都市生活者でも“農園生活”体験できる 週末ファーマーから始めよう!

農業に縁もゆかりもない都会の人が就農を考えたとき、いったい何から始めることができるのでしょうか。

都会のサラリーマンから新農民へ!

今、サラリーマンの間で「農業」が静かなブームになっています。21世紀の大きな潮流であるエコロジーがブームの根底にあるともいえますが、景気の悪化、グローバル化した経済への不安感が、⁠農」という自然への回帰を促しているのかもしれません。

また昨今の「食の安全」への信頼のゆらぎは、多くの人の食に対する認識を変えつつあります。

自然志向・エコロジー志向は、有機食品宅配サービスなどの消費動向や流通の変化を生み出し、行き着くところは「自分の手で自分の口に入る物を作りたい」という方向へ向かっているようです。現に、行政や農協などが運営・管理する市民農園では登録希望者数が急増しており、農業への関心の高さをうかがい知ることができます。

しかし、都市生活者にとって「農業」は、とりわけ敷居が高い分野のように思えます。家庭菜園のレベルではない専門知識とプロの技術を得るためには、いったいどうすればよいのか…と、皆目検討がつかないものです。また「⁠⁠肉体的・精神的に)大変なのではないか」という先入観もあり、未経験で飛び込むには難しいと思われる分野かもしれません。

「仕事として」農業を始めてみたい。しかし、未経験だし知識もない。そんな人は増えているのではないか。

そういった思いがこの本(⁠⁠新農民になろう!-就農計画の設計と実例-⁠⁠)を作るきっかけとなりました。

体験できる場所は近くにある!

興味を持って扉をたたいてみれば、素人からでも就農への道は開かれています。農業体験は全国で行われていて、調べてみれば貴方の住む町でも行われているかもしれません(例:東京都練馬区の農業体験農園⁠。

また、プロの栽培技術に触れてから就農を考えてみたい人にとっては、技術指導付きの「援農ボランティア」という選択肢があります。

今までの「援農」は、単に繁忙期の農家の人手不足を解消する側面が強かったのですが、今は(特に都市部では)⁠体験学習」として援農にかかわってもらうことで、就農サポートにもなる、という「援助する側される側の両者が得する」システムになっています 東京農業webサイトの農業ボランティア養成講座⁠。

動機はなんでも構わないのです。とにかくやってみましょう! ⁠農」はアタマで考えるものではなく、身体で感じるものなのかもしれません。まずは、週末の農業体験から始めてみるのはいかがでしょう?

東京都農林水産振興財団の援農ボランティア養成事業「東京の青空塾⁠⁠。座学2回、体験実習10回、現地視察研修ののち、多摩地区の農家にボランティアとして配属されるシステム
東京都農林水産振興財団の援農ボランティア養成事業「東京の青空塾」。座学2回、体験実習10回、現地視察研修ののち、多摩地区の農家にボランティアとして配属されるシステ