身近に転がっている疑問から広がる科学の世界

  • 花火は飛行機から見るとどんな形をしているのかな?
  • いろんな色の石けんでも、なんで泡は白なのかしら?

日常生活でふと「これって科学なのかな?」と感じる現象、ありませんか?

こんなとき、わからないと思ったらすぐに質問できるのが、QAサイトの良いところ。珍問・奇問でも、答えてくれるのがQAサイトの良いところ。一方で、珍回答が載っていたりする場合も…。

本書では、人気QAサイトOKwaveに寄せられた科学系の質問を、専門家が改めて掘り下げて回答しています。2つの回答を比較して読むのも面白いかもしれません。

編集の都合上言い回しを変えている部分もありますが、原文では質問者の方々は一様に「こんな質問で恥ずかしいのですが…」⁠くだらなくてごめんなさい!」と、なぜか謝りながら疑問を投げかける傾向があります。きっと、⁠こんなしょーもないこと」と思っているんでしょうね。

でも、例えば、

  • うまい棒の強度が物理の断面2次モーメントと関係しているなんて誰が思うでしょう?
  • アルミホイルをかんだときのあのイヤな感じと化学電池との関係も予想できますか?

そう、なんとなく身近に転がっている疑問は、実は科学の本質を突いているのです。

ぜひ本書を手にとってみてください。身近な質問から展開される科学の世界に引き込まれることでしょう。

監修者・左巻先生へのQA

タイトル名にも入っている、監修者の左巻先生にいくつか質問をしてみました。

Q:シリーズはどんな人にお薦めですか?

A:好奇心を失わない人。読者として一番想定しているのは理科好きな人だが、学校の物理や化学におもしろさを感じなかった人にも読んで貰いたい。

学校の物理や化学の、本当の応用問題を解いてみるという感じ。本書は、科学の目で日常の事象を見るという具体例になっていると思う。

科学的なセンスをみがいていないと、ついつい「科学的な雰囲気をもったニセ科学」にだまされて大金を失ったりするからね。

Q:サイエンス好きになる秘訣は?

A:サイエンスの世界はあまりにも広い。ミクロでは素粒子から、広大な宇宙までを対象としている。だから全部わかるということは考えなくてよい。それでも、多々ある学問のなかで土台が一番しっかりしているのがサイエンス。実験による検証や予測性もある。わからなくてもよいから本書のような本を読んで科学的なセンスはみがいてほしい。結局、それが好きになる秘訣だと思う。

監修者プロフィール

左巻健男(さまきたけお)

法政大学生命科学部環境応用化学科教授。東京大学教育学部付属中・高等学校教諭、京都工芸繊維大学教授、同志社女子大学教授などを経て現職。専門は、理科教育(科学教育)、科学的リテラシーの育成。月刊『RikaTan(理科の探検)』(文一総合出版)編集長、JST科学コミュニケーション推進会議委員、中学校理科教科書編集委員・執筆者(東京書籍)。著書に『大人のやりなおし中学化学現代を生きるために必要な科学的基礎知識が身につく(2008)』『大人のやりなおし中学物理現代を生きるために必要な科学的基礎知識が身につく(2008)』(以上、ソフトバンククリエイティブ)、『水はなんにも知らないよ』(2007、ディスカヴァー・トゥエンティワン)『知っておきたい 最新科学の基本用語』(2009、技術評論社)などがある。