長い目で為替相場を見る

この原稿を書いている3月10日現在、1ドルは約102円と、米ドルに対して円高が進んでいる。ここ10年来での米ドルの最安値が約101円なので、歴史的な円高状態といってもいいだろう。この急激な円高の背景には、米国のサブプライム問題がある。ただし、サブプライム問題自体は昨年からいわれていたことだが、円高が急激に進んだのは2008年に入ってから。2007年末から2カ月ほどで10円も下がっている。この時期にこれほど激しく動くことをどれだけの人が予想しただろうか。

FXで運用益を上げる方法は大きく分けて2種類ある。ひとつは為替差益を狙う方法で、もうひとつは通貨を持ち続け、金利(スワップ)を狙う方法だ。FXに限らず、インカムゲインを狙うよりキャピタルゲインを狙った方が、儲けは大きいといわれている。ただし、短期売買で儲けを出すには、常に相場をチェックし、情報を収集し、テクニカル指標などを使いこなす必要がある。そうしたことをしないで売買するなら、ギャンブルとほとんど変わらない。

一方、スワップ狙いのFXでは、3~5年から10年の長い期間で相場を読み、低いレバレッジ(3倍程度)で、スワップの複利効果を狙う。相場を読むというより、リスクとリターンのバランスを取るという方が正しいかもしれない。レバレッジ3倍程度でも、代表的な高金利通貨であるトルコリラや南アフリカランドなどでは、年に20%程度の金利がつくことになる。金利も為替も変化するが、20%の金利なら、3年半ほどで資金が倍になる計算だ。

短期売買に比べると随分気の長い話に思えるが、その分、売買回数や情報収集が必要なの頻度も少なくなるので、本業を持っていて、FXにあまり時間を割けないという人でも無理なく運用することができるのだ。