エンジニア選書 Codexではじめるエージェンティックコーディング ――AIエージェントによる自律的システム開発ガイド
- 鈴木章太郎,スナガク(馬場俊輔),中村彰宏,びーぐる(藤原祥司),河村大輔 著
- 定価
- 3,630円(本体3,300円+税10%)
- 発売日
- 2026.9.10
- 判型
- B5変形
- 頁数
- 352ページ
- ISBN
- 978-4-297-15860-6 978-4-297-15861-3
概要
エージェンティックコーディングとは、AIエージェントが計画・タスク分解・ツール利用・テスト・評価などの開発工程を自律的に遂行する開発スタイルです。AnthropicのClaude Code、OpenAIのCodexといったコーディングエージェントの普及に伴い、急速に注目を集めています。
本書はCodexによるエージェンティックコーディングを基礎から現場における実践手法まで段階的に解説します。基本操作やChatGPTを活用したタスク設計、開発ワークフローの自律化といった個人規模の活用はもちろん、チームでエージェンティックコーディングを活用するための考え方や、SIerやエンタープライズにおける展開戦略まで扱います。
「AIエージェントに開発を委ねる技術」が身につく一冊です。
こんな方にオススメ
- AIコーディングやエージェンティックコーディングに関心がある技術者
- チームでAIを導入・活用したい開発リーダー
目次
- はじめに
- なぜ今、Codexなのか
- この本は誰のために書いたか
- 本書の構成と読み方
- 本書を執筆している時期について
- 表記について
第1章 AI駆動開発とCodexの現在地
- 1.1 AI駆動開発の変化
- 1.1.1 AIツールの進化が速い背景
- 1.1.2 AI駆動開発の収束
- 1.1.3 Vibe CodingとAgentic Engineering
- 1.2 Codexとは何か
- 1.2.1 エージェントループ
- 1.2.2 モデルの進化タイムライン
- 1.2.3 /fastモードとFast service tier
- 1.2.4 移植事例が示すCodexの威力
- 1.2.5 Codex for (almost) everything
- 1.2.6 ツールはモデルとともに進化する
- 1.3 本書の読み方
第2章 Codexの環境構築と基本操作
- 2.1 Codexの提供形態と本章の対象範囲
- 2.2 ChatGPTアカウントを準備する
- 2.2.1 既存アカウントを使う場合
- 2.2.2 アカウントを新規に登録する場合
- 2.3 Codex CLIをインストールする
- 2.3.1 Codex CLIをWindowsネイティブ環境にインストールする
- 2.3.2 Codex CLIをWSLにインストールする
- 2.3.3 Codex CLIをmacOSにインストールする
- 2.3.4 初回認証と最初のメッセージ送信
- 2.3.5 Codex CLIをアップグレード
- 2.4 ChatGPTアプリをインストールする
- 2.4.1 インストーラーをダウンロードして起動する
- 2.4.2 動作確認する
- 2.5 ChatGPTアプリでよく使う12の操作
- 2.5.1 セッションの複製
- 2.5.2 Codex Petsの利用
- 2.5.3 画像生成によるフロントエンド作成
- 2.5.4 Git diffの確認
- 2.5.5 プルリクエストの内容確認
- 2.5.6 In-app BrowserでUI修正
- 2.5.7 Browser useによるWeb操作
- 2.5.8 Chrome拡張機能によるGoogle Chrome操作
- 2.5.9 Computer Useを使ったPC操作
- 2.5.10 Sitesによるアプリの公開
- 2.5.11 Remote connectionsでモバイルアプリから作業確認
- 2.5.12 Quick chatによる会話履歴の引き継ぎ
- 2.6 ユーザー単位でCodexを設定する
- 2.6.1 ~/.codex/config.tomlを編集する
- 2.6.2 CLI/App上でCodexを設定する
- 2.6.3 Codex CLI上でStatusLineを変更する
- 2.7 プロジェクト単位でCodexを設定する
- 2.7.1 .codex/config.tomlの配置
- 2.7.2 階層ごとの設定の読み込み方
- 2.7.3 プロジェクト設定を有効にする際の注意点
- 2.8 AGENTS.mdを作成する
- 2.8.1 AGENTS.mdの読み込み方
- 2.8.2 /initでAGENTS.mdのひな型を作成する
第3章 タスク設計の技術
- 3.1 なぜタスク設計が重要なのか
- 3.1.1 タスク設計が成果物の質を左右する
- 3.1.2 チームで使うために判断基準をそろえる
- 3.1.3 後から直すコストを減らす
- 3.2 タスクの粒度と分割
- 3.2.1 タスクサイズの考え方
- 3.2.2 タスク分割のポイント
