QAエンジニア入門 〜チームで品質を高める連携のしかた

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著者
岩崎駿いわさきしゅん 著
定価
2,860円(本体2,600円+税10%)
発売日
2026.8.27
判型
A5
頁数
256ページ
ISBN
978-4-297-15832-3 978-4-297-15833-0

概要

QAエンジニアの需要が高まる中、実際の経験にもとづいた知見・スキルが重要となるQA業界では、それらの言語化が難しく、体系的な情報として世にないのが現状です。本書では、QAエンジニアを目指す人、QAと協働して品質保証に取り組むべき開発者・PdM・デザイナーに向けて、次のようなQAエンジニアの業務や価値、基礎知識を現場の専門家が解説します。

  • QAエンジニアが担う「品質保証」や「ソフトウェアテスト」の背景
  • QAエンジニアの業務に必要となる知識や周辺の技術
  • 現場がQAエンジニアに求めること、チームへの貢献のためにどうするべきか
  • 具体的な課題やキャリアパス など

開発チーム全体がQAと協力し、プロダクトの「品質」を高めていくために押さえておきたい1冊です。

こんな方にオススメ

  • これからQAエンジニアを目指す人
  • QA組織の立ち上げを任された人
  • QAとともに協働する開発者、PdM、デザイナー

目次

  • はじめに

第1章 QAエンジニアの基本をおさえる

1.1 これまでのQAエンジニアと現在のQAエンジニアの姿

  • 1.1.1 よくあるQAエンジニアのイメージ
  • 1.1.2 変化してきたQA(品質保証)の役割
  • 1.1.3 多様化したQAエンジニアの姿

1.2 各職種から見たQAエンジニアの姿

  • 1.2.1 開発者から見たQAエンジニアの姿〜品質の観点で開発を一緒に設計するパートナー〜
  • 1.2.2 PdMから見たQAエンジニアの姿〜意思決定を支える伴走者〜
  • 1.2.3 デザイナーから見たQAエンジニアの姿〜ユーザー体験を一緒に整える相手〜

1.3 テストの役割と限界をおさえる

  • 1.3.1 なぜテストは欠かせないのか
  • 1.3.2 テストで証明できないこと
  • 1.3.3 テストとQAの関係

第2章 QAエンジニアの業務を覗く

2.1 QAエンジニアのプロジェクトでの流れ

  • 2.1.1 仕様確認で「考慮漏れ」と「手戻り」を防ぐ
  • 2.1.2 テスト活動がどう進むのか
  • 2.1.3 リリース後の品質保証活動

2.2 テスト活動の具体例

  • 2.2.1 テスト計画:目的と作成方法
  • Column 用語の混同を防ぐ:テスト戦略/テスト計画/「○○テスト」
  • 2.2.2 テスト設計:品質を担保する「観点」の引き出し
  • Column テスト設計技法入門:効率的なテストケースの作り方
  • 2.2.3 テスト実施:不具合を発見し、品質を可視化する
  • Column 探索的テスト、アドホックテスト、モンキーテスト
  • Column 良い不具合報告、悪い不具合報告:開発者との円滑なコミュニケーション術
  • 2.2.4 テスト終了作業:未来の品質を作るための振り返り

2.3 テスト以外の業務

  • 2.3.1 プロダクト開発への早期関与と「シフトレフト」
  • 2.3.2 プロセス改善の推進:データ活用と振り返り
  • 2.3.3 品質の文化を育む:日々の発信と、特別なイベント

第3章 QAエンジニアの価値

3.1 QAエンジニアの貢献

  • 3.1.1 プロダクトとユーザーへの深い理解
  • Column QAエンジニアの「引き出し」は、どう作られるのか
  • 3.1.2 広い知識のネットワーク
  • Column フロントエンドとバックエンドを切り分ける「関心の分離」
  • 3.1.3 「いい感じ力」

3.2 QAエンジニアが提供する独自の価値

  • 3.2.1 「多角的」に評価する
  • Column 職種別に見た「QAエンジニアの活かし方」の一例
  • 3.2.2 「本質」を見抜く
  • 3.2.3 「死角」を発見する

3.3 信頼がQAエンジニアの価値を生む

  • 3.3.1 なぜ信頼がQAエンジニアの生命線なのか
  • 3.3.2 信頼がもたらす価値の進化
  • 3.3.3 どうすれば信頼は生まれるのか
  • Column なぜQAエンジニアは「なぜ?」と問い続けるのか:根本原因を探る「なぜなぜ分析」

第4章 QAエンジニアとの連携マニュアル

4.1 QAエンジニアを「仕様のレビュアー」として活用する

  • 4.1.1 「顧客価値と仕様のギャップ」を発見するセンサー
  • Column QAエンジニアはどんな目線でギャップに向き合っているのか
  • 4.1.2 「暗黙の要件」を掘り起こす質問者
  • 4.1.3 「受け入れ基準」を明確にする協力者

4.2 QAエンジニアを「リスクの可視化装置」として活用する

  • 4.2.1 リスクを「見える形」にする
  • Column なぜ「感覚」を「見える形」にするのか
  • 4.2.2 リリース判断に必要な「ユーザー影響」を伝える
  • Column なぜ「ピザ食べたい」だけでは伝わらないのか

