『はじめてのC』20年以上にわたって高く評価され続ける理由

累計30万部を誇るC言語入門の定番中の定番『ANSI C対応 はじめてのC』が6年半ぶりに改訂されました。主に大学や高専、専門学校などの教育機関で高い評価を受けている『はじめてのC⁠⁠。その評価されているポイントを、ここでは3つに絞ってご紹介しましょう。

入門書で終わらない入門書

書店にはC言語の入門書があふれています。手取り足取り説明してくれる「超入門」も数多くありますが、そういった本の弱点は「次はどの本を読めばいいのかわからなくなる」ということです。超入門書と次のレベルの本の間には難易度に大きなギャップがあるため、学習者が次のステップに進むときに足踏みしてしまうのです。

『はじめてのC』は、初級レベルにとどまらない内容を多く含んでいます。本書を読み終えたあとでは、次の本のレベルの高さに愕然とする、ということにはならないはずです。

例題プログラムでコンピュータを理解

『はじめてのC』には129もの例題プログラムが収録されています。単に画面にアルファベットを出力して終わりといった類のものではなく、ダンプや標準入出力、進数などを例題プログラムのテーマに盛り込んでおり、C言語を学びながら基礎的なコンピュータサイエンスについても理解を深めることができます。

低水準入出力関数まで網羅

低水準入出力関数とは、パソコンのC処理系が備えているもので、OSに近いところでファイル入出力を実現する関数のことです。

私の知るところでは、この低水準入出力関数まで取り扱っている本は知りません。少なくとも、ここ1、2年の間に出版されたC言語本には掲載されていない情報です。この低水準入出力関数の説明は、今すぐに必要になるといったものではありませんが、今後C言語の学習を続けていくときの一助となる資料的価値のあるものです。

それ以外にも今回の改訂では、初心者の方が入りやすいように図解を多数掲載、つまずきやすいポインタ、関数についても説明を充実させました。単なる入門書にとどまらない『はじめてのC』で、C言語学習のステップを着実にのぼっていってください。