ウェブ⁠プロジェクトに迫る革新の

PMBOKとは?

大規模化の一途をたどるシステム開発の分野においては、体系立ったプロジェクトマネジメント(以下、PMと略)の導入が一般的となりました。その中核となる知識にPMBOK(=Project Management Body ofKnowledge)があります。

「PMBOK」とは、アメリカの非営利団体PMIがまとめたPMについての知識体系です。そもそもPMのノウハウの体系化は1950年代にアメリカの国防総省による取り組みが始まりとされており、その流れを組む「PMBOK」は、事実上PMのスタンダードとして世界中で受け入れられています。ここで取り上げているWebプロジェクトマネジメント標準は、この「PMBOK」をベースにウェブのPMについてまとめています。

ウェブにPMBOKの導入は可能?

ウェブサイトの構築をはじめとするウェブ・プロジェクトにPMBOKの導入を考えた人はあまりいませんでした。いずれのプロジェクトもクリエイティブな要素が不可欠であり、そのような業務がマネジメントの対象になるという発想さえ出てこなかったのかもしれません。

本書の著者らは、その点、とても卓越した洞察力を持っていたと言えるでしょう。ウェブのプロジェクトへのPMBOK導入という試みを早くから行い、現実に日々の生産性向上に結実させています。

PMBOKは、ありとあらゆるプロジェクトに適用できるように厖大な知識が体系化されており、例えば建設やシステム開発といった分野の大規模なプロジェクトも吸収できるものなのですが、ウェブに必要な要素を的確に取捨選択することによって、本書のような知識にまとめあげることが可能になったと言えます。

なぜPMが必要か?

これからウェブのプロジェクトではPMが必須になることが予想されます。その合理的な理由がいくつかあります。

  1. ウェブの世界では技術が日進月歩で進化しており、定常的な業務がほとんど存在しない。つまり、ほとんど全ての業務がプロジェクトである。
  2. そのつど生まれるプロジェクトでは既存の知識ややり方が通用しなくなっている。リスクも大きくなり、PMが求められるシーンが多くなる。
  3. 最先端のプロジェクトでは、各分野のエキスパートによるコラボレーションが必須となっている。即席のチームを円滑に効率よく稼動させる必要がある。

ぜひ、ウェブのプロジェクトに携わるすべての人に、本書を一読していただきたいと思います。