ツワモノたちの投資
2005年くらいから投資界隈で一大ブームを巻き起こしたFX。一時は猫も杓子もFXの体でしたが、リーマンショックをはじめとした大きな相場変動の波をいくつもかぶってきたことで、いまFXに取り組む方はかなり絞られているようです。いわば、艱難辛苦を乗り越えたツワモノたちが続けている投資。
ここでは、そんなあなたに向けて少しばかり濃いめのお話をしたいと思います。
注文に手をかけるか、かけないか
NDD方式とDD方式。この言葉をご存じでしょうか?
これは、あなたが取引しているFX業者のカバー手法を表す言葉です。NDDはNo Dealing Deskの略で、DDはDealing Deskの略。「Dealing Desk」があるかないかの違いということですね。
実は、このカバー手法の違いによってFX業者の収益構造が大きく違ってくるのです。NDDでは、FX投資家からの注文をそのままカバー先に流し、人の手を介在させることなく成立させます。カバー先からの仕入値に少しレートを上乗せし、その差がFX業者の収益になります。一方、DDではディーリングデスクを設けて、ディーラーなどの人の手が介在します。
つまり、DDでは人材を配置するためのコスト(人件費)がかかっているのです。そのコストを賄って、さらに自分たちの収益につなげていくためにはどうすればいいか。
結論をいってしまうと、DD方式の業者は「相場のヘタな投資家」を見つけることが死活的に重要になります。たいがい損をする投資家からの注文はカバーすることなく成立させて、その投資家の決済注文もそのまま成立させます。結果、計算どおりに投資家が損失を出してくれれば、それはまるまるFX業者の利益になる――こういう仕組みがあるのです。
「なんだかよくわからないけど、DDはお金がかかってるから投資家にはイヤな面もあるのか。それならNDDの業者を選べばいいじゃないか?」。そう考えるのが自然ですよね。ところが、事はそう単純ではなく、NDDにはDDにはないデメリットもあるのです。
さて、こんなディープな話題をお望みのFX投資家さんにピッタリの本が新刊『FXの「ウラ側」を味方につける本』です。著者はFX業者の元役員という異色の経歴をお持ちの方。知られざるFXの世界をお楽しみください。