ランサムウェア攻撃対策マニュアル ーーサイバーセキュリティ事例研究と防衛戦略
- 面和毅 著
- 定価
- 3,520円(本体3,200円+税10%)
- 発売日
- 2026.8.10
- 判型
- A5
- 頁数
- 368ページ
- ISBN
- 978-4-297-15834-7
サポート情報
概要
本書は進化し続けているランサムウェア攻撃に関して、知識を体系立てて理解したい方のために作りました。ランサムウェア攻撃は企業が直面するサイバー脅威の中でもトップに上がり、ニュースでも日々話題になります。実際に最前線で会社を守っているセキュリティ担当者は「では具体的にどうすればいいのか?」と悩むことが少なくありません。ネット上で対策を探しても、実用に耐えうる包括的な文書を見つけるのは困難だからです。さらに近年では単なるランサムウェア感染ではなく、攻撃者が組織の内部に侵入し、データ窃取を行って最後にランサムウェアを起動するという「企業を標的とした一連の攻撃」に変化しています。本書はそうした兆候に対応し、セキュリティ戦略・対策の手がかりを示します。
こんな方にオススメ
- ランサムウェアの攻撃を受けるのではないかと不安をいだいている/対策を立案し実践したいセキュリティ担当者
目次
第1章 ランサムウェア攻撃とは
1.1 そもそもランサムウェアとは?
- 1.1.1 ランサムウェアの基礎知識
- 1.1.2 用語の定義
- 1.1.3 昨今の被害
1.2 最近のランサムウェア攻撃の特徴
- 1.2.1 2010年代後半まで
- 1.2.2 分業制の時代
- 1.2.3 複数脅迫(Multiple Extortion)
- 1.2.4 ノーウェアランサム
- 1.2.5 AIによるランサムウェア攻撃
1.3 ランサムウェア攻撃に対する取り組み(Stop Ransomware)
- 1.3.1 Stop Ransomware(米国CISA+FBIなど)
- 1.3.2 No More Ransom(EU)
- 1.3.3 ストップ!ランサムウェア(日本)
第2章 ランサムウェア攻撃を理解するための専門用語
2.1 ランサムウェア攻撃を理解するための専門用語
2.2 サイバーセキュリティを支える組織と役割
- 2.2.1 NIST
- 2.2.2 MITRE
- 2.2.3 CISA
- 2.2.4 FIRST
- 2.2.5 ENISA
2.3 TTP
2.4 サイバーキルチェーン
- 2.4.1 偵察(Reconnaissance)
- 2.4.2 武器化(Weaponization)
- 2.4.3 配送(Delivery)
- 2.4.4 エクスプロイト(Exploitation)
- 2.4.5 インストール(Installation)
- 2.4.6 C&C(Command & Control)
- 2.4.7 アクション(Action)
2.5 MITRE ATT&CK
- 2.5.1 MITRE ATT&CKマトリックスの種類
- 2.5.2 Tactics
- 2.5.3 Techniques
- 2.5.4 Techniquesの詳細
2.6 IoC(Indicator of Compromise)
- 2.6.1 TTPとIoCの違い
- 2.6.2 BlackSuitランサムウェアのIoC
- 2.6.3 IoCの使用方法
2.7 SCAP(セキュリティ設定共通化手順)
- 2.7.1 CVE(Common Vulnerabilities and Exposures:共通脆弱性識別子)
- 2.7.2 CVSS(Common Vulnerability Scoring System:共通脆弱性評価システム)
- 2.7.3 CWE(Common Weakness Enumeration:共通脆弱性タイプ)
- 2.7.4 CPE(Common Platform Enumeration:共通プラットフォーム一覧)
- 2.7.5 CCE(Common Configuration Enumeration:共通セキュリティ設定一覧)
- 2.7.6 SCAPのまとめ
2.8 その他の脆弱性関連の専門用語(KEV、SSVC、EPSS)
- 2.8.1 CISA KEV
- 2.8.2 SSVC(Stakeholder-Specific Vulnerability Categorization)
- 2.8.3 EPSS(Exploit Prediction Scoring Sytem)
第3章 ランサムウェア攻撃の流れ
3.1 CERT-NZを参考にした、一般的なランサムウェア攻撃の流れ
- 3.1.1 偵察フェーズ
- 3.1.2 初期アクセス(INITIAL ACCESS)
- 3.1.3 足場固めと準備(Consolidation and Preparation)
- 3.1.4 標的へのインパクト(IMPACT ON TARGET)
3.2 [実例] Contiグループによるランサムウェア攻撃を見てみる
- 3.2.1 1日目「フェーズ1」
- 3.2.2 1日目「フェーズ2」
- 3.2.3 1日目「フェーズ3」
- 3.2.4 3日目
- 3.2.5 4日目
3.3 ランサムウェア攻撃は、なぜ見つけにくいのか
- 3.3.1 「ランサムウェアの感染」が主目的ではない
- 3.3.2 とにかく見つからないようにする
第4章 ランサムウェア攻撃に備える
4.1 ランサムウェア被害を減らすためのシステム全体の見直し
- 4.1.1 「CERT-NZ」のそれぞれのフェーズでの防御方法
- 4.1.2 Stop Ransomware(CISA)
- 4.1.3 NIST CSF 2.0を利用したコミュニティプロファイル(NIST IR 8374r1)
4.2 「ランサムウェアに備える」ために必要なものを考える
- 4.2.1 基本的なセキュリティ対策の実施
- 4.2.2 脅威インテリジェンスの活用
- 4.2.3 DRP(Digital Risk Protection)
- 4.2.4 ASM(Attack Surface Management)
- 4.2.5 脆弱性管理
- 4.2.6 アンチウイルス製品とEDR
- 4.2.7 ログ管理
- 4.2.8 バックアップ管理
- 4.2.9 DR(Disaster Recovery)管理
- 4.2.10 CSIRTの設立とプレイブックの徹底および準備体制の確立
第5章 インシデント発生!そのときどうする?
