C言語学習の定番書として大学や専門学校で長く読み継がれている『はじめてのC』。初版が世に出たのは1985年と、四半世紀以上前になります。そこから改訂を重ね、現在は第5版が発行されています。
ここでは、コンピュータ書では異例ともいえる超ロングセラー『はじめてのC』について簡単にご紹介します。
- 第1章 C言語入門
- 第2章 データ型
- 第3章 演算子
- 第4章 制御の流れ
書店にはC言語の入門書がたくさん並んでいます。手取り足取り説明してくれる「超入門」も数多くありますが、そういった本の弱点は「次はどの本を読めばいいのかわからなくなる」ということです。超入門書と次のレベルの本の間には難易度に大きなギャップがあるため、学習者が次のステップに進むときに足踏みしてしまうのです。
『はじめてのC』は、初級レベルにとどまらない内容を多く含んでいます。本書を読み終えたあとでは、次の本のレベルの高さに愕然とする、ということにはならないはずです。
- 第5章 関数
- 第6章 配列とポインタ
- 第7章 構造体と共用体
『はじめてのC』には129もの例題プログラムが収録されています。単に画面にアルファベットを出力して終わりといった類のものではなく、ダンプや標準入出力、進数などを例題プログラムのテーマに盛り込んでおり、C言語を学びながら基礎的なコンピュータサイエンスについても理解を深めることができます。
C言語を学ぶ方にはおなじみの関数を「標準関数」としてまとめています。おもしろいのは「低水準入出力関数」です。低水準入出力関数とは、パソコンのC処理系が備えているもので、OSに近いところでファイル入出力を実現する関数のことです。
この低水準入出力関数まで取り扱っている本は現在ではめったにお目にかかれないでしょう。この低水準入出力関数の説明は、いますぐに必要になるといったものではありませんが、今後C言語の学習を続けていくときの一助となる資料的価値のあるものです。
単なる入門書にとどまらない『はじめてのC』。皆さんのC言語習得のパートナーに迎えてみてはいかがでしょうか。