- 3.3 Mini Codexテンプレート
- 3.3.1 Mini Codexテンプレートの4要素
- 3.3.2 実例に見るMini Codexテンプレート
- 3.4 Done When詳解
- 3.4.1 タスクを任せる深さの基準
- 3.4.2 検証条件の3つのレベル
- 3.4.3 Done Whenの書き方
- 3.4.4 機械判定しにくいタスクの扱い方
- 3.4.5 作業後レポートで確認結果をそろえる
- 3.5 Plan mode(実装前に計画を立てる)
- 3.5.1 Plan modeの価値
- 3.5.2 Plan modeの作業の3段階
- 3.5.3 Plan modeの基本操作
- 3.5.4 Plan modeにおける「質問」
- 3.5.5 Plan modeを利用する際の判断基準
- 3.5.6 Mini Codexの観点でプランをレビューする
- 3.5.7 reasoning effortを計画時だけ高める
- 3.5.8 Plan modeはタスク設計の延長にある
- 3.6 実行中のCodexの動作に介入する
- 3.6.1 Tab/Enter/Escを使い分ける
- 3.6.2 介入操作の判断基準
- 3.6.3 介入が増えたらタスク設計を見直す
- 3.7 委ねることの技術(Delegation)
- 3.7.1 監督者として振る舞う
- 3.7.2 委ねたあとは検証に時間を使う
- 3.8 次章に向けて
第4章 エージェンティックコーディングの基本
- 4.1 本章のねらい
- 4.2 コンテキストとは何か
- 4.2.1 コンテキストの役割
- 4.2.2 コンテキストの構成要素
- 4.2.3 コンテキストの上限と圧縮
- 4.2.4 コンテキストエンジニアリングとは何か
- 4.3 Agent Skillsの概要
- 4.3.1 Agent Skillsとコンテキスト
- 4.3.2 SKILL.mdの構造と動作
- 4.3.3 Skillの動作フロー
- 4.3.4 descriptionの書き方
- 4.3.5 実例に見るSkillのポイント
- 4.3.6 Skillのディレクトリ設計
- 4.3.7 Skill設計の観点
- 4.3.8 Agent Skillsの真価
- 4.4 サブエージェントの概要
- 4.4.1 サブエージェントが必要な理由
- 4.4.2 メインエージェント/サブエージェントの役割
- 4.4.3 メインエージェント/サブエージェントへの依頼基準
- 4.4.4 サブエージェントの分割軸
- 4.4.5 サブエージェントの始め方
- 4.4.6 サブエージェント数の設定
- 4.4.7 サブエージェントへの依頼方法
- 4.5 Pluginsの概要
- 4.5.1 plugin.jsonの役割
- 4.5.2 Pluginのディレクトリ構成
- 4.5.3 Pluginの設定
- 4.6 エージェンティックコーディングを支える仕組み
第5章 Skills/Pluginsの詳細解説
- 5.1 本章のねらい
- 5.2 Codex周辺の仕組みの全体像
- 5.3 Skillsカタログを読む
- 5.3.1 System Skillsと公開Skill
- 5.3.2 代表的なSkillを眺める
- 5.3.3 エントリの読み方
- 5.4 既存のSkillを使うか、自作するか
- 5.4.1 まず既存のSkillを確認する、という順序
- 5.4.2 自作へ進む目安
- 5.4.3 導入と作成を担うSystem Skill
- 5.5 Pluginsカタログを読む
- 5.5.1 何がカタログにあるのか
- 5.5.2 主要Pluginの使いどころ
- 5.5.3 Pluginを読むときの観点
- 5.6 外部サービスとデータへの接続を担うAppsとMCP
- 5.6.1 Appsは外部サービスのコネクタ
- 5.6.2 MCPはツールとデータへの接続プロトコル
- 5.6.3 AppsとMCPの使い分け
- 5.7 実行タイミングを任せるAutomations
- 5.7.1 Automationsとは何か
- 5.7.2 自動実行だからこそ確認を設計する
- 5.8 仕組みの使い分け
- 5.8.1 役割で選ぶ
- 5.8.2 Skillを起点に広げる
- 5.9 Skills/Pluginsとの向き合い方
- 5.9.1 導入と運用の心構え
- 5.9.2 カタログからワークフローへ
第6章 Skills/Pluginsの実践活用
- 6.1 Skills/Pluginsを導入する
- 6.1.1 既存のSkillをインストールして使う
- 6.1.2 既存のPluginをインストールして使う
- 6.1.3 ChatGPTアプリでPluginを導入
- 6.2 Skillを作成/共有する
- 6.2.1 skill-creatorでSkillを作成する
- 6.2.2 GitHub経由でチームに共有する
- 6.3 Pluginを作成/公開する
- 6.3.1 plugin-creatorでPluginを作成する
