Pythonはまだまだアツい!
すっかり人気の言語となって久しいPython。StackOverflowによる実態調査「2021 Developer Survey」によると、「人気のある言語」の枠でJavaScript、HTML/CSSに次いで3位にランクインしています。「好みの言語」の枠でも6位と、トップ5でこそありませんが上位です。
なぜ、Pythonはこれほど愛されているのでしょうか。
Pythonならアプリもインフラも自由自在に開発運用できる
ご存じかもしれませんが、Pythonには幅広い用途があります。まず、自動化スクリプトやスクレイピングをはじめとする、業務効率化用の小規模ツールとしての使い道があります。「シェルスクリプトをやめてメンテナンス性や可読性の高いPythonに移行した」という話はそう珍しくありません。
また、Webサービスやゲームの開発、AIモデルの実装といった大規模かつ高度な開発にも対応できます。Django、FlaskなどのWeb開発用のフレームワークや、scikit-learn、TensorFlowなど機械学習用のライブラリが充実しているため、ある程度Pythonの素養がある人であれば、それほど学習コストがかからずに、スムーズに開発できるのです。さらに、最近ではインフラエンジニアが使う事例も増えてきました。一例を挙げると、Python製のインフラ構成管理ツール、Ansibleを使いこなすためにはYAMLだけでなくPythonの習得が必要です。
まさしく、アプリもAIもインフラも、「なんでもできる」言語と言えるでしょう。だからこそ、先述の調査のように人気が高いのかもしれません。
「なんでもできる」ことの弊害も……
しかし、その一方で、なんでもできることが仇ともなり得ます。
元から用途がある程度決まっているプログラミング言語と違って、前述のとおり、カバーしている範囲があまりにも広過ぎるために、学習者は迷ってしまいます。
実際に、Pythonの入門書で基本的な文法を一通り学習し終えたあと、何をどのように学べばいいのか、現場でどのように活用すればいいのか、今一つ見当がつかない人も少なくないでしょう。
Pythonの入門書もまた、なんでもできるゆえか、Pythonの言語機能自体を解説するか、あるいはPythonの用途を解説するかのいずれか一方になる傾向があります。そのため、学習者からすると、「Pythonの言語機能と使い道の両方を気軽に学べる本がほしいなあ」などと思ってしまうものです。
スムーズに現場で使うために
『ワンランク上を目指す人のためのPython実践活用ガイド』はそのような方々のために、『Software Design』のPythonに関する過去記事を厳選して再収録しています。基本的な言語機能とその使い方に加え、自動化スクリプト、テキスト処理、そして統計学のエッセンスをバランス良く、かつ、まんべんなく学べる、いわば二兎を追った書籍です。読み終わった際には、Pythonの機能をどのように活かせばいいか、さらなる実力をつけるためにはどのように学習すればいいか、その糸口がつかめるでしょう。