話題のIoTを体験してみよう!

IoTって何だろう?

テレビや新聞の見出しにもなっている「IoT(Internet of Things⁠⁠。いったい何のことなのでしょうか。これは何か特定のモノを指す言葉ではなく、今までインターネットにつながっていなかったもの、たとえば自動車や家電、家具、そのほかありとあらゆるものをインターネットにつなげて連携させましょうという概念です。渋滞情報を受けて迂回ルートを設定してくれるカーナビや、スマートフォンが自宅に近づいたことを察知して先回りして部屋を冷やしてくれるエアコンなどはIoTの一種といえるでしょう。

まだIoTへの取り組みは始まったばかりですが、将来はテレビで料理番組を見ていると、冷蔵庫の中身を調べて足りないものだけを自動で通販で購入してくれる、といった時代がやってくるかもしれません。

Edisonを使うとIoTが体験できる理由

Edisonのことをご存じない方も多いかもしれません。これはCPUのメーカーとして有名なアメリカのIntel社が開発したコンピュータモジュールです。コンピュータモジュールといわれてもピンとこない方は下のを見てください。

人間がコンピュータに命令するための入力装置(マウスやキーボード⁠⁠、情報を処理するためのCPU、情報を記憶するメモリやハードディスク、結果を人間に知らせるための出力装置(ディスプレイやプリンター⁠⁠、これらすべてがそろっているのが一般的なコンピュータです。Edisonは情報を処理するためのCPUと記憶するメモリは持っていますが入力装置、出力装置を持っていません(図のオレンジのところ⁠⁠。ここにつける装置の組み合わせでバリエーション豊かなコンピュータを作れるのがEdisonというわけです。

EdisonがIoTに向いているのは自由な組み合わせを試せるだけではありません。一昔前のパソコンと同等な処理能力を持ち、インターネットにつなげるための無線LANも内蔵していながら切手サイズという小ささ、乾電池で動くという省電力性能を持っているからです。人が近づいたことを知らせるものを作ったとしてもあまりにも大きいと邪魔ですし、大きい電力が必要だとコンセントの近くなど設置場所が限られてしまいますがEdisonならその心配もありません。

Edisonを使うとどんなIoTデバイスが作れるの?

本書ではさすがに自動車などは難しいので、IoTの基本となるセンサーを使って周りの状況を調べる、何か異常があったときはスマートフォンに知らせる、センサーで調べた値をLEDやディスプレイに出力するといったことを体験できます。

たとえば、気圧センサや温湿度センサをEdisonに接続して、よくない値(室内なら浴室の開けっ放し、屋外なら雨が降りそう、など)になったらスマートフォンに通知を送る、といった作例を作ることができます。スマートフォンに通知を送るのもIFTTTとよばれるサービスを使うので、プログラミングの知識がなくても簡単に設定したり、条件を変えたりできます。

電子工作が苦手な方でも戸惑わないように配線図も充実していますので、気軽に未来の技術を体験してみてください。