- 6.3.2 PluginをGitHubで共有する
- 6.4 GitHub ActionsにSkillsを組み込む
- 6.4.1 Codex Actionの概要
- 6.4.2 APIキーをGitHub Secretsに登録
- 6.4.3 PRレビューを自動化する
- 6.4.4 Issueを起点に提案文書のPRを作る
- 6.5 Spec Kit/AI-DLCで仕様駆動開発を取り入れる
- 6.5.1 Spec Kitをインストールする
- 6.5.2 Spec Kitを初期化する
- 6.5.3 Spec Kitによる開発の流れ
- 6.5.4 Spec Kitでデモアプリを作る
- 6.5.5 AI-DLCをCodexに導入する
- 6.6 Codexをコードレビューで活用する
- 6.6.1 Codex CLIでレビューを依頼する
- 6.6.2 Codex Cloud/GitHub連携でレビューさせる
- 6.6.3 @codex reviewをカスタマイズする
第7章 個人開発におけるCodexの活用事例
- 7.1 はじめに
- 7.1.1 対象プロジェクトの概要
- 7.1.2 本章の章立て
- 7.2 環境構築
- 7.2.1 モバイル開発におけるCodexの役割
- 7.2.2 Codex Appのみで基本的な開発フローを完結する
- 7.2.3 ワークツリーの準備をする
- 7.3 役割分担の具体例
- 7.3.1 Codexの能力から役割分担を考える
- 7.3.2 重要テーマと簡易テーマの判断基準
- 7.3.3 責任を持った開発とは
- 7.4 機能開発の具体例
- 7.4.1 Context Pointersを作成する
- 7.4.2 調査結果をMini Codexに組み直す
- 7.4.3 Plan作成
- 7.4.4 実行指示
- 7.5 ドキュメント化戦略の具体例
- 7.5.1 コードから読み取れない内容を残す
- 7.5.2 コードを探しやすくするドキュメントを残す
- 7.6 コードレビューの具体例
- 7.6.1 コードレビューは必要なのか?
- 7.6.2 筆者が独自追加したレビュー観点
- 7.6.3 追加したレビュー観点例
- 7.7 マルチプラットフォーム開発の具体例
- 7.7.1 移植作業の実践例
- 7.7.2 iOS/Android並行開発の効率的な進め方
- 7.8 開発以外の作業における利用例
- 7.8.1 面倒なストア申請作業にComputer Useを活用する
- 7.8.2 開発コンテキストを踏まえたPC操作
- 7.8.3 CodexからPC/ブラウザを操作させるメリット
- 7.9 まとめ
第8章 開発ワークフローへの実践導入
- 8.1 個人利用からチーム利用へ
- 8.2 AIネイティブな開発チームのSDLC
- 8.3 チーム導入の基本設計
- 8.3.1 避けたい失敗パターン
- 8.4 AGENTS.md/Rules/Team Configによる標準化
- 8.4.1 AGENTS.md:作業方針を明文化する
- 8.4.2 Rules:コマンドの実行可否を制御する
- 8.4.3 Team Config:設定をリポジトリで共有する
- 8.4.4 依頼の書き方をそろえる
- 8.5 Skillsのチーム共有
- 8.6 並行作業とコンフリクトの設計
- 8.7 GitHub/PR/CIをチームワークフローに組み込む
- 8.7.1 Codex code review
- 8.7.2 Codex GitHub Action
- 8.7.3 CIのセキュリティ境界
- 8.8 Slack/Linear/Jira連携
- 8.8.1 Slack連携
- 8.8.2 Linear連携
- 8.8.3 Jira連携
- 8.8.4 送信範囲と依頼の渡し方
- 8.9 Automationsによる定期タスク運用
- 8.9.1 Automationsに何を許すか
- 8.9.2 定期実行をチームで回す
- 8.9.3 CI失敗の調査を任せる
- 8.10 品質ゲートと人間の判断ポイント
- 8.10.1 レビューゲート
- 8.10.2 テストゲート
- 8.10.3 セキュリティゲート
- 8.10.4 ドキュメントゲート
- 8.10.5 技術的境界との組み合わせ
- 8.11 導入効果の測り方
- 8.12 レトロスペクティブとAGENTS.md/Skillの育成サイクル
- 8.13 まとめ:Codexをチームの開発基盤にする
第9章 SIer/エンタープライズへの導入
- 9.1 本章のねらい
- 9.2 なぜエンタープライズ導入は難しいのか
- 9.3 OpenAI直接契約ファースト
- 9.4 CodexでSDDを実装する
- 9.4.1 SIer現場のマルチツール現実
- 9.4.2 「Single Source of Truth」思想
- 9.4.3 AGENTS.mdをSSOTとして運用するパターン
- 9.4.4 AGENTS.mdに何を書くか
- 9.4.5 各ツールのAGENTS.md設定
- 9.4.6 AWS公式によるマルチツール対応の裏付け
