新刊「Eclipse実践開発入門――Java・オープンソース開発・Eclipse3.2」の著者、河村嘉之氏、松前健太郎氏、川尻剛氏から、本書の発売を記念し、コメントをいただきました。
Eclipseとは何か?
この問いに対して、いろいろな答えがあると思います。
1つにはJavaプログラム開発のためのIDE、もう1つはプラグインアーキテクチャによる拡張可能なアプリケーション環境。そのような切り口で書かれた本は多数出ています。一方、Eclipseはバージョンを3.xに上げる過程において、従来のJavaエディタからより多くの範囲をサポートする開発環境へと成長しています。たとえば、JavaでWebアプリケーションを開発するとしても、このような周辺のプロジェクトを押さえるととても効率よく開発を進めることができます。本書は、このような部分にライトを当てようと思い、作成しました。
皆さんの開発現場で本書を役立てていただき、より効率の良い開発を進めていただけたら幸いです。
(河村嘉之)
自由自在にEclipseを使いたい!
Eclipseといえば「Javaプログラムの開発環境」というイメージを持つ方も多いと思います。しかし、EclipseはもはやJavaだけではなく、C、C++、JavaScript、ruby……などと言ったさまざまな言語の開発環境として成長しています。さらに、プログラミングだけではなく、ソフトウェアの品質管理、構成管理、バグ管理など、ソフトウェア開発プロセスにおけるあらゆるフェーズでEclipseが活躍するようになって来ました。
しかし、これだけEclipseが高機能になってくると、全ての機能を完全に把握するのは困難です。そこで本書では、単なる機能の網羅ではなく、筆者らが実際のソフトウェア開発で得た経験をもとに、数多くの機能の中から開発現場で使える機能を厳選し、Eclipseを100%活用するための術を解説します。
本書では大まかに以下のような流れで解説を進めていきます。
- Eclipseの概要と導入手順
- JDTによる効率的なJava開発
- ソースコード管理・自動ビルド環境の構築
- WTPによるWebアプリケーション開発
- TPTPによる品質管理
- Eclipseによる次世代開発(AspectJ、JSF、Ajax、JPA)
さらに付録として、Eclipseの各機能を活用して実際に動作するサンプルWebアプリケーションを開発するための実践手順、さらにEclipseをマスターするには欠かせないキーボードショートカットについても解説します。
本書を通じてEclipseの活用方法をマスターし、効率のよいソフトウェア開発の実践を目指してください。
(松前健太郎)
初心者から達人まで懐の深いEclipse
著者が、はじめてEclipseに触れたのは5年ほど前のことだったと思います。
当初から非常に使い勝手が良いツールで、導入から間もなく必須のツールとなっていきました。
しかし、当時のEclipseは、コーディングの機能が重視されており、テストやプロファイリングといった品質管理の機能に弱い面がありました。そのため、Eclipse以外のテストアプリケーションを併用する必要があり、どのように運用していけばいいのか非常に悩んだものです。
現在のEclipseは、アプリケーションの共通プラットフォームとして進化し、単体テストから、UIテスト、さらにはプロファイリングまで、統合的に実施できるようになっています。
本書では、Eclipseでの基本的な利用方法に加えて、テストやプロファイリングといった品質管理の機能も解説しています。はじめてEclipseに触る方はもちろん、これまで活用されてきた方にも参考にして頂ければ幸いです。
(川尻剛)