血液検査のツボ

「血液検査」といわれてイメージするのは、働いている人なら定期健康診断や人間ドックで行われる血液検査だろう。このほかに献血をしたときに行われる血液検査、何か病気の自覚症状があって病院を訪れた際にされる血液検査がある。また、最近では自分で検査ができる血液検査キットも売られている。

血液検査は健康状態のチェックや病気の発見と予防、病気の治療を目的に行われる。ただし、ガンや認知症といった血液検査ではわからない病気もあるので、注意が必要だ。

血液検査の結果には、その人の測定値とともに、基準値が書かれていることが多い。この、血液検査の基準値はどう決められているかご存知だろうか? たとえば、お酒を飲みすぎると数値が高くなるγ-GTP。男性では12~65が基準値とされているが、実はこの値、いろいろな人の数値を取って、健康人の95%が属する範囲を目安に決められているのだ。

つまりこの基準値は統計的に決められているもので、ある数値を超えていたら異常だ、という基準があるわけではない。この基準値内でも病気や異常があることもあり、基準値外でも健康または正常の場合もある。また、検査方法の違いにより、施設によって基準がバラバラの項目もある。

そこで重要になるのが、検査項目を総合的に判断すること、そして定期的に検査することで経過を観察することだ。前者については言わずもがなだろうが、後者も非常に重要だ。統計的には外れた数値であっても、個人の数値は異常がなければそれほど変化はしない。逆に大きな変化があれば、何か異常があると判断できる。そこで、最初に述べたような健康診断のような定期的に血液検査をすることが有効となる。また、1回1回の数値にこだわるのではなく、前回前々回の数値と比較して判断するのが重要だ。