4.3 QAエンジニアを「チームの学習装置」として活用する

  • 4.3.1 チームの学習を促進する「仕組みづくり」を推進する
  • 4.3.2 チームの品質意識とスキルを底上げする
  • 4.3.3 データにもとづいた継続的なプロセス改善
  • Column データは「人」を責めるためではなく、プロセスを見直すために使う
  • 4.3.4 「信頼」が、チームの学習装置を機能させる土台である
  • 4.3.5 QAエンジニアとして本章を読むあなたへ

第5章 QAエンジニアの成長を阻む「壁」とAI時代の役割

5.1 QAエンジニアとチームの間に「壁」が生まれるとき

  • 5.1.1 役割の壁:QAエンジニアを「テスト実行部隊」と見てしまうとき
  • Column なぜ「QA=テスト」というイメージが根強いのか
  • 5.1.2 プロセスの壁:「完璧な品質」を前提にした進め方
  • 5.1.3 評価と文化の壁:QAエンジニアの貢献が見えなくなるとき

5.2 QAエンジニアの「成長環境」を、チームの「利益」に変えるには

  • 5.2.1 「成長できない環境」が、チームに課すペナルティ
  • 5.2.2 チームの「コスト」を「利益」に変える、「いい感じ力」を実装する
  • 5.2.3 「いい感じ力」をチームの力に変える、3つの習慣

5.3 AI時代に、QAエンジニアは何を問い、何を守るのか

  • 5.3.1 AIを「使う側」の革命〜QAこそが最大の受益者になる〜
  • 5.3.2 AIを「作る側」の挑戦〜賢いAIと安全に付き合うための新しい視点〜
  • 5.3.3 未来へ:品質の「番人」から、価値の「共同創造者」へ

第6章 品質と速度を両立するテスト自動化

6.1 なぜ、何を自動化するのか——価値と戦略を理解する

  • 6.1.1 自動化がもたらす真の価値
  • 6.1.2 何を自動化し、何を手動でやるべきか
  • Column 戦略の指針となる「テストピラミッド」
  • 6.1.3 既存のテストツールか自作かをどう選ぶか
  • Column ロール別に見たテスト自動化への関わり方

6.2 どう自動化を設計し、運用するのか——実践のためのテクニック

  • 6.2.1 メンテナンス性の高いテスト設計
  • 6.2.2 テストデータと前提条件を設計する
  • 6.2.3 「何をテストしたいのか」から逆算して設計する
  • 6.2.4 CI/CDパイプラインへの統合

6.3 自動化を続けるための「技術」と「組織」の課題

  • 6.3.1 技術的な課題:不安定なテスト(フレーキーテスト)との向き合い方
  • 6.3.2 組織的な課題:スキル不足と属人化を乗り越える
  • 6.3.3 成功への道筋:小さくはじめてチームを育てる
  • Column テスト自動化でよくあるアンチパターン

第7章 QAエンジニアとして現場でどう振る舞うか

7.1 はじめてQAエンジニアを担うときに知っておきたいこと

  • 7.1.1 QAエンジニアとして大事にしたい3つの考え方
  • 7.1.2 新しい現場/チームに入ったときに意識したい3つのこと
  • 7.1.3 自分の「現在地」をざっくり振り返る
  • Column 本やブログで学んだテストを「自分の現場」にどう当てはめるか

7.2 QA組織をゼロから立ち上げるときの「品質活動プレイブック」

  • 7.2.1 まず決める:品質目標・スコープ・役割分担
  • 7.2.2 仕組みを作って回す:情報・会議・テスト・リリース判断
  • 7.2.3 段階的に広げる:シフトレフト・自動化・外部パートナー・持続可能性

7.3 キャリアと学び方をデザインする

  • 7.3.1 成長のステージと「次の一歩」
  • 7.3.2 キャリア/担う役割のバリエーション
  • 7.3.3 学び方とインプットの戦略
  • 7.3.4 QAエンジニアの成長を支える4つの力
  • おわりに
  • 用語集

プロフィール

岩崎駿いわさきしゅん

QAエンジニア。2014年よりソフトウェア業界で品質保証に携わり、スタートアップから大手企業まで、開発規模や求められる品質の異なる現場を経験。テストにとどまらず、仕様レビュー、リスクの可視化、テスト自動化、QA組織の立ち上げ・育成など、品質を支える活動に幅広く関わる。現役のQAエンジニアとして実務に携わるほか、QA顧問・アドバイザーとして企業の品質活動も支援する。

QAエンジニアは、プロダクト開発の現場で大きな価値を発揮できる職業だと考えている。一方で、テストの先に何を学び、どう成長すればよいのかが見えにくい。より多くの人にQAの魅力と、現場で価値を発揮するための視点を伝えたいという思いから、初心者向けの情報発信や個人向けの指導を続けている。本書は、QAの仕事や価値、チームで品質をつくるための視点を、プロダクト開発に関わる人に伝えることを目指して執筆した。