間取りのつくり方って?
間取りを自分でつくった住まいにすむことは、誰もが夢見ることではないでしょうか。しかし、現実はほとんどの方がプロ(ハウスメーカー・工務店)の提案した間取りに住んでいます。時間が無いことや難しい建築法規が壁になるのでしょう。「間取りのつくり方」というマニュアル自体がほとんど業界に存在しません。大手ハウスメーカーは研修が充実していますが、それでも住まいに対する考え方や蘊蓄(うんちく)は学ぶものの、間取りをどういった順序でつくるかは、ほとんど存在しないといっても過言ではありません。
素人だからこそ、無理をせず丈夫で住みやすい家がつくれる
本書は、間取りのつくり方を考えるときに、太陽の方位と部屋の相性を、家相研究家・間取り研究家として、20,000件を超える間取り相談を受けた筆者が導き出した、「家の間取りを家族だけでつくりたい」という願いを叶えるため、間取り術のコツを分かりやすく解説しています。
「そんなことができるのだろうか」と思いとどまってしまう人も多いかと思います。しかし、現在はパソコンソフトを利用することで、いとも簡単に間取りをつくれるようになっているのです。建築に携わるハウスメーカーや工務店などの業者側こそ、この一変した状況を知りません。業者でもいまだに、方眼紙に手書きで間取りを書いて提案する人もいるようです。
採光が確保できない部屋でも、光が十分入る部屋を隣接させて、採光を確保できるテクニックなど、家を作るうえで役立つTipsを紹介します。
パソコン用間取りソフトを活用し、家族のアイディアを実現しよう
業者が使う設計ソフトは数百万円もする高額なものですから、1万円前後のパソコンソフトで何ができるのかと思っているプロは多いのです。ところが、初期段階の打ち合わせでは、遜色がないどころか、より高度な性能をすでにパソコンソフトはもっているのです。
プロが使用する高額なソフトは、平面図に柱、窓などの詳細な部分が表現されます。しかし、施主側は、こと細かな表示よりも、おおざっぱな間取りや、立体的な表示をまず見てみたいものなのです。
ここに、業者と施主の、間取りや住まいづくりの考え方の温度差があり、さまざまなトラブルが起きる要因があります。1,000万円以上の高額商品である住宅を、わずか1万円程度のソフトで「満足度を高めることができる」「さまざまな失敗を防ぐことができる」のだとすれば、安いものではないでしょうか。昔であれば、不可能であった間取りづくりがパソコンソフトを利用することでいとも簡単にでき、しかも、3Dで立体確認もできます。プロとのさまざまな認識の違いがトラブルにもなる家づくり。そんなミスも防止できるでしょう。
パソコンソフトを利用して2Dで作成した間取りを、3D表示して外観と内装をチェックすることができます。
本書を読んだ後に、間取りを家族だけでつくれなかったとしても、プロが提案した間取りをパソコンソフトに入力して、3Dの立体的な確認や、家具レイアウトや、外壁の色確認などに利用すれば、十分すぎる価値があるはずです。
ぜひ、本書で得た知識を元に間取りづくりにチャレンジしてみてください。素敵な住まいができるはずです。そして、もうひとつ大切なことは、家族だけですべてやろうとは思わないことです。本書で紹介している方法は、業者を上手に活用するための手段でもあるのです。
- プロフィール
小池康壽(こいけやすとし)
大手住宅メーカー全国トップセールスの記録を持ち、リクルート、SUUMO、ハウジングナビなど、住宅系サイトで圧倒的なアクセス数を誇る。9回の家づくり住まい購入の経験、20,000棟を超える間取り相談など、経験に基づく内容に定評がある。体内時計を安定させ、質の良い睡眠が得られる家づくり(ハウスサーカディアン:商標登録)を実兄の睡眠専門医師、小池茂文と提案。
古来から伝わる家相の占い的な考えを切り捨てる現代家相学の「巨匠=マエストロ」として、毎日放送「となりのマエストロ」に出演。MBSラジオ、FM愛知など現在2本のラジオ番組を担当し、東海大学工学部建築学科特別臨時講義講師を勤める。
ホームページ:http://www.kasou.org/
著書