4種類のエディション
Windows Vistaは次の表のように4つのエディションが販売されています。家庭用のパソコンでは、音楽・映像ツールが充実しているHome PremiumまたはUltimateがお勧めです。家庭内に2台以上のパソコンがある場合は、最もスペックが高い1台にはすべての機能を備えたUltimate、それ以外はHome Premiumをインストールするという使い分けも便利です。仕事用のノートパソコンでは音楽・映像関係のツールは使わないので、セキュリティやネットワークの機能が充実したなBusinessがよいでしょう。
Windows Vistaの4つの特徴をまとめると、以下のようになります。
表 Windows Vistaのエディション(マイクロソフトのWebサイトから抜粋)
機能 Home Basic Home Premium Business Ultimate
操作・環境 Windows Aero(※1) ○ ○ ○
Windowsフリップ3D(※1) ○ ○ ○
Windowsフォトギャラリー ○ ○ ○ ○
Windowsサイドバー ○ ○ ○ ○
Windows転送ツール ○ ○ ○ ○
セキュリティ Windows Defender ○ ○ ○ ○
バックアップと復元 ○ ○
シャドウコピー ○ ○
暗号化ファイルシステム ○ ○
ドライブ暗号化(WindowsBitLocker) ○ ○
音楽・映像ツール Windows Media Center(※2) ○ ○
Windowsムービーメーカー ○ ○
Windows DVDメーカー ○ ○
ネットワーク・モバイル 同期センター ○ ○ ○ ○
モビリティセンター △ △ ○ ○
ミーティングスペース △(※3) ○ ○ ○
Windows Tablet(※2) ○ ○ ○
リモートデスクトップ △(※4) △(※4) ○ ○
ドメイン参加 ○ ○
○対応 △一部機能のみ利用可能
3つの販売形態
大きく分けて、Windows Vistaには3つの販売形態があります。パソコンショップで販売されている「通常版」 、メーカー製パソコンに最初からインストールされている「OEM版」 、特定のパーツ(CPUやマザーボード、メモリ、ドライブ類など)とセットで販売される「DSP版」です。
手持ちのパソコンにWindows Vistaをインストールする場合は、通常版かDSP版を購入することになります。通常版のWindows Vistaは最初にインストールしたパソコン上から消去すれば、別のパソコンにインストールして使うこともできます。一方、DSP版はセット購入したパーツと一緒に使わなければならない、マイクロソフトのサポートは受けられない(Windows Updateは可)という制約があります。そのかわり格安(通常版のほぼ半額)で購入できるのが魅力で、自作パソコンユーザーの大半はDSP版を使用しています。
通常版、OEM版、DSP版の違いは、簡単に言うとライセンスの対象の違いです。「 通常版はユーザー本人、OEM版は最初にインストールされていたパソコン本体、DSP版はセットで購入したパーツに対してライセンスがついている」と考えるとよいでしょう。
なお、Windows Vistaは内部構造の違いによって32ビット版と64ビット版の違いがあります。現状では64ビット版Windows Vistaのメリットを生かせる環境が整っておらず、一部のアプリケーションやドライバが動作しないなどのデメリットのほうが大きいため、特別な理由がなければ32ビット版を使うほうがよいでしょう。