エンジニアに必要なスキルとは

エンジニアにはなったけれど⋯⋯

エンジニアは、ただプログラムを書くことだけが仕事ではありません。他者が書いたコードを読み解き、エラーの原因を調べ、会議に出席し、資料を作成する⋯⋯。さまざまなスキルが求められます。特に、就職や転職でエンジニアになった方、もしくはこれからエンジニアを目指す学生の方々にとっては、もともとあった仕事内容のイメージとのギャップなど、戸惑うことも多いでしょう。

今回はそんな方々へ、エンジニアとって特に必要なスキルを4つに絞り、紹介します。

コードを読むスキル

コードを「書く」ことはもちろんですが、コードを「読む」こともとても大切です。実際の業務では、他の人が書いたコードを読むことが日常茶飯事だからです。他者の書いたコードを理解することは、以下の点において重要です。

  • チームでの開発がスムーズになる
  • バグの発見と修正に役立つ
  • 新しい技術やアプローチ、異なるスタイルやベストプラクティスを学ぶことができる

では、どのようにコードを読み、理解すればよいのでしょうか。まずは前準備として、使用するプログラミング言語の基本的な概念や記法を学習します。コードを実際に読むときは、全体の流れをつかむところから始め、細かな部分の理解へと進めていきましょう。また、フロー図やシーケンス図などのビジュアルツールを活用することも有効です。コードの複雑な構造や関係性を視覚的に表現し、理解を深めるのに役立ちます。

エラーを解消するスキル

どんなに経験豊富なエンジニアでも、エラーは避けて通れません。エラーが発生することは、プログラムの品質を向上させるために不可欠な要素です。なぜなら、エラーが発生することで、プログラム内のバグや不具合が明らかになります。発見したバグや不具合を修正し、コードの改善することで、プログラムの品質が向上します。さらに、エラーを解決することで、自らの知識を深め、問題解決能力を向上させ、より高度なプログラミングの技術を習得することができます。

エラーには、大きく分けて次の3種類があります。

  • 構文エラー:プログラムが言語の文法ルールに違反している場合に発生する
  • 実行エラー:プログラムの実行中に予期せぬ問題が起こった場合に発生する
  • 論理エラー:プログラムが意図したとおりに動作しない場合に発生する

エラーには、以下の4つのステップで対処します。

  1. 発生場所の特定
  2. 原因分析
  3. 修正対応
  4. 確認と事後処理

予期せぬエラーが発生しても、慌てず、冷静に対応し、問題解決に向けて動きましょう。

会議に参加するスキル

会議前の事前準備は特に重要です。日程や議題だけでなく、関連する用語や資料、文書を確認しておきましょう。これにより、会議の内容が理解しやすくなり、積極的に議論に参加することができます。議事録を取る場合は、参加者全員が読んでわかりやすいものを作成する必要があります。まずはテンプレートを確認したうえで、箇条書きや段落分けを適切に行い、情報を整理して見やすくしましょう。

資料を作成するスキル

資料はプロジェクトの各段階での指針となり、チーム全体が同じ目標に向かって効果的に進むための基盤を提供します。それぞれの文書を正確に作成し、適切に共有することで、プロジェクトの成功率を大いに高めることができます。

では、どうすればよい資料が作成できるでしょうか。さまざまなやり方があると思いますが、ここでは「デザインの4原則」を紹介します。⁠デザインの4原則」とは、整列、近接、強弱、反復のことです。これらの原則を活用することで、資料の視覚的な一貫性と可読性が向上し、情報が効果的に伝わるようになります。

継続的にスキルを磨くには

今回紹介した4つのスキルは、ほんの一部にすぎません。壁にぶつかり、落ち込むこともあるでしょうが、困ったときは1人で悩まず、周囲の人にアドバイスを求めましょう。

「もっとエンジニアに必要なスキルについて知りたい」という方は、ぜひ新人エンジニアのためのスタートガイド〜仕事の「困った」を解決する〜を手に取ってみてください。現役のエンジニアである著者が、エンジニアとしてのキャリアをスタートするうえで知っておくと役立つ考え方や知識を解説します。