FreeBSDとは
FreeBSDは、「BSDライセンス」と呼ばれるオープンソースライセンスのもとで公開されているオペレーティングシステム(OS)です。UnixというOSに似た仕組みや操作性を備え、「Unix系OS」などと呼ばれることもあります。
FreeBSDは、とくに安定性や安全性を重視して開発が続けられてきたOSで、古くからインターネット関連サーバで使われ続けてきた実績があります。初めて公式にリリースされた1993年から約20年が過ぎた現在も、さまざまなサービスを提供するサーバやネットワーク機器など、幅広い用途で利用されています。また、Unix系OSの操作や構造を学習するための教材の1つとして利用されることもあるようです。
FreeBSDの魅力
BSDライセンスに基づくオープンソース
FreeBSDの魅力の1つは、ソースコードが公開されたオープンソースソフトウェアである点です。FreeBSD使用者は、自由にソースコードを入手し、無償で利用することが可能です。さらにBSDライセンスは制約が少なく、ソースコードを自由に改良して使うことができるのはもちろん、独自に改良した箇所のソースコードを公開するかどうか選ぶ自由もあります。
もちろん、他のUnix系OSと同様に、さまざまな開発者向けツールが無償で提供されています。単にOSを使うだけでなく、いつでも開発する側にまわることができる楽しみがあります。
柔軟なソフトウェア管理システム「Ports Collection」
特徴的な機能として、ソフトウェア管理システム「Ports Collection」を挙げることができます。Portsは、さまざまなソフトウェアをソースコードから手軽にインストール可能にする仕組みです。どのようなソフトウェアであっても同じ手順でインストールでき、システム管理の手間を大幅に減らせます。
あらかじめビルド済みのバイナリを使ってソフトウェアを導入する「Packages」システムも充実しており、用途に応じて使い分けると良いでしょう。
マルチコア時代にふさわしい高い性能
FreeBSDは、早い段階からマルチプロセッサ/マルチコアへの対応を積極的に行ってきた歴史があります。そのため、現在主流のマルチコアCPUの持つ性能を十分に引き出すことのできる力を備えています。
新しい技術の取り込み、実装
FreeBSDは、安定性を重視するだけでなく、新しい技術の導入にも積極的です。とくに開発版(CURRENTバージョンやSTABLEバージョンなどの種類があります)と呼ばれるバージョンには、さまざまな新機能・新技術が取り込まれ、日々改善されていきます。もちろん開発版の使用にはリスクがつきものですが、使用者のスキルに応じて選択の幅が広がる魅力があります。
もちろん、安全性や堅牢性をより重視したバージョンも用意されていますから、目的に応じて選びましょう。
FreeBSD 9.0-RELEASE登場
FreeBSD 9.0-RELEASEは、FreeBSD 9系の最初のリリースとなるバージョンで、2012年1月に公開されました。メジャーバージョンアップということもあり、さまざまな新機能が搭載され、各種ソフトウェアが最新のものに置き換えられています。
多くのユーザーにとって影響のある大きな変更点として、インストーラーの刷新を挙げることができます。これまで長く使われてきたsysinstall(8)インストーラーに代わり、新たに「bsdinstall(8)」が導入されました。
FreeBSD 9系から導入された新インストーラー「bsdinstall(8)」
なお、最新の9系の開発と並行して、FreeBSD 8系の開発も続けられています。おそらく、皆さんがこの文章をお読みになっている頃には、FreeBSD 8系の最新リリースである8.3-RELEASEが登場していることでしょう。
技術評論社が発売する『実践 FreeBSDサーバ構築・運用ガイド』は、FreeBSDを使ってサーバを構築・運用する上で知っておきたいさまざまなノウハウを満載した書籍です。インストール方法、基本的なサーバ管理方法はもちろん、昨今のサーバ用途には欠かすことのできない高可用性、仮想化、バックアップといったテーマについてもページを割いています。ぜひ一度手にとってみてください。