- 9.4.7 段階的導入:軽量から始めて深める
- 9.4.8 運用上の注意点
- 9.4.9 Codexを支える3層アーキテクチャ:常時/専門/強制
- 9.4.10 AGENTS.mdをもとにAIに逆質問させる「INCEPTION思想」
- 9.5 エンタープライズ向けセキュリティ設計
- 9.5.1 データプライバシーの基本理解
- 9.5.2 AGENTS.mdによるコード流出防止
- 9.5.3 ログと監査証跡
- 9.6 Brownfield(保守業務)への段階的導入
- 9.6.1 SIer案件の「新規開発業務」「保守業務」の2タイプを定義する
- 9.6.2 段階的Specファースト化の4フェーズ
- 9.6.3 AIによる保守業務と新規開発業務の自動分岐
- 9.6.4 リバースの単位とas-isの扱い:画面単位でSpecを起こす
- 9.6.5 既存テストを壊さない保守業務の作法
- 9.6.6 監査ログと決定のトレーサビリティ
- 9.6.7 保守業務導入の3原則
- 9.7 段階的導入ロードマップ
- 9.7.1 組織としてAI駆動開発を支える役割設計
- 9.8 全社共通と案件別の2層構造
- 9.8.1 SIer特有の難所
- 9.8.2 2層構造の設計
- 9.8.3 2層を両方参照する流れ
- 9.8.4 AGENTS.mdとTeam Configによる品質の均質化
- 9.8.5 発注者側が整備すべきもの
- 9.8.6 Enterprise Skillsによる業界対応
- 9.9 Specファーストによる品質ガードレールとCI統合
- 9.9.1 品質ガードレールがなぜ必要か
- 9.9.2 constraintsの概要
- 9.9.3 CIゲートによるAI生成物の機械的なチェック
- 9.9.4 人間によるPRレビュー時の確認事項
- 9.9.5 SIer監査/契約への接続:トレーサビリティを成果物に変える
- 9.9.6 既存ツールチェーンで品質ベースラインを作る
- 9.10 AI駆動開発の成果をどう測るか
- 9.10.1 「生産性が上がった」だけでは経営層に届かない
- 9.10.2 介入と測定を繰り返す「効果検証型」の改善サイクル
- 9.11 非開発者とのCodexを活用した協働
- 9.12 よくある失敗パターンと対策
- 9.12.1 Anthropicの知見から学ぶ大規模・長期運用の原則
- 9.13 本章のまとめ
- おわりに
- 著者プロフィール
- 索引
プロフィール
鈴木章太郎
AI駆動開発を推進するテクノロジーエバンジェリスト。AI駆動開発勉強会を主催し、AI駆動開発コンソーシアム副座長を務める。開発者向けに最新技術を啓発する活動を長く続け、近年はAI駆動開発とエージェンティックコーディングの実践・普及に注力している。Microsoft MVP for Developer Technologies(.NET/Developer Tools)。Google Cloud Partner All Certifications Holder 2025。
X/Twitter:@shosuz
スナガク(馬場俊輔)
株式会社無式所属のWebエンジニア。「実践で使えるAI活用情報を届けて、もう少し頑張ってみようと思える人を増やす」をモットーに、Codex・Claude CodeをはじめとするAIコーディングツールを実務や個人開発で検証している。Claude Code Meetup Japan #3、Findy、Qiita Bashなどで登壇。Zennでの執筆やXでの発信も行う。
X/Twitter:@suna_gaku
中村彰宏
フリーランスAndroidエンジニア。Discordにて参加者900名超のコミュニティ「Codex情報共有」を創設。技術記事の執筆や勉強会での登壇を通じ、Codexの普及やAI活用に関する発信活動に取り組んでいる。
X/Twitter:@akihiro_genai
びーぐる(藤原祥司)
フリーランスのソフトウェア・プロダクトエンジニア。ZennにてCoding Agent全般・仕様駆動開発に関する記事を複数執筆。Codex Meetup Tokyo #1でのLT登壇、Software Design 2026年2月号第1特集「Vibe Coding完全攻略」への寄稿およびXでも継続的に情報発信を行っている。「AI時代の生存戦略は資格や肩書きではなく、実際に手を動かしコミュニティと共に成長することにある」という言葉に感銘を受け、積極的にコミュニティ活動に取り組んでいる。
X/Twitter:@beagle_dog_inu
河村大輔
AI活用に長けたフルサイクルエンジニア。前職では生成AIの業務導入を担当し、エージェンティック開発プロセスの現場展開や、マルチモーダル技術を活用した社内システム開発を推進。年間数千万円のコスト削減を実現した。数万行規模のスマートフォンアプリをCodexを用いて3週間で開発・リリースした実績があり、本書では、その際に実践したCodex活用手法を解説する。
X/Twitter:@Gemini_kawa