5.1 初動
- 5.1.1 プレイブックに従って行動する
- 5.1.2 とにかく早い段階で専門家を交えたチーム連携を行う
- 5.1.3 被害状況の確認と一時的な封じ込めを行う
5.2 調査
- 5.2.1 セキュリティ専門家を中心に、被害企業の現場が社内状況を共有する
- 5.2.2 被害状況を確認する
- 5.2.3 確実に封じ込める
5.3 復旧・対外公表
5.4 禁止事項
第6章 ランサムウェア攻撃の対応事例
6.1 UnitedHealth社の事例(2024年)
- 6.1.1 インシデントの時系列
- 6.1.2 このインシデントでの問題点
- 6.1.3 まとめ
6.2 アサヒグループホールディングスの事例(2025年)
- 6.2.1 インシデントの時系列
- 6.2.2 このインシデントでの被害
- 6.2.3 このインシデントでの問題点と良かった点
- 6.2.4 まとめ
6.3 米国ネバダ州の事例(2025年)
- 6.3.1 インシデントの時系列
- 6.3.2 インシデント発生から復旧への体制
- 6.3.3 ネバダ州が行っていた訓練
- 6.3.4 復旧にかかった費用
- 6.3.5 まとめ
6.4 3つの事例のまとめ
付録A 脆弱性情報収集
A.1 はじめに
A.2 前日に公開されたCVE-IDを調べる
- A.2.1 GitHubとAPIのどちらを使うべきか?
- A.2.2 CVE更新情報取得(GitHub)
- A.2.3 CVE更新情報からの絞り込み
A.3 CVE-IDに関連した情報を調べる
- A.3.1 Vulnerability-Lookupとは
- A.3.2 Vulnerability-Lookup API(基本的な情報)
- A.3.3 Vulnerability-Lookup API(Correlations)
- A.3.4 Vulnerability-Lookup API(Sights)
- A.3.5 Vulnerability-Lookupでできないこと
A.4 自社が使用している製品ベンダーからCVE情報を取得する
A.5 脆弱性情報取得のまとめ
付録B CVSSのMetric Groupと要素(脆弱性の特性)
B.1 はじめに
B.2 Base Metric Group
- B.2.1 Exploitability Metrics(悪用可能性メトリック)
- B.2.2 Impact Metrics(影響メトリック)
B.3 Threat Metric Group(脅威メトリックグループ)
- B.3.1 Exploit Maturity(E)(エクスプロイトの成熟度)
B.4 Environment Metric Group(環境メトリックグループ)
- B.4.1 Modified Base Metrics
- B.4.2 機密性、完全性、可用性の要件(CR、 IR、AR)
B.5 Supplemental Metrics Group(補足メトリックグループ)
- B.5.1 Safety(安全性)
- B.5.2 Automatable(AU)
- B.5.3 Provider Urgency(U)
- B.5.4 Recovery(R)
- B.5.5 Value Density(V)
- B.5.6 Vulnerability Response Effort(RE)
- B.6 CVSSまとめ
付録C SIEM詳細
C.1 はじめに
C.2 SIEMを構成する要素
- C.2.1 Collector
- C.2.2 Parser
- C.2.3 Indexer(DB)
- C.2.4 Dashboard
C.3 相関分析
- C.3.1 シンプルな相関分析
- C.3.2 複雑な相関分析
- C.3.3 相関分析の課題
C.4 SIEMのまとめ
付録D 脅威ハンティングの実例
D.1 はじめに
D.2 想定脅威アクターの特定
D.3 想定脅威アクターの情報収集
D.4 脅威ハンティングで使用するツール
- D.4.1 YARAルール
- D.4.2 Snortルール/Suricataルール
- D.4.3 Sigmaルール
D.5 脅威ハンティングの例(Akiraランサムウェアグループ)
- D.5.1 Akiraランサムウェアグループの動きを仮定する.
D.6 脅威ハンティングのまとめ
プロフィール
面和毅
サイオスグループ上席執行役員
サイオステクノロジー上席執行役員。オープンソースソフトウェア(以下、OSS)のセキュリティ専門家として20年以上の経験があり、主にOS系のセキュリティに関する執筆や講演を行う。外資系を中心に、ユーザ企業やベンダー等、様々な立場を経て知見を深め、CISSP(国際的に最も権威あるセキュリティプロフェッショナル認証資格)を2012年に取得。2015年からサイオステクノロジーのOSS/セキュリティエバンジェリストとして活躍し、セキュリティに精通するエンジニアであれば一度は目を通すと評される「SIOSSECURITY BLOG」を連載中。
『サイバー攻撃から企業システムを守る!――OSINT実践ガイド』(日経BP/2023年)などの著作がある。