【ご注意!】: 自宅周辺で制作したGPSアート作品は、個人情報(自宅)が特定されるリスクがあります。自宅周辺の作品を発表するのはなるべく控えてください。
GPSアートの秋がはじまる
秋といえば、スポーツの秋、読書の秋…そして、芸術の秋ですね。芸術といえば、スマホ片手に散歩しながらできるアート行為があることをご存知でしょうか。それがこれから皆さんにご紹介するGPSアート です。
GPSアートは、自分が移動した足跡をGPSで記録し、それを線として地上に絵を描く 、壮大なアートです。たとえば、日本におけるGPSアート界のパイオニア、Yassan(高橋康)さんは、日本列島を縦断してプロポーズメッセージ『MARRY ME』を描きました。このことが海外のドキュメンタリーを通じて世界に伝えられると、その結果「GPSアートでプロポーズする」という文化が世界中に広がることになりました。がむしゃらな愛って、本当にすばらしいですね。
図1 Yassanさん初のGPSアート作品『MARRY ME』( 2008、日本) 。「 世界最大のプロポーズ」を目指し、日本列島を駆け抜けた渾身の作! 衛星画像:国土地理院の「地理院タイル ベースマップ 写真 ズームレベル5」を使用して作成 Images on 世界衛星モザイク画像 obtained from site https://lpdaac.usgs.gov/data_access maintained by the NASA Land Processes Distributed Active Archive Center (LP DAAC), USGS/Earth Resources Observation and Science (EROS) Center, Sioux Falls, South Dakota, (Year). Source of image data product.
さて、それでは私たちもならって、今秋、足を使って愛を伝えるGPSアート作品を制作しましょう!……と意気込んだはいいけど、いきなり日本列島ほどの大きなスケールの作品を作るのは大変ですね(というか、できませんよね……) 。まずは近いところで、あくまで可能な、小さいスケールの作品に挑戦してみましょう。
田の字をへこませれば、いきなりハート「♡」のできあがり
Yassanさんは日本列島サイズのプロポーズメッセージを描きました。一方、私たちは手の届く近所から、愛を伝える作品を、小さくてもしっかり描くことからはじめることにします。ずばり描くのは、最もシンプルな図形だけど伝わる、ハート「♡」です。……もう早く完成させて、気になるあの人に見せたくなってきましたよね。
ステップ0 地図を広げる
最初のステップは地図を広げるところからはじめます。といっても広げるのは今の時代、紙の地図ではありませんね。スマホをお持ちの方であれば地図のアプリが入っているはず。これを立ち上げてください。
ステップ1 田の字を探す
地図のアプリを立ち上げたら、次は、道路が「田」の字になっている場所を探してください。コツとしては、できるだけ「縦横の比率が等しい図形」になっている場所のほうが仕上がりが美しくなります。いい場所を見つけたら、スクリーンショットを取りましょう。
ステップ2 田の字の一部を凹ませる
それではハートを描くためのコースを設計しましょう。といってもやることはかんたん。①田の字の外周に「四角」を描き、②その一部をへこませます。これでコースとなる図形、ハート「♡」の完成です!
図2 ①地図に、田の字の場所を見つけて、四角を描いたところ。 (C)OpenStreetMap contributors, Yassan CC-BY-SA 2.0
図3 ②続いて、地図に描いた四角から、一部を凹ませたところ。 (C)OpenStreetMap contributors, Yassan CC-BY-SA 2.0
あとは、実際に描きに出かけるだけです。意外にかんたんにできそう!そう思われたのではないでしょうか。
ここまで読んでGPSアートへの興味が止まらなくなった方は、ぜひ書籍『地球に描こう!GPSアート 』をお読みください。この秋、スマホ片手にGPSアーティストの一人としてご活躍されることを期待しています!
図4 ③ハートのコース完成!早く描いてみんなに届けたい! (C)OpenStreetMap contributors, Yassan CC-BY-SA 2.0