日本でも急成長するか!? 成否を占う2011年
2011年初めから猛烈に盛り上がりつつあるFacebook。CEOのマーク・ザッカーバーグが米TIME誌での「Person of the Year 2010」に選ばれ、創業者たちをモデルにした映画「ソーシャル・ネットワーク」はアカデミー賞で編集賞・脚色賞・作曲賞の3部門を受賞。映画は「ザッカーバーグ、だれ?」って人でも十分に楽しめる作品でしたが、知っている人はもっと面白かったはず。この映画がヒットした前提には、Facebookが世界ですでに6億人を超えるユーザーを獲得しているという背景があります。
2011/3/1時点の日本のFacebookユーザー数は255万人で、1月から急激に伸びている
出展:socialbakers
しかし、日本では200万ユーザーと正直なところまだ成功しているとはいえません。SNSとしてはすでに老舗といえる2000万ユーザーを抱えるmixiがありますし、携帯ユーザーにはGREEがあります。2009年後半から爆発的に普及したTwitterは従来になかったサービスでしたが、同じSNSならFacebookに乗り換える積極的な動機がないでしょう。好奇心から登録してみても、まだ友人も少ない。そっけないページデザインで、自分がどこにいるのか、どう操作するのかもよくわからないという声も多く聞きます(事実そうです) 。
Facebookをやるかどうかは、最大の特徴である実名システムに価値を見出せるか否かです。ハンドル名で登録できなくもありませんが、公式には認められていません(アカウントを停止される場合もあります) 。ひとことでいえば「すべての個人が顔出しする時代がやってきた」ことに同調するかどうか。ネットで顔出ししてバリバリやって行きたい人はFacebookをやる意味はあるし、その必要を感じない人はあまり意味がないかもしれません。
Facebookではツイッターのようにだれかれかまわずフォローしたり、フォロワーを増やすということも推奨されず、リアル知人だけのネットワークです。とすると、「 リア充」向けSNSと言い切れなくもありません。
Facebookに必要なのは自己プロデュース能力
ただし、本名・顔出し上等の人としても(だからこそ)ホンネとタテマエの使い分けは必要です。タテマエはFacebook、ホンネは2ちゃんねるあたりと使い分けるのが、フツーに裏も表もある一般人の使い方でなはいでしょうか。
つまり、Facebookには「人に見てほしい顔」を自分でプロデュースする能力が不可欠になります。自分で自分のブランド価値を高めるように情報を操作する。これを「セルフブランディング」と呼ぶわけです。いまでもTwitterやmixiで不用意な言動で炎上している人がいますが、こちらはIDを捨てればまだなんとかなる(かもしれない)可能性があるのに対して、Facebook上のアカウントはあなた自身と同一視されるネット上の人格です。それが万が一にも炎上したら、考えるだに恐ろしいことに……。
それをわかった上であれば、Facebookのタテマエの世界も意外と悪くありません。まずビジネスにつながる話が非常にスムーズに進みます。仕事に必要なプロフィールは、コンタクトを取る前にFacebook上ですべて取得できます。しかも、相手のリアルな人間関係によって担保されているため、本人の誇張かどうかも判断できます。
Facebookは個人の活躍の場を拡大するのに極めて有効なツールです。ビジネスに限らず、なんらかの「野望」がある人は、いますぐ始めるべきでしょう。Facebookでセルフブランディングを着実に重ねていけば、確実に夢の実現に近づけるはずです。とはいえ、ブランドは一朝一夕ではできません。自分が「こう思われたい」という情報を積み重ねていくための戦略的な情報マネジメントが必要になります。これからまっさらな状態でFacebookをはじめるなら、ぜひひとつ上の自分を目指す心構えで乗り出してください。