知っていそうで実は理解できていない身の回りのものについて、写真や図、イラストをふんだんに使って、マニアックかつ学術的に解説するのが本シリーズ「しくみ図解」です。どんなことにもより深く知っておきたいという好奇心の強い方には特にお勧めです。今回『新幹線が一番わかる』『医療機器が一番わかる』『電気が一番わかる』の3冊が刊行されました。ぜひお手にとって読み進めてください。これまで知らなかったことがすらすらと理解でき、知識が豊富になること請け合いです。
懐かしの機種から最新型まで新幹線のすべてがわかる
『新幹線が一番わかる』井上孝司著
速度から乗り心地を含め次々と改良されていく新幹線。この新幹線の車両、モーター、ブレーキなどのしくみを解説します。また、昔の機種から最新機種に至るまでの流れや、駅の秘密や得する座席の位置など、新幹線に関するさまざまな事項をあらゆる角度からマニアックに検証します。
こんなに進化している医療現場の最新機器
『医療機器が一番わかる』岡田正彦著
病院で診察をうけるときや健康診断などで使われるさまざまな医療機器は、どんなしくみになっていて、どんなふうに私たちの体の状態を判定しているのでしょうか? 気になりますよね。本書はこうした医療機器にスポットをあてて最先端の医療機器のハイテクぶりを紹介します。
最近は、ほとんどの医療機器がコンピュータでコントロールされていますが、こうした機器はいったい体の情報をどのように検出しているのでしょうか。
身近なところで体温計を例にとってみましょう。今は水銀の体温計に変わって電子体温計が使われ始めていますが、この電子体温計には温度が変化すると電気の流量が変わるサーミスターという素材が体温の検出に使われています。その信号を温度に換算して、予測式で10分後の体温を計算しています。これは、予測の技術もさることながら、温度を測る超小型の新素材が開発されたことで、有害な水銀を用いずに体温がはかれるようになったのです。
また、最近は痛くないということを注視した機器が開発されています。そのひとつがカプセル内視鏡です。大きさや機能はいろいろありますが、小さいものは9×23ミリくらいのサイズで、その内部にはCCDカメラ、光源ランプ、送信回路、電池などが搭載されており、口から飲み込んだあと、8時間ほどで便とともに排出されます。その間、1秒に0.5~2コマの割合で撮影を行い、無線で体外に送信するというしくみです。カプセルを飲むだけで、体の内部が調べられるなんて、映画『ミクロの決死圏』みたいじゃないですか。
このように、医療機器はより精密に、より人体に優しくなってきています。本書は医療現場で使われている機器を一般の人向けにわかりやすく解説しています。この本を読めば、最新の医療機器がどこまで進んでいるのか理解できるとともに、健康についての基礎知識を得られます。メタボ健診も気になる今日この頃、ぜひ一読ください。
身近な家電製品から学ぶ電気のしくみ
『電気が一番わかる』福田京平著
私たちの生活に欠かせない電気。普段は何ら疑問も抱かずに使っている電気について、皆さんはどこまでご存知でしょうか。本書は、電気の原理について、身のまわりにあるさまざまな家電製品を通して、わかりやすく解説します。きっと電気の楽しさ、おもしろさを感じ取っていただけると思います。もちろん初学者だけでなくさまざまな分野の方にも十分有益な1冊です。