AI検索時代は小さな会社にとってチャンス
東京近郊のベッドタウンで30年近く営業している中村リフォーム(仮名)。中村社長を含めて数名の職人と、事務員を兼ねた奥さんがいるだけの小さなリフォーム会社です。近年では、折り込みやポスティングでチラシを配布しても反応はほとんどなくなってしまったため、新規の獲得は熾烈な価格競争と高額な手数料で利益を圧迫されながらも仲介サイトを利用するという状況が続いていました。
しかし、その状況は、ある出来事によって大きく好転しました。AI検索の登場です。
AI検索とは、ユーザーの質問に対してAIが複数の情報源から集めた情報をまとめて回答する機能のことで、グーグル検索、ヤフー検索、Bing検索と主要な検索エンジンすべてで導入されています。
中村社長にAI検索時代の到来を告げたのは、あるお客様からの1本の問い合わせ電話でした。
そのお客様は、以前から、自宅にいるときも家族に邪魔されることなく仕事ができるスペースが欲しいと考えていました。そして、あるとき何気なく、スマホのAIに「この近くでウォークインクローゼットを書斎に改装できるリフォーム業者は?」とたずねてみたそうです。
すると、スマホのAIは、同じ市内で評判のいいリフォーム業者を3社ピックアップし、その最初に紹介されていたのが中村リフォームだったといいます。AIはこのように答えたそうです。
「中村リフォームの事例集には『使わないウォークイン収納をテレワークスペースに変更』という事例があるため相談しやすい」
お客様は、くわしく話を聞いてみようと、そのままスマートフォンで中村リフォームに問い合わせの電話をかけたとのことでした。
商談はスムーズに進みました。中村リフォームは、AI検索からの受注で珍しいタイプのリフォーム工事を受注でき、お客様は中村リフォームの工事でご希望どおりの小さな書斎を手に入れることができました。
中村社長は、その後も、事例の公開を進めるとともに、地域での評判の向上に注力することで、AI検索からのおすすめを獲得し、受注を伸ばしています。
これが、本書でお伝えする「AI検索で集客する仕組み」です。
AI検索での集客は、AIによる回答の中であなたの会社や製品やサービスがおすすめとして紹介されるように働きかけて、お問い合わせや来店やオンライン購入を増やします。
地域に密着した会社、ニッチなニーズを満たす会社など、小さな会社にとってAI検索時代の到来はチャンスです。AI検索では、検索者の細かな文脈を加味した回答が表示されるため、大企業でなくても回答に表示させることができるからです。地域のニーズ、業界の小さなニーズ、こだわりのニーズに応えている中小企業こそ、AI検索時代の主役です。
検索集客は自分でできる
著者の僕、住 太陽(「すみ もとはる」と読みます)は、グーグル検索が日本でのサービスを開始するよりも前、1999年から四半世紀以上も、検索エンジンからの集客に携わってきました。キーワードと一致する文字列を含んだウェブページを探し出すだけの単純な検索に始まり、ユーザーの質問に対する回答をズバリ提示する現在のAI検索にいたるまで、検索エンジンからの集客に取り組み続けて27年になります。
そして、僕はその期間の大半を、中小零細企業の社長さんたちとともに歩んでいます。とはいえ、社長さんに代わって何かの作業をしてあげるわけではありません。僕は困りごとを聞き、状況を調べ、解決や改善の方法を教えるだけです。
検索エンジンからの集客は特別なものではありません。方法さえ知ってしまえば、だれでも、自分でできて結果が出せるものです。従来の検索であれ、最新のAI検索であれ、鍵になることはじつは変わりません。
本書は忙しい中小企業の経営者さんにもかんたんに理解でき、実行できるよう、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすい説明を心がけて執筆しました。
お客様のほうからあなたを探してきてくれる未来を、あなた自身の手で実現しましょう。