クラウド時代に⁠SIerはどう生き残ればいいのか?

いまやどんな企業にも不可欠なのが情報システム。その設計・構築・運用・保守に欠かせないのが、システムインテグレーター(SIer)の存在です。しかし、リーマンショック以降、国内の需要は先行き不透明となり、案件の規模は縮小の一途、単価も下落するばかり。工数で見積もりする一方で、納期と完成の責任を負わされるシステムインテグレーションというビジネスモデルの限界が、今かつてないほど叫ばれています。

一方で、2014年4月18日、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が発表した「IT人材白書2014」プレスリリースでは、次のような実態が見てとれます。

  • ユーザー企業が今後新規/拡大を予定している事業(SaaSサービス、PaaSサービス、HaaS・IaaSサービス(開発・提供⁠⁠、IDCサービス(ハウジング、ホスティング等)へのIT企業の関心は低い。
  • IT企業が今後新規/拡大を予定している事業(開発、運用、SI)については、ユーザー企業の関心が低い。
  • 「従来型」の受託開発以外の事業実施を行っていない(検討していない)IT企業は、受託開発以外の事業の必要性を感じていない。
  • IT企業における「従来型受託開発以外の事業を実施する人材育成状況」については、検討を行っていないと回答する企業が多い。

時代の変化に関心がない、あるいは変化には気づいていても今やっていることを変えようとしないのが現実なのです。

しかし、これまでのやり方がいつまで通用するのでしょうか?

新刊『システムインテグレーション崩壊』では、日本のIT業界の現実を整理し、これからのSIビジネスのあるべき姿、そしてポストSIビジネスへのシナリオをまとめました。SI事業者やITビジネスに関わる方はもちろん、ユーザー企業の情報システムに関わる皆さんが、IT業界の現実を正しく理解し、自分たちの未来を考えていくための参考にしていただければ幸いです。