楽しいScratchゲームを教材に子どもの思考力をレベルアップ!

Scratchの達人という本を出版しました。本書は、4つのサンプルでゲーム作りを学びながら、プログラミングの基礎を身につけてしまおうというものです。子どもにとって、楽しく取り組みやすいゲームという題材を選びました。Scratchに慣れてきて、ちょっと背伸びをしたい子どもにうってつけです。対象は中学生以上を推奨しています。

Scratchは、導入がとても簡単なプログラミング環境です。パソコンのブラウザからScratchの公式サイトにアクセスするだけで、さっそくプログラミングができます。子ども向けに見える一方で、他のプログラミング言語にひけをとらない実力を持っています。事実、本書で紹介するような本格的コンピュータ・ゲームも作ることができます。

本書は、プログラム解説をいっさい省略しないという、無謀とも思えるチャレンジを行いました。これまでのScratch解説書は、ごく単純なプログラムに留まるか、複雑なプログラムをうまく隠して提供することが一般的でした。本書は、ゲームに使用しているすべてのプログラムについて、理解に必要な知識を提供しています。


本書でひと通りゲームを作り終えたら、自分で考えたさまざまな発想をプログラミングで実現する実力が身につくはずです。たとえば、ちょっとしたことですが、本書に書いていないことを試してみましょう。

次の画面は、本書で最初に作るゲームです。敵を避けながら迷路を抜けてゴールを目指すという、シンプルなもの。壁・敵・ゴールなどに、それぞれの種類を示す番号が振られ、自機がそれらに当たったかどうかを判定する、というのが要点です。たとえば、すべての壁には「1」という種類の番号が振られており、当たったのが「1」だったら自機が通り抜けできないようにしています。くわしいしくみは、本書でお確かめください。

図1

さて、ここで1箇所、赤マルをつけたところに隠し通路を作ってみましょう。ちょっとした裏技のしかけを用意しようというわけです。赤マルを付けた壁だけは、見た目は同じながら「4」という種類を割り当てることで特別扱いにし、通り抜けできるように変更しましょう。同じ壁の画像で「4」の番号を振ったものを用意してこの位置に配置し、壁の通り抜けができないようにしているプログラムを変更します。

図2
これだけで、通り抜けができるようになりました。
図4

※ ゲームのプレイ動画を配信中です!