スマホの利用料金を節約! 格安SIMと格安スマホって何だ!?

低料金でスマホが使える「格安SIM」「格安スマホ」が話題になっています。ここでは、格安SIMと格安スマホのしくみと、なぜ料金が安くなるかについて解説します。

格安SIMのしくみ

そもそも、格安SIMの「SIM」とは何のことなのでしょう? スマホや携帯電話には、契約している回線の情報が保存されたICカードが必要です。お店でスマホや携帯電話を購入するときに、小さなICカードを本体に挿入している場面を見たことがある人もいるでしょう。これがSIMカードです。

SIMカードが挿入されていない=回線情報がないスマホでは、通信することができませんが、SIMカードを挿入することで、はじめて通信できるようになります。一般的には、ドコモのスマホにはドコモのSIMカードが、auのスマホにはauのスマホしか使えないようになっています。このようなしくみをSIMロックといいます。

このようにSIMロックがかかったスマホには、ほかの通信事業者のSIMカードは使えないはずです。しかし、それを可能にするのが格安SIMです。格安SIMを提供しているのは、MVNOと呼ばれる通信事業者です。MVNOとは、ドコモやauから通信回線を借り受けて、自社のサービスとして格安で提供している事業者のことです。実は、ドコモから回線を借り受けている事業者のSIMカードであれば、ドコモの端末で使用することができます。これは、auについても同様です。つまり、自分が使っている端末に、対応する格安SIMを挿入するだけで通信回線を安く利用することができるのです。また、格安SIMと低価格のスマホをセットで販売するケースもあり、これを格安スマホと呼んでいます。

格安SIMや格安スマホにはさまざまな企業が参入しており、IIJやぷららといったインターネット接続プロバイダーの通信事業者から、楽天やイオンなどの流通店まで、その数20社以上となっています。

スマホに挿入されているSIMカードは自由に出し入れ可能。格安SIMが利用できれば、通信料金を節約することができる
スマホに挿入されているSIMカードは自由に出し入れ可能。格安SIMが利用できれば、通信料金を節約することができる

格安SIMはなぜ安い?

では、なぜ格安SIMは安い料金でできるのでしょう? 1つの大きな理由としては、回線を借り受けていることによるコストの削減があります。MVNOはドコモやauから通信回線を借り受けているだけなので、設備投資や回線のメンテナンスは自前で行う必要がなく、ドコモショップのような店舗も不要です。新しい端末開発の必要もありません。大手通信事業者ほどお金をかけなくてもよい=利用者にその分還元できるというわけです。

もう1つの大きな理由はサービス内容の制限です。格安SIMは元々データ通信のみのプランが主流でした。音声通話を使用しない分、料金も安くなります。さらに、通信速度や決められた期間内の通信量も制限されています。MVNOはまとめて大きな単位で借り受けた回線を多くの人が使う前提で小分けにして提供しているため、ひとり当たりの通信量を制限する代わりに、安い料金での提供が可能となります。データ通信のみのプランでしたら、月1000円程度での利用も可能です。

格安SIMを使いこなすには?

格安SIMはサービス内容が制限されていると書きましたが、逆にそれほど通信しない人や、通信速度を気にしない利用であれば十分使えるでしょう。また、最近では音声通話をしたい人のために別料金での音声通話プランも用意されるようになりました。

現在ではさまざまな企業が格安SIMに参入していることもあってサービスの競争も激しく、スピードも十分速いですし、より通信する人にはちょっと高めの料金プランを用意するなど、利用者に合わせたプランが数多く用意されています。自分に合わせたプランを選択できるのが格安SIMのメリットでもあります。

そのかわり、格安SIMではケータイメールのアドレスがないことが一番のデメリットになるでしょう。ただ、これもGmailで代用したり、LINEでの連絡がほとんどであれば気にしなくてもよいという人もいるかと思います。

このように、格安SIMおよび格安スマホは、メリットとデメリットを理解したうえで使いこなす必要があります。弊社より発行している書籍格安 SIM&スマホ 100%入門ガイドでは、格安SIMと格安スマホの選び方から使い方までわかりやすく解説しています。ぜひとも参考にしてみてください。