは残ったのに、なぜキャラメルだけ元気がなくなったのか?
  • キャラメルは44年もキャンディに遅れを取った
  • チューイングガムも進化例
  • ガム市場を奪い、キャンディ市場を脅かす可能性があるグミ

6章 後ろめたくて安くもないのにサトウのごはんはなぜヒットしたか?

  • 生活者は「便利さ」に魅力を感じていなかった? 初期の誤算
  • イメージ、習慣、価格の大きな壁
  • ブランドの健康診断に欠かせない5つの数字
  • ブランドになるまでのチェックポイント:知って→理解して→好きになって→試して→続ける
  • 4つのギャップ判定でブランドの強さを測る
  • 「広告が悪かったから売れなかった」「いや、商品が悪かったからだ」
  • 20%の売上増を果たした午後の紅茶
  • サトウのごはんの突破口と「玄関開けたら2分でごはん」の大切さ
  • コカ・コーラも使った! サンプリングの威力
  • 「困ったときに人に聞ける」価値
  • レギュラーを無理やり底上げする販促活動
  • コラム ベネフィットは好意につなげることができる

7章 万人無視で市場が小さい「偏愛めし」がなぜ成功したのか?

  • 「みんなの75点より、誰かの120点」
  • 2年経っても話題性が衰えない
  • 正面か、側面か、それともニッチ?
  • iPhoneは20個も当時のニーズを無視した
  • 「突き抜けたコンセプト」は情熱価格からの進化で生まれた
  • 「みんなの75点より誰かの120点」戦略の真実
  • F1が、F1のエンジンで走らない車の売上を押し上げる
  • 弁当がドン・キホーテを強くする理由
  • KALDIも側面攻撃
  • 攻めは「狭く、そして深く」

おわりに

プロフィール

森行生もりゆきお

1955年生まれ。米国デューク大学にてコンピュータ工学および経済学をダブル専攻し、1978年卒業。大手嗜好品メーカー、外資系パッケージグッズメーカー、大手マーケティングコンサルティング会社などを経て、1992年、ブランドおよび事業戦略に関するマーケティングコンサルテーションをおこなうシストラットコーポレーションを設立。「プロダクトコーン理論」などを提唱。

著書に『失敗から学ぶマーケティング』(技術評論社)、『ヒット商品を最初に買う人たち』『改訂・シンプルマーケティング』(SBクリエイティブ)、『21世紀のモノ創り 70のヒント』(毎日コミュニケーションズ)がある。

ホームページhttps://www.systrat.co.jp/