ご存じのように、コンピュータはソフトウェア(プログラム)がなければ使うことはできません。現在はワープロ、表計算、プレゼンテーション、画像処理、ネットサーフィン、電子メール、スケジュール管理など、あらゆる用途向けのソフトウェアが氾濫しています。プログラミングを趣味とするユーザーが多かった昔と違い、現在のパソコンユーザーは自分でプログラムを開発する機会がほとんどなくなりました。
そのためか、最近はIT企業の新入社員の中にも、自分でプログラムを開発した経験がない人が増えています。そのような人が「プログラマ」として配属され、新人研修でプログラミングを一から勉強させられるのです。ちょっとしたプログラムを趣味で作るというならいざ知らず、プロとしてお金をいただくプログラマを目指すのですから簡単ではありません。そんな新人さんたちにプログラミングのイロハを教える側の苦労も、当然ながら並大抵ではありません。
本書はそのような新人研修の講師を長年務めてきた著者がまとめた、プロのプログラマが身につけておくべき基礎知識の集大成です。コンピュータの基本的な仕組みからはじまり、2進数や16進数、アセンブラ言語、高級言語、アルゴリズム、データ構造……など、『プロのプログラマを目指すためには、どんな知識をどのような順番で身につけたらよいか?』を体系的に理解できるよう解説しています。ベテランプログラマが壁にぶつかった時、『プログラマとしやっていく上で、これまで自分が見落としてきた知識はないだろうか?』と振り返る際にも本書は役に立つでしょう。
どんなに新しい技術が登場しても、プログラマに必用な基礎知識はそう変わるものではありません。本書に従って勉強した知識は、プログラマにとって一生の財産になるはずです。