プロジェクト・マネージャの責任
企業内ではさまざまな「プロジェクト」が動いています。それは新商品を開発するプロジェクトの場合もあれば、社内のビジネス活動を支援するためのプロジェクトの場合もあります。目的や規模の違いこそあれ、職場で何らかのプロジェクトに携わったことがある人は多いでしょう。
プロジェクトを進めるにあたっては計画を立てて、目標とする品質、コスト、納期などを決めます。これらの目標が計画からずれたり、何らかの問題が発生してプロジェクト自体が頓挫したりすることを「プロジェクトの失敗」といいます。ある調査によると、システム開発のプロジェクトのうち、成功したものは全体の30%だったという報告があります。つまり、プロジェクトの70%は失敗したことになります。
プロジェクトでは会社のさまざまな資産を消費するため、プロジェクトの失敗は会社の損失になります。プロジェクトを統括するプロジェクト・マネージャは、このような事態を回避する責任があるのです。
プロジェクト・マネジメントの知識体系を活用しよう
プロジェクト・マネージャの使命はプロジェクトを成功へと導くことですが、これは簡単なことではありません。「重要なプロジェクトのマネージャに任命されたけれど、何をどうすればよいのかわからない」という経験をした人は多いのではないでしょうか? このような場合に有効なのが、プロジェクト・マネジメントの知識体系を活用することです。
たとえば、近年注目されている「PMBOKガイド」は、米国のPMI(Project Management Institute:PM協会)が監修したプロジェクト・マネジメントのための知識体系です。PMBOKガイドではプロジェクト・マネジメントを「5つのプロセス群」と「9つの知識エリア」の観点で細分化し、プロジェクトの各段階において実施するべきこと、考えるべきことを詳細に解説しています。
「はじめてのPMBOK」は“プロジェクトマネジメント力”を強化するためにはどうすればよいか、PMBOKガイドに沿ってわかりやすく解説しています。単なる解説だけではなく、架空の会社のプロジェクトを事例として紹介しているので、実務の流れを体感できます。プロジェクト・マネージャはもちろん、何らかのプロジェクトのチーム・メンバーに指名された人にもお勧めできる一冊です。